(本社:福岡県福岡市博多区/代表取締役社長 金尾佳文)は、食・農業を通して、持続可能な社会と人々の暮しを豊かにする商品やサービスを提供する、農業資材・家庭園芸用品・飼肥料原料を中心に取り扱う専門商社です。
また、持続可能な社会の実現を目的に企業の立場から社会的課題の解決に取り組む、サステナビリティ活動も実施しています。
その中の一つとして、福岡市今津にある「welzo研究農場」で実施している取り組みを、Biz Promotion Division RESEARCH & DEVELOPMENT Dept 研究農場の古川さんにお伺いしました。
※古川さん(Biz Promotion Division RESEARCH & DEVELOPMENT Dept 研究農場)
■まず、welzo研究農場について教えて下さい。
welzo研究農場は、2022年11月にできた敷地面積約1,200坪、ビニールハウス6棟(7棟目を建設計画中)を構える、農業の先進技術研究に特化した施設です。
※welzo研究農場(福岡県福岡市今津)
具体的な研究は
【九州大学×welzo】「きゅうりの自動栽培システム」の開発
【九州大学×welzo】プラズマグリーン農業研究の社会実装に向けた研究
【高知大学×welzo】植物栽培における生理生態情報の定量的可視化の研究
【welzo】オリジナル培土や資材の栽培試験
と、多岐に渡ります。
その中でも、私は「きゅうりの自動栽培システム開発」に携わり環境測定、データ分析を担当しています。この研究は、施設内できゅうりを育て、設置した高性能カメラや各環境測定機器から得られるデータを収集し、生育状況を評価することが必要です。このプロセスを踏むことで日々蓄積したデータをもとに植物の生育にとって最適な環境条件(温度や湿度など)や栄養条件(水や肥料など)を導き出し、最終的にAIによる一貫した栽培管理を行うことを目指しています。
■実際に沢山のきゅうりが研究農場で収穫できるということですか?
そうですね。最盛期には、一日に100㎏収穫します。しかし、この研究段階で収穫した作物の正規販売ルートは設けていません。私たちの研究農場では、きゅうりそのものを販売することが目的ではないですし、販売してしまうと今ある販売ルートや農家さんを圧迫しかねません。
そこで、現在は社内や地域への配布、子どもたちの収穫体験会などを実施しています。
■これまでどのような活動を実施しましたか
主に、収穫体験の実施と寄付の2つがあります。
収穫体験会は、2023年6月からスタートし、昨年2024年までに6回実施しました。具体的な実施団体と参加人数は以下になります。
【実施団体一覧/参加人数】※2024年実績内浜保育園(福岡市西区、園長 川嵜若)/年長園児44名チャイルドハート※1(伊都キャンパス、玄洋、かや)/未就学児から中学生まで合計33名しあわせ駅 生の松原※1(福岡市西区今宿青木)/未就学児から高校生まで合計12名
※1)児童発達支援事業所
実際の収穫体験会では、最初にきゅうりの成長過程や収穫方法、研究農場の説明を行います。そうすることで、welzo研究農場そのものの興味と、農業を職業選択肢の一つとして認識してもらうきっかけになればと思っています。また、その説明内容は対象年齢にあわせて、学習の難易度を変えるように事前に先生方と打ち合わせをしています。例えば、保育園であれば、「収穫そのもの」を楽しんでもらい、きゅうりや農業に興味を持ってもらうことを最優先します。児童発達支援事業所であれば、収穫作業を通した学習体験に加え、その過程で起こる出来事(集団行動や異年齢の友達との交流など)から、子どもたちの役に立つにはどうすればいいかを意識していますね。
※研究農場の説明のようす
説明後の収穫では、収穫できるサイズを確かめてもらうために、計測用の割りばしや収穫サイズに合わせた厚紙をきゅうりに当てて幹をねじって収穫してもらいます。子どもたちは、いつも収穫スピードが速いです!大きさや数を競い合ったりしながら楽しんでいる様子は嬉しいですね。毎年、収穫体験用に生育過程で身の断面を星形やハート型に育成したきゅうりを栽培しています。それらを収穫した子の歓声や笑顔が印象的でした。
※でこきゅうりのようす
収穫したあとの質問タイムでは、いつも子どもたちからユニークな質問がでますよ。「どうしてまがったきゅうりがあるのか?」、「どうして葉っぱが大きいのか?」、「ハウスできゅうりを育てる理由は?」などや、収穫体験そのものではなく研究農場の仕組みについて聞かれることもあります。きゅうりの株間(かぶま)についてや潅水システム、循環扇などの設備についてなど、私たちが普段気づかない視点で沢山きいてもらえるので子どもたちの興味関心の方向に驚かされます。
※質問タイムのようす
寄付に関しては、地域の子どもたちやデイケア施設に通われる方の給食、障害者支援施設での日々の食事、こども食堂での食材、困窮世帯や引きこもり支援団体にご活用いただいております。
【きゅうり提供先団体一覧】※2024年実績一般社団法人糸島しましまプロジェクト(子どもの居場所 寺子屋しましま)(糸島市)社会福祉法人福岡ろうあ福祉会(福岡市西区)こころふくよか(福岡市早良区)
■地域での活動に感じている意義
収穫体験活動での子どもたちの喜ぶ姿はもちろんですが、フィードバックの際に、参加した子どもたちの引率の先生や保護者の方から「普段とは違う姿がみれた」「普段はきゅうりが苦手だが、収穫したものは美味しそうに食べた」とのコメントをいただき、成長や学習に繋がったと実感できたときは嬉しかったですね。
また、今津校区自治協議会さんのご協力もあって周辺地域への理解と協力体制が広まっているように感じています。実際に、今年収穫体験活動へ参加いただいた「しあわせ駅 生の松原」さんは、自治協議会さんを通じてご連絡いただき実施にいたりました。
地域へのきゅうり寄付についても、引き続き様々な方へのサポートに繋がるように活用していきたいです。福岡に本社がある企業としてさらに地域に根差した活動をしていくためにも、近隣住民の方の理解は必要不可欠だと思っています。
■今後の活動について
収穫体験、地域へのきゅうり寄付は、引き続き2025年も実施していきます。収穫体験については、すでに申込もいただいている状況です。今後も、地域とのつながりを育てていくために周辺地域を中心に収穫体験を実施し、welzo研究農場への理解を深めていきたいです。そして、これからを担う世代に農業を職業の一つの選択肢として知ってもらうためにも、定期的に収穫体験を行っていきたいと考えています。
今後も研究農場がある福岡市今津校区に貢献できたら嬉しいです。この活動を通して、研究にさらに力を注いで世界に向けて発信していきたいです。農業は私たちの生活にとって、切っても切り離せないものだと感じています。そのため世界を見据えて様々な研究をしていくことと、社会貢献活動の両輪を研究農場としては大事にしていきたいですね。
私たちwelzoは、今後も農業および園芸でイノベーションを起こしていくとともに、地域に根差した活動を推進して参ります。
※welzo広報ブランディング室へのお問合せは