杜氏自らが組み立てた木桶で醸した日本酒

2025.02.05 13:26
賀茂鶴酒造株式会社
【新商品】【賀茂鶴酒造】木桶生もと 純米酒 原酒 ver.1.0
賀茂鶴酒造(広島県東広島市西条、代表取締役社長:石井裕一郎)は、木桶を使用した本格的な伝統的酒造りに挑戦しています。
酒造りにおける木製道具の価値が見直されているいま、木桶を使用する蔵は各地にあります。しかし、造り手自らが「木桶を組み、仕込んだ」お酒は多くありません。
中須賀杜氏は準備期間に一年を充て、自作木桶による本格的な醸造に向けた、初めての試験醸造にこぎつけました。

始まりは2018年。木製桶の自社補修・製造を目指す社内プロジェクトが立ち上がりました。
木桶や木製の甑(こしき)は保温性と調湿性に優れているため、古くから酒造りの現場で使用されてきました。しかし戦後は、扱いが容易でメンテナンスの手間が少ないホーロータンクやステンレスタンクに取って代わられ、仕込み用の大型木桶を手掛ける桶屋は、全国で大阪・堺の藤井製桶所一軒のみに。その藤井製桶所からも桶師の高齢化を理由に、大型木桶の受注を停止したいという一報が届きます。
藤井製桶所製の木製甑を使用していた賀茂鶴酒造では対応を迫られ、思いきって藤井製桶所の桶師上芝氏、藤井氏に技術指導を依頼。中須賀をはじめとした若手醸造社員を中心に、自ら木製甑を補修しました。
そのことをきっかけに藤井正桶所の指導のもと、おとなりの酒蔵・西條鶴醸造の古い木桶を修理。
一連の「木桶プロジェクト」は、その後の木桶仕込みに挑戦する大きなきっかけとなりました。

2022年の夏、木桶プロジェクトのメンバーが藤井製桶所を訪れました。泊りがけで技術指導を受けながら、第一号の大型木桶の製作にチャレンジ。メンバー自らがかんなで木材を削り、竹で箍(たが)を編みました。
大阪・堺の藤井製桶所で技術指導を受ける
完成した第一号の大型木桶

そうして出来上がった木桶。
「いつかこの木桶でお酒を醸したい。」
そう願ったものの、木桶を使った酒造りのノウハウが現在の社内には少ないため、試験醸造から始めなくてはなりませんでした。
広島に戻り、酒母用の小型木桶も組み立てた中須賀は、まずはこの木桶を仕込み用に転用し、少量の醸造から始めることに。
小さな木桶で試験醸造を始める

木桶仕込みは、木桶のなかで育まれる酵母を始めとする菌類が酒に深みを与えることで独特の個性が生まれます。
その個性を生かしながら、雑味のないきれいな酒質を表現するために、たどり着いたのが「生もと造り」でした。
今回は、酵母はもちろん、乳酸菌も無添加。
米と水、蔵内に棲みつく様々な微生物の力で発酵させる、いわば”蔵の力を活かす”生もと造りです。

「生もと造り」で重要なのが、「もと摺り」と呼ばれる酒母を育てるための工程。 
麹、蒸米、仕込水を半切桶に入れ、専用の道具ですり潰していく、体力も求められる作業です。この作業を行うことで、自然界にいる乳酸菌が繁殖しやすい環境を作ります。
1番櫂、2番櫂、3番櫂と一日3回に分けて、ペースト状になるまですり潰します。
一晩寝かせたあと桶に移し、毎日少しずつ温めながら、ゆっくりと発酵を促します。
もと摺りの様子

「もと摺り」から13日目。シュワシュワという小さな音とともに細かな泡が現れ始めました。空気中の酵母が桶内に入り込み、アルコール発酵が始まった証拠です。
酒母期間を終えてもろみになると、泡は一層大きく木桶から溢れんばかりに。力強い蔵付き酵母ならではの変化です。
発酵が旺盛なもろみ

仕込み始めてから、酒を搾る「上槽」までおよそ50日。もろみを搾ると、「青冴え」と呼ばれる青みがかった黄色の美しいお酒に仕上がりました。
搾ったばかりの黄色がかった色味は「青冴え」と呼ばれる。

火入れ(加熱処理)直後はとてもフルーティーな香り。しかし若くてまだ辛く、後味もスッキリし過ぎな印象のため、適切に寝かせて味が熟すのを待つことにしました。
数か月後、適度に熟成が進み、すっきりキレのある飲み口はそのままに、旨味がしっかりとのってきました。燗で試すと、まろやかで、より旨味が感じられる味わいになりました。
出来たばかりの木桶生もとのお酒。長期熟成による味わいの変化も楽しみ。

そうして出来上がった、中須賀杜氏による初めての木桶仕込みは「ver.1.0」として、賀茂鶴オンラインストアで数量限定で販売中です。
取り組み始めたばかりの木桶仕込み。
「ver.1.0」を礎に、さらなる進化をもとめて挑戦を続けます。
賀茂鶴 木桶生もと 純米酒 原酒 ver.1.0 2,200円(税込)
杜氏自らが造った木桶で醸した純米酒 原酒
 温度帯によって味わいが変化する面白さに加えて、過酷な環境を生き抜いた「生もと造り」のお酒は、独特の力強さを宿します。
「生もと造り」のお酒は熟成の速度がゆっくりなため、長期熟成にも適しています。
 この商品は瓶詰から発売まで、およそ10か月の熟成期間を設けました。
 適切な保存方法で保管すれば、品質が劣化しにくく、コクと深みのある味わいを長く保つことができます。
 ご自宅で熟成させながら、じっくり楽しむのもおすすめです。

木桶生もとver.1.0
純米酒 原酒
● 杜氏による自作木桶
● 生もと仕込み
● 四号蔵 蔵付き酵母
● 広島県産山田錦
■ 内容量 720ml
■ アルコール分 18度以上19度未満
■ 原材料名 米(広島県産)、米こうじ(広島県産米)
■ 原料米 山田錦 100%
■ 精米歩合 69%

賀茂鶴オンラインストア限定商品
2025年2月7日(金)出荷開始
価格:2,200円(税込)
詳細・お求めは賀茂鶴オンラインストアにて
藤井製桶所を弊社の社長が訪ねた記事「会いに行ってもいいですか」
3年間にわたる木桶製作プロジェクトの詳細はこちら
賀茂鶴酒造株式会社
創業:明治6(1873)年
代表者:代表取締役社長 石井裕一郎
所在地:本社・醸造蔵 
〒739-0011 広島県東広島市西条本町4番31号
賀茂鶴酒造 オフィシャルサイト 
本件のお問合せ先:広報課 新谷
TEL 082-422-2122 FAX 082-422-2340

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