私たちThinkingsは、「採用管理システムsonar ATS」を提供するHR Tech企業です。
「誰もが意志ある仕事をするために、誰もが使える方法をつくる。」をミッションに掲げ、「今ある何かをより良く変えたいと強く願い、意志を持って仕事に取り組む人たち」に選ばれるプロダクトをつくり、それを磨き続けています。
本記事では、Thinkings PM部門ゼネラルマネージャーの中筋が、PM部門の取り組みについてお話します。エンジニア、CTO、プロダクトマネジメントなど幅広いキャリアを歩んできた中筋ならではの、PM起点の部門を超えた組織強化や課題解決の取り組みなどを深堀りします。
中筋 丈人(なかすじ たけと)
Product Management Dept.ゼネラルマネージャー
兼 Product Marketing Management Team マネージャー
高校卒業後、陸上自衛隊に入隊、十迫撃砲副砲手として各種任務に従事。その後、ITエンジニアにキャリアチェンジし大規模無線LAN設計構築などを経て、2013年NHNテコラスに入社し、サービス企画やITインフラの設計運用に従事。2015年アマゾンジャパン株式会社に入社、ディストリビュージョンセンターのシステム構築、運用業務に従事。2016年4月にリードエンジニアとしてライフスタイルデザイン(現 株式会社FABRIC TOKYO)に参画、同年11月に執行役員に就任。2020年4月より株式会社ノンピCTO/CPOに就任。2023年11月よりThinkings株式会社に参画。
― 「何が売れるか」を考え「どう売るか」を定義し実行する、PMM
はじめまして。Thinkings PM部門の中筋です。「採用管理システムsonar ATS」を提供するThinkingsでは、2023年から、PdM(プロダクトマネジメント)に加え、PMM(プロダクトマーケティングマネジメント)というポジションを設け、プロダクトをより良いものにすべく日々活動しています。私はPMMとPdMを統括するPM部門のゼネラルマネージャー、およびPMMのチームマネージャーを務めています。
Thinkingsのミッションは「誰もが意志ある仕事をするために、誰もが使える方法をつくる」。その中でPMMは、”プロダクト”を通してミッションを実現するために活動しています。具体的には、経営戦略や事業戦略からプロダクト戦略を立案し、プロダクトという形にするための企画からデリバリーまでを担っています。
PMMは、「何が売れるか」を考え「それをどう売るか」を定義し実行する。その達成に向け、必要なアクションを「なんでも」取り組む姿勢で活動しています。
よく聞かれるPMMとPdMとの違いですが、Thinkingsでは以下のように定義しています。
・PMMは、「MSP(Minimum Sellable Product)」に責任を持つ組織
・PdMは、「MVP(Minimum Viable Product)」に責任を持つ組織
※MSPとは「販売可能な最小限の製品」、MVPとは「実用可能な最小限の機能」を指します
それぞれの役割をシンプルに言えば、「売る」と「作る」と表現できますが、その違いが最もわかりやすいのは、それぞれの視点です。PMMはプロダクトの外側に目を向け、PdMはプロダクトの中身にフォーカスします。PMMとPdMでは、プロダクトの企画・開発・リリース・デリバリーまで、それぞれの立場・視点から適切な問いを投げかけて、プロダクトをより良いものにすべく切磋琢磨しています。
― 「PMM:売れる」 VS 「PdM:つくれる」の健全な対立がよいプロダクトを生む
例えば、機能アップデートなどプロダクトの方向性を考えるためには、お客様の声や市場の変化、セールス・マーケ上の課題などがPdMに伝わっていることがとても重要です。そのため、お客様の代弁者であるPMMは、市場やお客様からの情報をもとに、「こんな機能が必要じゃないか?」とアイデアをPdMに提案します。
それを受けてPdMは、開発リソースなどを鑑みて「そんなに大きな機能開発でなく、こんな機能でどうか」と提案する。さらにPMMが 「あまり小さい機能だと、市場優位性がなくなってしまうので、これくらいの機能だとどうか?」と意見を返す。
このように、Thinkingsでは「売れる」 VS 「つくれる」というPMMとPdMとの健全な対立をつくりたいと考えています。プロダクトをよりよくしていきたい気持ちはみんな同じです。私は、この両者の視点がうまくバランスを取れるような仕組みを構築し、組織全体のプロダクト開発力を高めることに取り組んでいます。
― 開発と営業の間にある距離を埋めるために、共通目標を設定
PMMとPdMに限らず社内で健全な対立をつくるには、フラットに議論できる環境が必要です。その環境づくりのために、PM部門を超えた組織改善にも取り組んでいます。例えば、「開発と営業部門の間に距離があり、お互いに何をしているのかよく分からない」という問題は様々な企業で起こりがちです。Thinkingsでも改善すべき課題のひとつでした。
そこで、役員や各部門のマネージャーを交えて、「PMMとの部門を超えた共通目標」を設定しました。具体的には、マーケティング部門とPMMで「特定カテゴリーのリード獲得数●件」、営業部門とPMMで「商談率●%」などの共通目標を設定しました。
人は同じ目標を持った方がうまくいきます。スポーツでも、「ゴールにボールを蹴り込む」といった共通の目標があるから、みんなで協力しながら行動できます。共通のゴール、目標があると、問題があったときにどのように取り扱うのか、どう対応するか、といった話が部門を越えて自然に生まれます。逆に共通のゴールが見えていないと、「これは私のチームの仕事じゃない」といった縦割りの弊害を招いてしまいます。
共通目標を設定してから、各チームでのマネージャー単位、現場レベルでのミーティングが以前より頻繁に行われるようになり、情報の透明性が高まりました。チーム間の連携がよりスムーズになったと感じています。
― PMの組織強化とともにスクラム開発力も向上
PMM、PdMを含むPM全体を担う自分には、「PM組織の強化」というミッションがあります。例えばPMMでは、メンバーの増員をはじめ、ThinkingsのPMMはどうあるべきか、何をすべきかを定義し、メンバーへの理解促進を続けています。
また、OODAループの考え方※に基づき、入社してからしばらく社内を“観察”し、普段の行動や会話から「考え方をアップデートしたほうがいいのでは」「やり方が効率的ではないのでは」と気づいた点をメンバーに共有し、改善・修正する、というループを意識し取り組んできました。入社後2か月ほどで、PMの業務課題や改善箇所が見えてきたため、具体的な業務効率化やワークフローの改善なども進めました。
※迅速な意思決定を可能にする戦略的な思考法。OODA とは、観察・状況判断・意思決定・行動の4つのプロセスの頭文字。
特に現場レベルでは、PMの雑務が多いことが課題のひとつでした。一般的にはPMMやPdMが担わないような仕事や、主幹部署が決められないような仕事も対応していたんです。要は、業務整理ができていない状態でした。開発プロセスの課題も、この状況に影響していると考えました。
Thinkingsではこれまで、PMとPEで組織をまたいだ業務整理を行う機会が生まれにくかったのですが、各部門のマネージャー層と話をして、「PMでやらない仕事」を決め、業務を分担し直しました。それにより、PMは本来のプロダクトマネジメントの仕事の割合を増やすことができ、開発チームのスクラム開発力の向上にも繋がりました。スクラム開発に対する全体的なマインドセットも改めてできたと思います。
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前編では、PMMの役割や、PMを起点とした課題解決と部門を越えた組織強化の取り組みについてお話ししました。
についてお話します。
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