【能登半島地震×豪雨】消えかかっている「輪島塗」の灯。伝統工房の再建にお力を!

2025.02.01 02:57
石川県輪島市にある「塗師屋いち松」は、古くから「輪島塗」の塗り職人を家業とし【全工程一工房製造】という希少技術を誇ります。しかし「能登半島地震」「能登半島豪雨」による二重被災で工房は半壊。伝統工房の再建に皆さまのお力をお貸しください。プロジェクト終了まであと約10日!引き続きのご支援をお願いいたします。
 昨年12月13日にスタートしたプロジェクトも残り10日を切りました。これまで全国の皆さまからお寄せいただいた多くのご支援と心温かいメッセージに、あらためて深く御礼申し上げます。


 私たちが再建を目指す工房は「平屋30坪」の非常にシンプルな設計ですが、工房再建にかかる費用は「総額3,800万円」を要し、現在申請中の助成金や補助金でカバーできるのはそのうちの約2,500万円程であることが明らかになりました。
 想定外に建設費がかかるのは、地震の影響で建築資材の需要が高まり、材料費が高騰しているのが主な原因です。能登半島地震から一年、豪雨から4か月が過ぎましたが、当地では未だ私たちのような小規模事業者は必要な資材を確保することも困難な状況にあります。
 工房再建のため「残る1,300万円」は自己負担となりますが、豪雨災害での損失ものしかかるなか、製品や材料の保管場所となる倉庫の建設費500万円も必要で、その捻出が私たちの大きな課題となっています。


 そのため当初目標であった500万円を達成後、「ネクストゴール1,000万円」を目指して当プロジェクトを継続中ですが、この目標を達成できれば、工房再建のみならず、必要最低限の設備を整え、日本の伝統工芸である「輪島塗」の復興に向けた一歩を踏み出せます。


 プロジェクト期間も残りわずかとなりましたが、引き続き皆さまのご支援をお願いしたく存じます。無事ネクストゴールを達成し、共に「輪島塗」の未来を見守っていただければ幸いです。1月31日(金)のプロジェクト終了時まで、ご支援の程どうぞよろしくお願いいたします。


2025年1月21日  塗師屋いち松
当初目標500万円を達成! ネクストゴールに挑みます!
 不安を胸に12月13日にスタートしたクラウドファンディングでしたが、全国の皆さまから多大なるご支援を賜り、わずか12日間で目標としていた「500万円」を達成することができました。
 ご支援いただいた皆さま、陰ながらお力添えくださった皆さまに、心より御礼申し上げます。また、皆さまから頂戴した温かいメッセージの一文字、一文字が、二重被災からの工房再建、真の「輪島塗」の復興を目指す私たちの強い力になっております。
 当初、工房再建への足掛かりとして目標金額を500万円に設定しましたが、次のステップとして【ネクストゴール1,000万円】を目標に、期限(2025年1月31日)まで当プロジェクトを継続いたします。
 輪島は冬景色となり、能登半島地震から早くも一年を迎えようとしています。
 引き続きのご支援、お力添えを何卒お願い申し上げます。
2024年12月25日 塗師屋いち松
【地震×豪雨】二重被災地「輪島」の現在
 2024年1月1日に発生し甚大な被害をもたらした「能登半島地震」。輪島市ではライフラインや道路が徐々に復旧する一方、全壊・半壊したビルや家屋の解体・撤去作業は思うようにはかどらず、春を過ぎても非日常な景色のなかでの暮らしが続いていました。
 それも受け入れ、生活再建に向けてようやく立ち上がり始めた矢先、私たちを襲ったのが9月の「能登半島豪雨」でした。台風14号から変わった温帯低気圧、活発な秋雨前線、そこに線状降水帯も重なり、9月20日深夜に降り出した雨は翌21日の朝8時から猛烈に勢いを増し、その後11時までに最大雨量222ミリと、輪島市の9月1ヶ月間平均雨量(214.5ミリ)を「わずか3時間」で超えてしまいました。
 この記録的大雨で河川は氾濫し、土砂は崩れ、下水道は処理オーバーとなり、地震で弱っていた輪島の各所が大水に飲み込まれてしまったのです。「地震×豪雨」の二重被災。追い打ちとなった水害が人々の復興に与えたダメージは冬を迎える現在もなお続いています。

塗師屋いち松について
「塗師屋」と書いて「ぬしや」と読みます。
「いち松」は代々続く輪島塗職人の家系として、石川県輪島市中段町で父・一松春男と、沈金師の母・たみ子、私・聡司の親子で工房を営み、ギャラリー兼直販店「うるしの木」(金沢市)を窓口に輪島塗の企画制作・販売をしております。
 室町時代に原型が生まれ、江戸時代に発展した「輪島塗」は美しさのみならず実用に強い堅牢性で知られますが、その強度を生み出すのが塗り―特に下地塗りの技術です。
 天然のケヤキやアスナロを素材とした木地づくりから加飾まで100以上ある手作業の工程のなかで、輪島塗の根幹である下地から上塗りまでの重要な「塗り」に関して、いち松では【全工程一工房製造】にて、すべて同じ職人の手塗りで行っています。
先祖から受け継がれたいち松の技術は、品質の高さと希少性から多方面に注目され、世界的写真家・田原桂一氏の作品制作協力、日本伝統工芸の匠たちが参加した高級住宅展示場などを手掛け、一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会主催の「JAPAN TRADITIONL CRAFTS WEEK」でも輪島塗の代表として選出されています。
直営店 塗師屋うるしの木(金沢市)

プロジェクト立ち上げの背景
 2024年1月1日の地震発生時、両親は輪島市中段町の工房兼住居に、私は金沢に賃貸している「うるしの木」の店舗にいました。すぐに両親に連絡し、約111km離れた輪島に向けて車を走らせましたが道路がつぶれて通行できず、輪島に辿りついたのは1月3日でした。
 地震で損傷した建物は外壁が落ち、屋根も崩れ、室内は足の踏み場もありません。幸い電気は通っていたものの、断水して食糧もなく、仕事の再開も絶望的。身の安全確保を第一に1月5日に輪島を離れ、両親とともに金沢の店舗で避難生活を送ることになりました。
 4月になり、工房周辺の水道がやっと復旧したことで一家は輪島に戻り、半壊認定の黄色い「要注意」の紙がはさまれた家で不安を抱えながらも生活を始めました。最も損傷が激しかったのが2階にある「塗りの作業場」で、特に雨漏りがひどくバケツを置きながらの仕事再開となりました。

9月能登半島豪雨による二重被災
 半壊の工房をさらに襲ったのが9月21日の「能登半島豪雨」です。2階の塗り作業場は午前8時から猛烈に激しさを増した大雨でついに天井が落ち、水が入った作業場は漆を乾かす工程で必要な塗師風呂(ヌシブロ)も管理不能となり、作業中の製品も仕事道具も在庫も失いました。


 一方、1階では午前11時頃から床下の隙間からじわじわと水が上がりはじめ、畳が浮き出し、家具が流れ、あっという間に床上30㎝以上もの浸水。河川からは少し離れているにも関わらず、家中に泥水が流れ込みました。この地面から上がる水は「内水氾濫」と呼ばれ、雨量を処理しきれなくなった下水道管の影響によるものです。結果、当家のみならず地区全体が大きな水たまりになってしまいました。


 この水害によって工房にあったものの8割が被害を受けました。作業前の木地は水を含んで変形し、大切な漆も沈金に使用する金箔・金粉などの材料もすべて処分。保管庫にあった数百点に及ぶ輪島塗の被害も甚だしく、豪雨による損害は計り知れません。
目的は「輪島の地で、工房の再建」
 震災による被災者は能登半島全域に広がっているため、半壊建屋の解体計画は遅々として進みません。豪雨以前は半壊の建屋内で慎重に作業をしていましたが、豪雨後はそれも立ち行かなくなりました。
  能登半島豪雨から2ヶ月余りが過ぎ、ボランティアの方々のご尽力も賜りながら自助に努めてまいりましたが、浸水による建屋のダメージは取り戻しがつかず、二重被災となった工房はいまだ復旧にはほど遠い状態です。


 そこで「塗師屋いち松」では、一日でも早く復興し、お客様のもとへ高品質な「輪島塗」を再びお届けするため、隣接地に新たな工房を再建すべくこのプロジェクトを立ち上げました。
  二重被災による道具や製品等の損害の負担も大きくのしかかり、工房再建には石川県による「なりわい再建支援補助金」をはじめ様々な助成金も活用しますが、多額の自己資金も必要となります。
 輪島の地で工房を再建し、新たなスタートを切る足掛かりとして、今回のプロジェクトでは、目標金額を「500万円」に設定しています。
工房再建までのスケジュール
●2024年11月 工事着工
●2025年春頃 工房完成予定
●2025年春以降 順次返礼品製作、発送開始リターン品について
 2024年11月末現在、当社工房での生産体制はまだ整っておりませんが、来春以降、数量を抑えながらも再開し、お申込みいただいた御品を順次お届けいたします。そのため納品まで長いお時間を頂戴することになりますが、いち松自信の「手塗り」にさらに思いを込めて仕上げます。到着の日を楽しみにお待ちいただけますと幸いです。

最後に ―PROUD OF WAJIMA 輪島の誇り―
 美しく堅牢な「輪島塗」は、なぜ「輪島」で生まれたのか?


 それにはさまざまな背景がありますが、一つには25~28度という「気温」と80~90%という「湿度」が漆塗りに適していたということです。そして二つ目に輪島市にある通称「地の粉山」を産地とする粗く良質な珪藻土が、堅牢性を高める下地塗りの材として最適だったということ。この風土でなければ「輪島塗」は生まれなかったのです。
 さらに、その品質を担保するため、古くから「輪島塗」は輪島の地で、輪島の人間によって、手づくりすることを厳しく義務づけられていました。


 能登半島のはずれに位置し農業と漁業しかない小さな輪島市で、江戸時代以降「輪島塗」は貴重な基幹産業となりました。しかし1980年代後半のバブル崩壊から産業規模は年々縮小し、1990年代に私が高校を卒業する頃には職人を志す地元の若い人はいなくなりました。その後、職人は高齢化し、令和のいま「輪島塗」の灯は消えかかっています。


 一方で、輪島に暮らす人々は血縁のどこかで必ず「輪島塗」に携わっています。
 私の祖父母、さらにその親も研ぎ物、下地作業の職人でした。
 子供の頃から周りには「輪島塗」が溢れていました。家の柱には漆が塗られており、お椀、お箸、お盆、座卓など生活のあらゆるところに「輪島塗」がありました。それが輪島の暮らしなのです。
 PROUD OF WAJIMA.
 「輪島塗」は輪島の誇りであり、輪島人の象徴です。
 地震と豪雨の二重被災地となったいまだからこそ、私はこの地に踏みとどまり、真の「輪島塗」を未来に繋ぎたいと強く願っています。


 2024年1月の震災後、多くの職人がこの地を離れました。
「輪島塗」を取り巻く環境も変わり、混とんとした暮らしが続くなかで、私は新たな挑戦として「輪島塗のランプ」をつくり始めました。
 災害に見舞われ暗闇に包まれたとき、わずかな光がどれほど大きな安心感を与えてくれたことか。そのときの体験を「輪島塗」という伝統のなかに融合させたい。伝統の美しさを守るだけでなく、新たな形でその価値を広げていきたい、そんな想いからでした。 
 このランプは、単なる照明器具ではありません。私自身の被災の経験と防災の精神から生まれたものであり、困難ななかにあっても「希望を灯し続ける存在」であってほしいという願いが込められています。
 しかし、9月の豪雨被害によって工房機能を失い、その後も輪島を襲う余震のなかで、再び不安定な日常が続いています。


 「能登半島地震」から一年を迎えようとしていますが、この地で生き、伝統を受け継いできた先人たちの想い、そして未来を共に歩むお客様の為に、この「輪島塗のランプ」が「希望と絆を象徴する存在」となることを願っています。
 そして、自らも職人として、この地の「誇り」を灯し続ける責任があると感じています。
 当クラファンの目的である「工房の再建」を実現し、「輪島塗」が時代を越えて新たな価値を持つ存在へと生まれ変わる瞬間を、共に見届けていただければ幸いです。
 地域が復興し人々に心からの笑顔が戻るように、「輪島塗」の灯をともし続けたい。貴重な基幹産業の継続と未来のために、皆さまのご支援をどうかお願い申し上げます。

最後までこのページをご覧いただき誠にありがとうございました。
お仕事を共にした、日本の匠たちから応援メッセージをいただきました
日本の伝統産業には、自然への畏敬の念と命への祈りが込められています。
自然は、私達にとって恵みにも脅威にもなりますが、人間のものづくりに対する尊い営みは、人々の暮らしを豊かに彩る掛け替えのないものです。日本を代表する尊い技術の継承のための再建を、心よりお祈りしております。
和紙作家・堀木エリ子様


能登半島地震、豪雨災害により被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
日本の伝統工芸である輪島塗。何度も漆を塗り重ね、磨き上げてつくりあげる。この伝統の技を職人たちがつないできた。この灯を消してはいけない。同じ日本の伝統を守る職人として応援したい。日本の宝である輪島塗を守りたい。
数寄屋大工・杉本広近様


甚大な被害を乗り越え、輪島の地で復興を目指す熱い想いに心を打たれます。いち松様のその高い技術で、これからも輪島塗の魅力を日本のみならず世界に発信して頂けますように、また皆様に穏やかな生活が戻りますように、栄建具工芸も応援します!
組子職人・横田栄一様


この度の能登半島地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
職人仲間の一松様も被災され、同じ職人として、微力ではありますが、少しでもお役立ちできれば幸いです。一日も早い復興と皆様が心身ともに穏やかに過ごすことができますようお祈り申し上げます。
左官職人・久住有生様


被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
私たちの職人仲間で、輪島塗師の一松様も被災されました。私たち一人一人が出来ることは微力ではございますが、応援したいと思います。一日も早く復旧復興が出来ますよう頑張っていきましょう。
建具職人・和田伊弘様


ものづくりに携わる者として なにか励みになる仕事や人の紹介、 ご協力出来る支援などがあれば なんでもご相談ください。 皆で乗り切りましょう、頑張ってください。
組み紐職人・福田隆様/隆太様

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