外国人材紹介の常識を覆す。「なぜこの業界はブローカーが必要なのか」その違和感から生まれたサービス構築の裏側と未来

2025.04.17 10:00
特定技能外国人と日本企業をつなぐマッチング事業を手がける株式会社ジンザイベース。日本の深刻な人材不足問題に取り組む上で大切にしているのは、単なるマッチングではなく「定着」。16万人以上の求職者データベースを独自に構築し、外国人材の教育から採用、定着までを一貫してサポートする体制で、日本社会の未来を支えています。


特に日本語能力に強いこだわりを持ち、長期的キャリア形成を見据えたアプローチで約1万社にも及ぶ同業他社と異なるモデルをなぜ構築したのか、どのような課題に向き合っているのか、代表取締役・中村大介に聞きました。
外国人材の「定着」にこだわる理由
――ジンザイベースを設立した背景を教えてください


中村:
当社は2021年の創業以来、「社会のDX(ダイバーシティトランスフォーメーション)」を掲げています。日本の労働力不足は社会問題化しており、特に国内人材の確保が困難な産業分野では、外国人材の活用が不可欠です。


しかし、従来の外国人採用では「言葉が話せない」「コミュニケーションが取れない」などの問題が多発していました。そこで「そもそも外国人材の採用において、何が最も重要なのか」を突き詰めて考えたとき、企業と外国人材の双方にとって最も価値があるのは「定着」だと気づいたのです。現在16万人を超える外国人材のデータベースを構築・拡大し続けているのも、この考えが根底にあるからです。


――なぜ定着が重要なのでしょうか?


中村:
外国人材採用において、語学力の低さが原因でコミュニケーションが取れないと、企業との関係性も深まらず、結果として定着も難しくなります。企業側にとってはせっかく採用した人材がすぐに辞めてしまうとコスト面でも大きな損失ですし、外国人材側にとっても日本でのキャリア構築が難しくなってしまいます。


そこで私たちは、まず求職者の日本語教育からスタートし、日本語能力試験でN2~N3以上と認定された高い日本語力を持った方のみを企業とマッチングしています。面接の時点で日本語がある程度話せる人であれば、就労後も意思疎通ができ、即戦力になるという明確なメリットがあります。
16万人のデータベース構築と中間マージンの排除
――16万人以上という圧倒的な求職者データベースはどのように構築されたのですか?


中村:
私たちは自社メディアやSNSを駆使し、日本で就労意欲のある国内外の外国人材に直接アプローチしました。例えばベトナムならこのSNS、インドネシアならこのメディアというように、各国の若者が最も利用するプラットフォームで、彼らが興味を持てるようなコンテンツを継続的に発信してきたのです。


その結果、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、ネパールなど東南アジアのほぼ全域をカバーするデータベースを構築できました。現在はインドのような大国での展開も視野に入れています。


――ジンザイベースのビジネスモデルの特徴を教えてください


中村:
私たちの事業の出発点となったのは、ある「違和感」でした。日本国内における人材紹介は、人材エージェント→企業というシンプルな構造が当たり前です。ところが、外国人材の紹介になった途端、現地の送り出し機関やブローカーが介在し、複雑な仕組みになってしまう。


日本人の紹介であれば、紹介会社が自社で候補者を集客・データベース化し企業へ紹介する形式が一般的である一方、なぜ外国人材紹介になるとブローカーが介在するのか。この疑問が当社の出発点になっています。


結果として、これまでの外国人材紹介では、求職者も日本側の企業も余計な手数料を負担する負のスパイラルが生まれていました。「もっとシンプルで負担の少ない紹介方式が実現できないのだろうか」——この問いに対する答えが、私たちのビジネスモデルです。


私たちがユニークなのは、海外の送り出し機関やブローカーを介さず、直接求職者とつながっている点です。独自の人材データベースを活用することで中間マージンを極限まで排除し、求職者も受入企業もムダなコストを払うことなく、最短1週間でのマッチング、2週間での面談調整というスピード感で進められる体制を確立しています。


このように、私たちは外国人材紹介業界の慣習そのものをアップデートしていくことを目指しています。
「特定技能2号」取得支援で長期的キャリア形成を実現
――外国人材の長期的なキャリア形成についてどのようにお考えですか?


中村:
特定技能は「1号」と「2号」に分かれており、「1号」は在留期間が5年上限ですが、「2号」は期間無制限で家族の帯同も可能になります。当然、企業側にも外国人材側にも「2号」取得はメリットが大きいのですが、そのためには熟練した技能と高い日本語力が求められます。


そこで私たちは「2号」突破の可能性を高めるため、最低でもN3からN2相当の語学力がある人材に絞って紹介しています。また、日本で既に就労している外国人材の転職支援も行っており、特に都心部ではより高いキャリアを目指す外国人材のニーズも増えています。
社会のDXを世界に拡大し、越境人材紹介へ進出
――今後のビジョンについて教えてください。


中村:
ジンザイベースは創業以来、累計1,000名以上のマッチングを実現してきました。私たちが掲げる「社会のDX」とは、異なる文化や背景を持つ人々が日本で一緒に働き、新しい価値を生み出すことで社会全体をアップデートしていこうという考え方です。


約16万人の外国人材データベースを基盤に、現在は「海外→日本」の人材紹介を主軸としていますが、この事業で収益を確保しながら、より広い領域への挑戦を計画しています。


――具体的にはどのような展開を考えていますか?


中村:
私たちはまず、16万人ものデータベース構築・拡大を継続していきます。このデータベースを中心に外国人材紹介事業で収益を積み上げつつ、新規事業へ積極的に投資していく方針です。


直近では、外国人ITエンジニア紹介事業に注力し、新しい事業の柱を構築中です。さらに段階的に特定技能人材紹介事業、そして越境人材紹介事業へと事業領域を拡大していきます。


最終的には「海外→海外」「日本→海外」といったグローバルな人材紹介事業へと進化させ、社会のDXを世界規模で実現していくことを目指しています。


人材不足が深刻化する日本において、単なる「数合わせ」ではなく、互いの文化や価値観を尊重し合える環境づくりが重要です。私たちは今後も「定着」にこだわり、企業と外国人材の双方にとって価値のある関係性を構築していくことで、日本社会の持続的な発展に貢献していきます。


そして何より、外国人材紹介業界に根付いた「当たり前」の慣習に疑問を投げかけ、よりシンプルで効率的な仕組みを提案し続けることで、業界全体のアップデートを牽引していく——それが私たちの使命だと考えています。
企業情報
会社名 :株式会社ジンザイベース
所在地 :東京都千代田区神田錦町2丁目2−1 KANDA SQUARE 11F
代表者 :代表取締役 中村 大介
設立  :2021年6月
事業内容:各種コンサルティングサービス
URL:
・サービスサイト(外国人サービス業人材):
・サービスサイト(外国人ITエンジニア紹介):
・オウンドメディア(Jinzai Plus):
・YouTube(ぐろーばる採用TV):

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