【PEN/マラッド賞受賞!イーユン・リー13年ぶりの短編集】喪失や孤独、ままならない人生…… 悲しみとともにユーモアも感じられる珠玉の11編を収録した待望の新刊『水曜生まれの子』が2月21日に発売。

2025.02.20 09:00
河出書房新社
短編集『千年の祈り』『黄金の少年、エメラルドの少女』および『ガチョウの本』など、優れた小説で数々の賞を受賞。世界中の読者が心を震わせる小説家、イーユン・リーの傑作短編集。
株式会社河出書房新社(本社:東京都新宿区 代表取締役:小野寺優)は、イーユン・リー著『水曜生まれの子』(篠森ゆりこ訳、税込価格2,695円)を2025年2月21日に発売します。


小説を刊行するたびに数々の賞を受賞し、今もっとも注目度の高い作家のひとりといえるイーユン・リーによる『水曜生まれの子』(原題:Wednesday’s Child)は、約20年に及ぶ作家生活の中で、3冊目となる短編集です。

表題作でもある「水曜生まれの子」は、マザーグースの有名な童謡に由来しています。
「月曜生まれは器量よし、火曜生まれはお上品、水曜生まれは悲しみにくれ、木曜生まれは旅に出る、金曜生まれは思いやりあって、土曜生まれは働きもの、でも安息日(日曜)生まれは元気いっぱい明るいよ」
本作はある母親の旅先での話ですが、その母親の娘は数年前に自死しています。水曜日に生まれ、木曜日に15歳で亡くなったのです。これは著者のリーの息子が16歳で自死したあとに書かれた物語で、著者の実生活と二重写しにも見えます。頭の中で娘と「口論」しながら、旅を続ける母親の道中を、鮮やかに描写しています。

イーユン・リーは、2022年に短編小説におけるこれまでの優れた業績に対して贈られるPEN/マラッド賞を受賞しました。選考委員のひとりはリーのことを、「どの物語も、発掘されたばかりの新発見のように感じさせる才能を持つ」と評しました。本書は2024年のピューリッツァー賞の最終候補に、また同年のロサンゼルス・タイムズ文学賞フィクション部門の最終候補作に残りました。また本書所収の「かくまわれた女」は2015年の英国のサンデー・タイムズEFG短編賞の受賞作です。本書の著者の筆致は以前にも増して研ぎ澄まされ、年齢と経験を重ねたことで他者への想像力もますます豊かになったように感じられます。喪失や孤独など、重いテーマを扱いつつもユーモアが感じられ、一編一編が大変読み応えがあります。

本書に収録された11作品のうち、もっとも古いものは2009年、もっとも新しいものは2023年に発表されており、14年間のうちに発表されたなかから厳選された、珠玉の作品群です。収録している作品のタイトルは以下のとおりです。

「水曜生まれの子」 Wednesday's Child
「かくまわれた女 」 A Sheltered Woman
「こんにちは、さようなら」 Hello, Goodbye
「小さな炎」 A Small Flame
「君住む街角」 On the Street Where You Live
「ごくありふれた人生」 Such Common Life
「非の打ちどころのない沈黙」 A Flawless Silence
「母親に疑わせて」 Let Mothers Doubt
「ひとり」 Alone
「幸せだった頃、私たちには別の名前があった」 When We Were Happy We Had Other Names
「すべてはうまくいく」 All Will Be Well

世界中の読者が心を震わせる小説家、イーユン・リーの傑作短編集『水曜生まれの子』発売にぜひご注目ください!


■『水曜生まれの子』海外の書評など
『水曜生まれの子』は、悲しみに満ちているかもしれないが、驚くべきすばらしさにも満ちている。(中略)彼女の登場人物に人生は容赦をしない。しかしリーがあるインタビューで語っていたように、「悲しみの中には多くの笑いもある」。
――タイムズ誌

人物像が生き生きとしていて、語り口が繊細で、人間の日々の苦闘が見事に描かれているこれらの物語は、リーが作家として絶頂期にあることを示している。
――パブリッシャーズ・ウィークリー誌

喪失の後で立ち直ろうとする人々に焦点をあてている。(中略)そして誰かを失うことが、遺された人だけでなくその人生そのものをいかに変えてしまうかを、胸をしめつけるように描いている。
――NPR(米国公共ラジオ放送)

テーマやスタイルにつながりのある物語を集めた感動的な一冊。子供の死後も懸命に生きる母親や介護士の仕事を背景にした、悲しみと優しいユーモアが混ざり合う作品。
――ピューリッツァー賞委員会



■著者紹介
著者:イーユン・リー  Yiyun Li
イーユン・リー Photo: Denise Applewhite

1972年、北京生まれ。北京大学に入学し、生物学を専攻。卒業後の1996年にアメリカに留学し、アイオワ大学大学院で免疫学を研究していたが、進路を変更し同大学院の創作科に編入、英語で執筆するようになる。2005年に短編集『千年の祈り』を刊行し、フランク・オコナー国際短編賞、PEN/ヘミングウェイ賞、ガーディアン新人賞などを受賞。続いて2009年、初の長編『さすらう者たち』を発表。その他の著書に『独りでいるより優しくて』『理由のない場所』『もう行かなくては』『ガチョウの本』、短編集『黄金の少年、エメラルドの少女』などがある。これまでにPEN/マラマッド賞を受賞、PEN/フォークナー賞、PEN/シーン・スタイン賞など数々の賞を受賞。現在、プリンストン大学で創作を教えながら、執筆を続けている。

訳者:篠森 ゆりこ Yuriko Shinomori
翻訳家。訳書に、イーユン・リー『千年の祈り』『さすらう者たち』『黄金の少年、エメラルドの少女』『独りでいるより優しくて』『理由のない場所』『もう行かなくては』『ガチョウの本』、クリス・アンダーソン『ロングテール』、マリリン・ロビンソン『ハウスキーピング』など。著書に『ハリエット・タブマン──彼女の言葉でたどる生涯』がある。

■新刊情報
書名:水曜生まれの子
著訳者:イーユン・リー著 篠森ゆりこ訳
仕様:四六変型判/仮フランス装/312ページ
初版発売日:2025年2月21日
定価:2,695円(本体価格2,450円)
ISBN:978-4-309-20918-0
出版社:河出書房新社

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