〈メタルギアソリッド × イスラム魔術的リアリズム〉全米で話題沸騰! ビデオゲーム世代の最注目作家による『きみはメタルギアソリッドV:ファントムペインをプレイする』が2月27日、ついに発売

2025.02.20 14:00
河出書房新社
アメリカ最大の文学賞「全米図書賞」最終候補5作に選出、アスペン・ワーズ文学賞、O・ヘンリー賞他数々の賞を受賞した現代文学の傑作が日本上陸
株式会社河出書房新社(東京都新宿区/代表取締役 小野寺優)は、現在アメリカ文学界で最も注目されるひとり、アフガニスタン系アメリカ人作家、ジャミル・ジャン・コチャイによる傑作短編集『きみはメタルギアソリッドV:ファントムペインをプレイする』を2025年2月27日に刊行いたします。

アメリカ本国では、アスペン・ワーズ文学賞、O・ヘンリー賞、クラーク・フィクション賞といった著名な文学賞を続々受賞し、ニューヨーカー誌のベストブックにも選出。2023年、アメリカで最も影響力を持つ「全米図書賞 フィクション部門」最終候補の5作に選ばれ、絶賛を浴びた、新世代の“ビデオゲーム・マニア”作家によるイスラム・マジックリアリズム短編集です。

全米で話題沸騰の傑作短編集『きみはメタルギアソリッドV:ファントムペインをプレイする』
本書扉ページより

『きみはメタルギアソリッドV:ファントムペインをプレイする』は、父や母たちが逃れてきた戦争、あるいは多くの仲間が逃れられなかった暴力と死の記憶を、現代アメリカのポップカルチャーを経由した視点から、実験的ともいえる様々な形式、手法を駆使して描かれた12編を収録。

著者のゲーム・マニアぶりがうかがえる表題作は、アフガニスタンからの移民一家で育つ少年が期待に胸を膨らませ、発売されたばかりの〈メタルギア・ソリッドV〉のスタートボタンを押す。アフガニスタンを舞台にしたオープンワールドのマップ上に、主人公であるスネークの姿で降り立つ少年。彼は他者の目を通してアフガニスタンの地を見つめ、そこで暮らすひとびとを見つめる。自分や家族によく似た姿のノンプレイヤーキャラクターの銃撃を受けながら、彼は叔父が殺されようとしている村に向かうことを決断する⋯⋯。
……それはメタルギアで、コジマの作品で、きみの幼少期の思い出の中でも、欠かすことのできない大切なシリーズの最終作なわけで、ときどき過去作をプレイして、
「The Best is Yet to Come」のアイルランド系ゲール語の歌声を聞くと、涙が自然とあふれ出て、キーボードへと落ちていく。(表題作より)


その他、配達され続ける息子の肉片を縫い合わせていく母親(「差出人に返送」)、パレスチナの囚人解放を求めてYouTubeでハンガー・ストライキを拡散する大学生たち(「ハラヘリー・リッキー・ダディ」)、いつまでも死ねない老女を見守る天使と地球(「ヤギの寓話」)、サルに変身し反乱軍を率いることになった青年の数奇な運命(「サルになったダリーの話」)、アフガニスタン系移民一家を監視する謎の人物(「巡礼者(ハッジ)ホタクの呪い」)など、語り得ない痛みの歴史を独特のユーモアで描いた作品群は、唯一無二の光彩を放つ奇跡のマスターピースです。
誰もナビーラのことを知ってるはずがなかったのに、その父方のおばさんだか母方のおばさんだかいとこだかの人たちは皆、愛の愚かさについてそれとなく話してた。その人らには二度と会うことはなかった。その後は、『ヴァンガード』の記者が取材に来て記事を書いた。「アフガニスタン人学生、絶食でパレスチナ人テロリストの解放を要求」。その三日後、誰かがオレらの駐車場にブタの死骸を置いてった。(「ハラヘリー・リッキー・ダディ」)より」


ビデオゲーム世代の最注目作家、ジャミル・ジャン・コチャイ
【著者】ジャミル・ジャン・コチャイ Jamil Jan Kochai
ジャミル・ジャン・コチャイは、1992年アフガニスタンの内戦が激化するなか、パキスタン・ペシャワールにあるアフガニスタン難民キャンプで生まれ、間もなく、家族と共にアメリカ・カリフォルニア州サクラメントへ移住。世界最大の難民コミュニティの一つに帰属することになりました。

家族の故郷アフガニスタン・ロガール州で使われるパシュトー語、ペルシャ語で、両親、親戚から聞かされた物語、また、故郷への定期的な訪問は、ジャミルに創作のインスピレーションを与え、その後の小説執筆に大きな影響を与えます。

高校卒業後は自身で学費を稼ぎながらカリフォルニア州立大学サクラメント校で学士号を取得。その後、カリフォルニア大学デービス校とアイオワ・ライターズ・ワークショップでクリエイティブ・ライティングの修士号(MFA)を取得し、2019年、長編小説『99 Nights in Logar』でデビュー。ニューヨーク・タイムズ、ガーディアン他各紙誌から高く評価され、PEN/ヘミングウェイ賞、DSC南アジア文学賞の最終候補にも選出されました。

2作目となる本書でアスペン・ワーズ文学賞、クラーク・フィクション賞、O・ヘンリー賞を受賞したほか、全米図書賞フィクション部門の最終候補にも選ばれるなど、いま最も注目を集める新世代作家のひとりです。

【訳者】矢倉喬士 やぐら・たかし
アメリカ文学研究者、翻訳家。大阪大学特任講師。ドン・デリーロを中心とした博士論文にて博士号を取得後、映画・グラフィックノベル・ビデオゲーム・Netflixドラマなど様々なメディアを通して多角的に現代アメリカの姿を分析している。
共訳にタナハシ・コーツ『僕の大統領は黒人だった』、デイヴィッド・マッツケーリ『アステリオス・ポリプ』 、共著に『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』がある。

目次
きみはメタルギアソリッドV:ファントムペインをプレイする
差出人に返送
もういい!
バフタワラとミリアム
ハラヘリー・リッキー・ダディ
サバーの物語
職務内容は以下の通り
予感、を、思い出す
ガルブディンを待ちながら
ヤギの寓話
サルになったダリーの話
巡礼者(ハッジ)ホタクの呪い

謝辞
訳者解説
本書表紙


書誌情報
書名:きみはメタルギアソリッドV:ファントムペインをプレイする
著者: ジャミル・ジャン・コチャイ
訳者: 矢倉喬士
仕様:46判/上製/272ページ
発売日:2025年2月27日
税込定価:2750円(本体2500円)
ISBN:978-4-309-20920-3
ブックデザイン:川名潤
書誌URL:
※近日中に電子書籍の発売を予定しています。
詳細は各電子書籍ストアにてご確認ください。

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