輸送効率を追求したら「荷台自体」が取り外し可能に! 注目度爆上がりの「脱着装置付きコンテナ自動車」が使えるヤツだった

2024.08.25 20:00
 この記事をまとめると
■いまトラック輸送の効率化を図ろうとする動きが盛んだ
■高い効果を挙げているのが荷台ごと脱着をする方法となっている
■「脱着装置付きコンテナ自動車」について解説する
荷台を脱着する方法がトラック輸送を効率的に
  2024年問題の対策として、トラック輸送の効率化を図ろうとする動きが盛んだ。そのためには、荷物の積み下ろしをどれだけスムースに行うかが大きなポイントのひとつになるため、さまざまな工夫や取り組みが行われてきた。そのようななかで、比較的高い効果を挙げているのが荷台ごと脱着をするという方法である。コンテナ(インターモーダル貨物用コンテナ)/トレーラー/スワップボディなどがその代表といえる。さらに、「脱着装置付きコンテナ自動車」によって運用されるタイプのものも、マイナーながらさまざまなシーンで活躍をしているのだ。
  この車両はキャビンとシャシーにユニッククレーンのような装置(専用コンテナの脱着装置)がついた本体と、単独で運用する専用コンテナで構成されている。運搬物はおもに、一般廃棄物(ゴミ)・産業廃棄物・砂利や土砂・液体物・農産物農機具・家畜の飼料や糞尿といったもので、それぞれに適したコンテナがある。インターモーダル貨物用コンテナ(普通のコンテナ)との違いは、コンテナ同士を重ねるなどといったことができないので、単独で運用されるところだ。
  専用コンテナは積載物の扱いになるため、運転免許はトラックの大きさに対応していればよく、コンテナの脱着扱いに対する特別な資格・教育なども不要だ。ただ、車両の大きさはトラック部分で登録されているので、コンテナの突出(トラック寸法からのはみ出し)部は、道路運送車両法・保安基準に準拠した範囲に収める必要がある。
重量オーバーには注意が必要
  とくに注意が必要なのは、トラックの車両総重量だ。コンテナの積載量が、トラックの自重を加えたときにそれを下まわっていたとしても、そこにコンテナの自重を加えて車両総重量をオーバーしてしまうと、過積載になってしまうのである。要するに、積載量は荷物の重量+コンテナ自重であることを、理解しておく必要があるのだ。
  専用コンテナの種類は多様で、アオリがない平台タイプ(小型建機や長物などの輸送)/アオリがある平台タイプ(平ボディ車と同様の運用)/防水タイプ(液状物の運搬)/ゴミ箱タイプ(分別が可能なのでイベント会場/集合住宅などのゴミ箱として運用)/通常タイプ(壁が高く丈夫なので多目的に運用可能)などがある。また、ダンプ機能がついたトラックもあるので、コンテナを降ろさなくても荷物を排出することもできる。
「脱着装置付きコンテナ自動車」の歴史は古く、原形はアメリカで1930年代後半に登場した。その後、改良が重ねられ、新明和工業から新たに登場した「アームロール・車輌総重量22トン車級」は、架装部の各部構造を最適化したことで大幅な軽量化を実現。従来モデルに比べて、最大積載量を最大200kg増加させた。これにより、1回で輸送できる荷物の量が多くなり、輸送効率が向上している。
  また、トラックの脱着操作をサポートする専用のナビ画面を装備。左右後方とフック部には、コンテナ脱着の稼働状況を確認できるふたつのカメラを設置した。その映像を運転席の7インチモニターに投影し、そこに脱着操作する際ガイド線を表示してオペレーターをサポートするといった、最新の技術を投入している。今後はコンテナの開発も進むと思われるので、ますます用途が広がっていきそうだ。

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