産廃業者の不法投棄は排出業者の責任に! 産廃業者に課せられる厳しいルールと運搬トラックの種類

2024.08.23 20:00
この記事をまとめると
■産業廃棄物は一般廃棄物と比べて処理が難しいとされている
■産業廃棄物を運ぶトラックには表示の義務がある
■産業廃棄物運搬車の種類について詳しく解説
産業廃棄物運搬車には表示の義務がある
  社会活動をする上で、必ずといってよいほど発生するごみ。捨てるしかないものだから、一般には「廃棄物」と呼ばれており、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」の2種類にわけられているのだ。前者には一般家庭が日常生活で排出する「家庭系一般廃棄物」と、事業活動によって生じたもののうち「産業廃棄物にあたらない「事業系一般廃棄物」がある。このなかで、政令により定められた爆発性・毒性・感染性などの危険をもつ廃棄物は、別途「特別管理一般廃棄物」に分類する。
「一般廃棄物」ではない政令で定められた20種類の廃棄物を「産業廃棄物」と呼び、その処理には厳しいルールが定められている。具体的なものとして、燃え殻・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリ・廃プラスチック類などがあり、トラック関連でよく知られるのは廃タイヤ・廃油・廃バッテリーといったものである。いずれも、簡単に処分ができないというだけではなく、適正に処理をしなければ地球環境・生活環境に甚大な悪影響を及ぼしかねない。
  産業廃棄物は原則として排出者が処理しなければならないが、現実的に考えればそれは無理な相談だ。そこで産業廃棄物処理業者がそれを請け負い、多くはトラックを使用して運搬する。このとき、そのトラックには産業廃棄物運搬車であることを、表示しなければならないと決められている。その内容は、 ・産業廃棄物を運搬していること(産業廃棄物運搬車) ・廃棄物処理の許可を受けている事業者名 ・産業廃棄物事業の許可番号 の3つである。
  ちなみに、排出事業者が自家処理するために運搬する場合は、 ・産業廃棄物を運搬していること(産業廃棄物運搬車) ・排出事業者名 のふたつを表示すればよい。
産業廃棄物運搬車にはさまざまな種類がある
  産業廃棄物を運搬するトラックにはさまざまな種類があり、それぞれ運搬物や運用に特徴をもっている。
・アームロール車
  荷台を後方に滑らせるようにして脱着することができるトラック。あらかじめ荷台を廃棄物発生現場に設置し、満杯になったものと空のものを入れ替えることが可能なので、効率的な運用ができる。液体や固体など、運搬する廃棄物に応じた荷台があるので汎用性が高い。
・パッカー車(塵芥車)
  圧縮が必要な廃プラスチックなどの収集に使用されることが多い。汚水タンク付きのものもあり、水分を含んだ廃棄物の処理も可能。
・コンテナ車
  荷台の部分にコンテナを乗せるタイプのトラック。金属くず・瓦礫・ガラスくず・繊維くずなど、腐食しない産業廃棄物ならコンテナに入れたままで、一時的に保管することができる。
・タンクローリー
  廃油・汚泥・廃アルカリなど、大量の液状廃棄物を運搬する。
・バキュームカー
  動体・粘性半流動体・沈殿物などを、ホースから直接タンクに吸い込む能力をもっているので、汚泥などの運搬に使用される。
・ダンプカー
  固形廃棄物であれば、比較的広範囲に運搬できるので汎用性が高い。たとえば、建物の解体現場で排出されるコンクリート片・瓦礫・廃プラスチックなどが対象となる。
・チップ車(深ダンプ)
  本来は紙の原料となる木のチップを運ぶトラックで、上からチップを入れやすいように荷台に天井がない。積載物は軽量だが容量をとるために、荷台壁(アオリ)が高くなっている。廃棄物の場合はおからくずや木くずなどである。
・クレーン車(ユニックタイプ)
  ボディは平ボディなので乾燥した固形廃棄物を載せるのだが、クレーンを搭載しているので、とくに金属くずなどといった重量物が運搬対象になる。
  産業廃棄物処理を事業者に委託するときには、このように廃棄物に合わせたトラックを用意できるかということや、そこに正しく運搬の表示をしているかなどということを確認する必要がある。もし、委託先が不法投棄をした場合、その責任は排出事業者に課せられるのだ。地球環境や企業の社会的責任の観点からも、適正処理を心がけなければならないといえよう。

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