走行中に「電動サイドミラー」を畳んだり開いたり! 乗用車乗りが知らない大型トラックの「サイドミラー」を使ったワザ3つ

2024.08.09 20:00
この記事をまとめると
■大型トラックは格納式のサイドミラーを装備している
■走行中トラックドライバーがあえてサイドミラーをたたむことがある
■駐車時以外にトラックドライバーがサイドミラーを格納する理由を解説
走行中にサイドミラーを格納!?
  いまや格納式のサイドミラーが当たり前の装備となった現代の自動車社会。それは大型トラックも同様で、助手席側のサイドミラーは運転席からスイッチひとつで電動格納できるようになっているのが一般的である。その最たる活用法は、もちろん駐車時。高速道路のパーキングエリアなどでは助手席側のサイドミラーが大きく張り出してしまい、かつ夜間になると周囲の車両からは確認しづらい。そのため、サイドミラーを格納するのが暗黙のルールであり、マナーとなっているのだ。
  しかし、格納ミラーの役割はそれだけではない。大型トラックのドライバーたちは、1日の大半を運転業務に徹している。そのなかで、便利な活用法が生み出されたのだ。これらは格納ミラーを開発した自動車メーカーサイドの意向にはそぐわないものなのかもしれないが、元大型トラックのドライバーであった筆者自身が使っていた格納ミラーの活用法を、いくつかご紹介させていただこう。
  まずは、運転中45度ほどの角度から斜め合流をする場合。運転席側の道路に入る場合は目視で本線の確認ができるのだが、自分から見て左側にある道路に合流や流入をしようとするとき、後方が見えないトラックの場合は目視による確認ができない。左側の本線道路を走行している車両すらサイドミラーに映らないため、危険が山盛りなのだ。そのときにサイドミラーを格納し、起こすという動作を行なう。
  車体方向内側に倒れる乗用車とは異なり、大型や中型トラックの助手席側サイドミラーはフロントガラス方向の外側に向けて倒れる構造となっている。そのため、わずかな時間ではあるが、格納中のサイドミラーに左側の本線道路が映し出されるのだ。それを必要に応じて何度か繰り返すことで、安全確認ができるというわけだ。ちなみに、むしろそうせざるをえないような場所は、そもそもトラック泣かせの欠陥道路であるといえるのだが。
峠でサイドミラーをたたむことも
  ふたつ目は、右折レーンにいるとき。右折レーンが存在する交差点は、全国に山ほど存在する。そのような道路は大型トラックがたくさん走行しているのだが、右折レーンは車線の幅が狭かったりもする。そのため直進して対向する大型トラックは速度を落とすか、車体を多少左に寄せなければならないといった危険な状況が生じるのだ。それを配慮して、右折レーンにいる大型トラックはサイドミラーを格納するのである。
  大型トラック同士はサイドミラーの高さが同じであるため、接触する危険性が高い。しかし右折レーンの大型トラックがサイドミラーを格納することで直進する大型トラックの通行を妨げることなく、自車の安全も確保できる。そして信号が変わって発車する直前にサイドミラーを起こし、安全確認をしたうえで右折を開始するというのが、マナーのいいプロドライバーの走り方である。
  3つ目は、曲がりくねった峠道を走行するとき。そのような道路には、草や木の枝が覆い茂っていることが多い。それらに接触してしまうとサイドミラーが破損してしまうため、格納して走るのだ。そのような道路では左側の後方から追い抜きをかけてくる自家用車やバイクが存在しないため、助手席側のサイドミラーを格納しても問題はない。むしろ木の枝を避けるという動作が不要になるため、センターラインを割らずに走行しやすくなるのである。
  ここまで挙げたすべての技においては、もちろん自車の車両感覚に優れていなければできない芸当である。いずれも数10cmをめぐる攻防ゆえ、不慣れなビギナードライバーにはお勧めできないが、このような走り方をしている大型トラックは意外にも多い。右側から斜め合流をしてくる大型トラック、右折レーンで待っている大型トラック、草木が覆い茂るような峠道を走る大型トラックを見かけた場合には、ぜひともサイドミラーの状態を確認してほしい。乗用車のドライバーにはわからないような、プロドライバーならではの苦労や配慮に気付くことができるはずだ。

あわせて読みたい

信号の基本の基本!青色の灯火信号の意味【1回で受かる! 普通免許 ルール総まとめ&問題集 「ポイント学習+実戦テスト」で実力が身に付く!】
ラブすぽ
追い越しには余裕を持って交通安全!追い越し禁止のルールもおさらい【1回で受かる! 普通免許 ルール総まとめ&問題集】
ラブすぽ
相続にはトラブルがつきもの? 予期せぬ事態への対処法
antenna
「うまいまずいのラーメンショップ」って店名からしてぶっとんでる! わざわざ遠方からも「トラックドライバー」が訪れる行列ラーメン店の秘密
WEB CARTOP
ドライバーの負担軽減を実現する「中継輸送」には3つのパターンがある! 思ったほど簡単じゃない実現に向けての「メリデメ」を考えた
WEB CARTOP
「相続ナビ」で相続を手軽に! 事例とともに対処法を解説
antenna
「弱者優先」を振りかざしても事故ったら自分が痛い! 身を守るために知っておくべき大型トレーラーや大型トラックの動き
WEB CARTOP
出すの出さないの? ドッチ側に出すのが正解? 迷いがちな「ウインカー」の出し方について考えてみた
WEB CARTOP
抹茶のバタークリームとクッキーの芳醇な香りの「抹茶バターサンドラムレーズン」新登場
PR TIMES Topics
「トラック」の死角と内輪差に要注意…交差点や横断歩道を渡る際に“トラックとの衝突・接触”を防ぐポイントを解説
TOKYO FM+
違反じゃないけど最低限これぐらいはできてくれ! まわりをイラつかせるマナー違反の運転5つ
WEB CARTOP
divan「アードワーズチョコレート」新商品「アールグレイ」も加わりアソートで登場
PR TIMES Topics
「接触事故」を避けるために…“運転中の走行位置”で注意すべきポイントを専門家が解説
TOKYO FM+
あおり運転は論外! だけどあおりを誘発するドライバーがいることもまた事実! もし該当したら見直すべき4つの迷惑運転
WEB CARTOP
40代女性の欲しいを全部詰め込んだ「新美容手帳」制作プロジェクトスタート
PR TIMES Topics
緊急車両通行時の対応でわかる運転モラル! アメリカの例をみると日本もまだまだと感じる
WEB CARTOP
大量輸送可能な「フルトレーラー」はなんと全長25m! 大型+けん引免許を「もってるだけ」じゃ運転できないシロモノだった
WEB CARTOP
ポップアップイベント 丸山百景 KEITA MARUYAMA 30TH ANNIVERSARY「丸山敬太の縁起物市 in 銀座三越」開催
PR TIMES Topics
入っても違反じゃないけど入らないほうがいい!? 導流帯「通称ゼブラゾーン」の扱いを元教習所教官が解説する!
WEB CARTOP
「止まれ」の停止線で止まれば違反じゃないけど安全でもない! 事故を防ぐために重要な「多段階停止」とは
WEB CARTOP
紙を消費しない新スタイルメモ「Kaite(カイテ)メモ」リニューアル
PR TIMES Topics