あらためて高速での「あおり運転」被害に「遭いやすい運転」の見直しを! ドッチも「違反」している可能性もあり

2024.07.09 20:00
この記事をまとめると
■近年はあおり運転が社会問題になっている
■正しい運転をすればあおり運転に遭遇しなくなることも多い
■あおられない運転をトラックドライバー目線で解説
報道で目にする映像は都合よく切り取られている可能性も
  近年、世のなかを騒がせているあおり運転。特定のクルマの通行を妨害し、ときにはドライバーにも直接危害を与えるという、とても許すことのできない愚行である。しかし、あおり運転はどのような経緯で行われたのかという部分にまで深く言及し、報道されるケースは限りなく少ない。あおり運転をする側が悪いというのは当然だが、あおられた被害者側の運転にもクエスチョンがつくケースが多いのだ。むしろ「こういう運転をしてさえいれば、このあおり運転の被害を防ぐことはできただろう」と思うことが多いのである。そのなかの代表的なものを、トラックドライバー目線で取り上げてみたい。
  あおり運転の被害を伝える報道でよく流されるのが、被害車両に装着されたドライブレコーダーの映像。その多くは被害の大きさをまざまざと伝える内容だが、ときには「自分(被害者)に都合のいい部分だけを切りとって公開しているな」と感じることがある。とくに高速道路上におけるあおり運転の被害者は、ずっと追い越し車線を走行していることが多いのだ。
  高速道路には、走行車線と追い越し車線が存在する。通常は走行車線を使用し、必要な場合のみ追い越し車線を利用し、走行車線に戻る。それが高速道路上における最低限のルールだが、走行車線が空いているにもかかわらず、追い越し車線を延々と走るクルマが多いのも事実。
  ちなみにこの行為は「車両通行帯違反」となり、後続車に追いつかれた場合に進路を譲らない行為も立派な違反行為になるということも、自動車を運転するドライバーにとっては周知の事実であろう。
「法定速度を守っていれば問題ない。速度を超過して走っているほうが悪い」といった思考を持つドライバーも少なからず存在しているようだが、速度超過だけが違反ではない。であるにもかかわらず、被害を受けた車両は追い越し車線を延々と走行していることが多いのである。
  これはサンデードライバーによく見られるが、交通を妨げるかなりの迷惑行為である。大半のドライバーは腹を立てながらもオトナの対応をしてくれるかもしれないが、後続車両をイラつかせる行為であることは間違いない。それでいて「あおられた」と被害者ヅラをするのは、いかがなものだろうか。せめて、自身が違反行為をして迷惑をかけているということは、自覚していただきたい。
速度を一定に保つことも重要
  そして、速度が一定しないクルマもあおられやすいといえるだろう。非力な商用車や軽自動車であれば、上り坂で速度が落ちることはやむをえない。しかし、乗用車では余程のことがない限り、一定の速度で走ることは十分可能だ。とくに、トンネルに入ると速度が極端に落ちるクルマが多い。それがトンネルを先頭とする自然渋滞の元になり、追突事故を誘発する行為にも該当する。
  さらに、他車に追い越されそうになると速度が速くなったり、なにもない場所であっても速度が落ちるようなクルマが意外にも多いのだ。
  それらは、単にスピードメーターを見ていないからこそ発生する問題。運転に慣れたドライバーであれば体感的に速度が判断できるのだが、不慣れな人は速度が一定しないという傾向にある。「(高速道路などでなぜか)よくあおられる経験がある」という人には、ぜひともスピードメーターをこまめに確認しながら運転することをおすすめする。それだけで、あおられるケースは大きく減ることだろう。
  最近では、動画を撮るためにわざとあおらせるという悪質なドライバーも存在するようだ。そのような人間と意味もなくあおるような人間は救いようもない存在だが、悲しいかな一定数は存在する。そのような輩と遭遇してしまった場合は、速やかに距離をおくことが大切だ。とくに大切な家族を乗せている場合は苛立つ気持ちをこらえながらサービスエリアに立ち寄るなど、悪質なドライバーとの距離を保つように心がけたいものである。
  そして、「自分の運転が周囲の交通に悪影響を与えていないか」をいま一度確認しながら、快適なるカーライフを満喫していただきたい。

あわせて読みたい

いか釣り漁船のごとく光るトラックの「マーカーランプ」! 単なる「デコ」かと思ったら重要な役割があった
WEB CARTOP
ハザードにパッシングにブレーキ5回点灯!? 誰が始めたか「暗黙の」灯火類コミュニケーション6つ
WEB CARTOP
あなたの動画を自然に翻訳!「AI動画翻訳くん」とは?
antenna
ジープ初の電気自動車「アベンジャー」発売!記念の限定車「ローンチエディション」も150台限定で登場!
CARSMEET WEB
気になるニュース「なぜ、キャンピングカーは横転したのか?」【連載 桃田健史の突撃!キャンパーライフ「コンちゃんと一緒」】
CARSMEET WEB
秋を彩る和栗づくしの祭典 「笠間マロンコレクション2024」開催
PR TIMES Topics
あおり運転の定義と罰則は? 危険な妨害運転の罰金・懲役について解説
WEB CARTOP
頼むからヤメてくれ! トラックドライバーが頭を悩ませる乗用車の運転ダントツ1位は「速度が安定しない」だった
WEB CARTOP
ロキソニンにまつわる素朴な疑問を薬の作り手が解決! 小さな錠剤に込められた想いとは
antenna
大量輸送可能な「フルトレーラー」はなんと全長25m! 大型+けん引免許を「もってるだけ」じゃ運転できないシロモノだった
WEB CARTOP
違反じゃないけど最低限これぐらいはできてくれ! まわりをイラつかせるマナー違反の運転5つ
WEB CARTOP
秋の深みを感じる『ジャーマンポテトサラダ』登場
PR TIMES Topics
やっぱりパワーはあるに越したことなし! ローパワー車乗りが「あぁパワーほしい……」となる瞬間3選
WEB CARTOP
相次いで発生している逆走事故!逆走車に遭遇したときに身を守るためにできることとは?
CARSMEET WEB
わんちゃんと泊まれる都市型ホテル「ザ・スクエアホテル銀座」予約受付開始
PR TIMES Topics
トラックドライバーを守るための「430休憩」はやっぱり現場を知らないお役所仕事! 「現場のドライバー」からは非難囂々だった
WEB CARTOP
「本当に免許もってる!?」「それがカッコイイと思ってる?」と車内で絶叫必至! 他人を超絶イラつかせる運転にもの申す!!
WEB CARTOP
「ポトン!」と落とす楽しさが味わえる新感覚の知育玩具発売
PR TIMES Topics
邪魔と思う気もちもわかるけど大型トラックの事情もわかって! 元トラックドライバーがぶっちゃける乗用車にやめて欲しい迷惑行為4選
WEB CARTOP
敵か味方か「タコグラフ」! トラックドライバーも運送会社も「監視する」運行記録計の中身
WEB CARTOP