いか釣り漁船のごとく光るトラックの「マーカーランプ」! 単なる「デコ」かと思ったら重要な役割があった

2024.08.05 20:00
この記事をまとめると
■トラックにはマーカーランプが装着されている
■現在はLEDタイプが主流だ
■マーカーランプの役割について解説する
装着が義務のものとそうでないものがある
  トラックに使用されている、丸や四角の小さなマーカーランプ。車両下部や荷台上部などにさまざまな色のものが取り付けられており、何だかイルミネーションのような雰囲気をもっている。そのためにトラックに乗らない人からはファッション重視の趣味的なランプに思われることもあるようだが、じつは重要な意味をもつ奥の深いパーツなのだ。
  昭和時代の人なら「トラックの運転席上部にも付いていたよなぁ」と懐かしむかもしれないが、似た形をしていてもあれは「速度表示灯」という別物。トラックは歩行者やほかのクルマから走行速度を把握しにくいために、3つの緑色灯火の点灯パターンでその目安を視認させようとしたものである。一定の大きさを超えた車両には、搭載義務が課されていた。これは、日本独自の規則であったために輸入車から見れば参入障壁となり、1999年に外圧を受けるなどして廃止された。現在では、この灯火をつけているトラックを見ることがほとんどない。
  このことからもわかるように、車両の灯火には「装着が義務付けられているものと「装着してもよいもの」の2種類が存在する。前者はヘッドライト・ストップランプ/ウインカー/幅灯などといった保安部品にあたるもので、後者はフォグランプやデイライトなどが該当する。広い意味におけるマーカーランプにはこの両方が存在しており、それぞれ細かな決まりが定められていて、それに合致しなければ車検がとおらないなどといった問題が発生する。
自車やまわりの車両の走行を妨げる仕様は違反
  マーカーランプをとくにサイドマーカーランプと呼ぶときには、道路運送車両法の保安基準にある「側方灯」を指すと解釈されることがある。これにはトラックのサイズ感をまわりのクルマに知らせる目的があり、一定の大きさを超える車両には装着義務のある保安部品の一種だ。必ずしもランプである必要はなく反射板でも構わないが、取り付け位置や色などについて細かな規定がある。また「装着が義務付けられているもの」だから、ランプを装着しているときに球が切れるなどして点灯できないと、整備不良車として検挙されかねない。
  こういったことから、側方灯は装飾を目的として利用するには必ずしも自由度が高いとはいえない。ゆえに、トラックに彩を添えたいと考えるトラックドライバーは「装着してもよいもの」である「その他の灯火類」として、マーカーランプを取り付けることが多いのだ。ただ、車両の高さを表す「車高灯」は「任意」でありながら、装着位置や視認性などに関する規定が厳しい。
  マーカーランプを「その他の灯火類」として装着する場合でも、取り付け場所/取り付け方/色/明るさ/点灯の仕方などについて、道路運送車両法・保安基準の抵触に気をつける必要がある。そのポイントは以下だ。
・保安部品である灯火類と誤認をしないか
・車検証にある車両サイズの許容範囲内で取り付けてあるか
・自車や周りの車両の走行を妨げる仕様になっていないか
  しかし、保安部品に比べれば装着の自由度が格段に向上するのだ。市販されているマーカーランプの種類は豊富で、従来からあるレトロな丸みを帯びた円錐型のもののほか、現在主流となっている薄型では丸・楕円形・四角などの形がある。今ではLED仕様のものが中心だが、特有の明るく鋭い光だけではなく、レンズと組み合わせるなどして、白熱球のような柔らかい光を発するタイプなども売られている。トラックドライバーは、これらを独自の工夫で組み合わせて個性を表現し、孤独な夜の走行の癒しにしているのである。

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