ダイハツの不正があったのにN-BOXの数字が伸びていない! 1月の新車販売台数を分析して見えた意外な事実

2024.03.01 06:20
この記事をまとめると
■2024年1月単月の新車販売台数統計では前年より数字を落とすもN-BOXがトップだった
■スズキはダイハツの出荷停止などの影響から売り上げを伸ばした
■登録車でも数モデルで気になる順位変動が見られた
相変わらずのN-BOXのヒットっぷり。しかし数字は……
  2024年1月単月の新車販売台数統計は、ダイハツの一連の不正問題による出荷停止の影響が本格的に出始めるタイミングとなる。そのなかで自販連(日本自動車販売協会連合会)と全軽自協(全国軽自動車協会連合会)が公表した、2024年1月単月の車名(通称名)別新車販売ランキングを合算(含軽統計)してみると、やはりその影響が大きかったのが明らかとなった。
  含軽ランキングでトップとなったのはホンダN-BOX。2023暦年締め年間新車販売台数第1位、つまり2023暦年でもっとも売れた新車の勢いを、そのまま年が明けてもそのまま維持しているようにも見えるが、前年同期比で88.1%と少々奮わないように見える。
  現行ホンダN-BOXは2023年10月に正式発売となっている。気になる納期は遅れているどころか短納期傾向となっており、販売に影響を与えていない。ダイハツ車が出荷停止となり、思うように販売促進活動ができないなか、ダイハツ車を検討しているお客を取り込んで販売台数の上積みを狙うチャンスなのだが、十分にそのチャンスを活かしきれていないように見える。
  一方で、ダイハツ車を検討しているお客の取り込みに成功しているのがスズキといえるだろう。スズキの売れ筋軽自動車の前年同期比をみると、スペーシアで111.1%、ハスラーで114.4%となっている。1月上旬の初売りセールのタイミングでスズキディーラーを訪れると、「ダイハツさんは初売りを自粛していますから、ダイハツさんを検討されているお客さまを取り込むことも含め、前年比30%増しの集客を目標としています」とスタッフは意気込みを語ってくれた。
  ホンダも初売りや、年度末決算セールを熱心に行っているし、N-BOXは大事な稼ぎ頭なので、何もダイハツ対策を講じていないとは思えないのだが……。
  この動きを見ると、やはりダイハツ、スズキといった軽自動車をメインに扱うメーカーと、ホンダや日産など登録車の販売比重もそれなりにあるなか軽自動車をラインアップするメーカーの間でのそれぞれ「かぶらない軽自動車ユーザー」の存在を感じてしまう。
  いまどきは軽自動車を「オンリーワン」として所有する人は少なくない。若者や女性だけではなく、年金生活に入っている層など幅広く軽自動車1台ですべてを賄っているユーザーは多い。
ダイハツからのOEM車は一気に順位が下落
  しかし、登録車からダウンサイズして軽自動車に乗り換えるといったユーザー層のなかでは、登録車も広く販売しているからとしてホンダや日産の軽自動車を選ぶ人も目立つ。また、ホンダや日産の登録車に乗っているユーザーのセカンドカーとしての需要も目立つ。
  トヨタディーラーが軽自動車のピクシスシリーズや一部ダイハツブランドの軽自動車の委託販売を行っているのも、トヨタ車ユーザーがセカンドカーとしてトヨタとの関係の薄いブランドへ安易に流れないようにするという目的があると聞いたことがある。
  ダイハツが混乱しているなか、ダイハツ車購入検討客をスズキは見事に取り込んでいるように統計数字から見ることができた。
  登録車では含軽統計2位にトヨタ・カローラが入っている。登録車販売トップ常連のヤリスはわずか400台ほどの差で登録車2位となっている。ヤリスシリーズは2024年1月17日に改良を行っているので、改良の端境期というものも影響しているほか、能登半島地震の影響ともされている。それもあってか、改良後モデルの生産が一時停止となったとも聞いているので、この情報が確かで生産停止がなければ、2024年1月も登録車販売トップとなっていたかもしれない。
  日産ノートが含軽統計7位、登録車のみで5位に入っている。ノートは2023年12月にマイナーチェンジを実施し、発表当時1月下旬に発売するとしているので、2024年1月の販売台数のほとんどはマイナーチェンジ前のモデルが結構含まれていると見ていいかもしれない。事実筆者も1月上旬に日産ディーラーを訪れると、「マイナーチェンジ前モデルも若干残っています」といった案内を受けた。
  一方で、トヨタ・ルーミーが登録車のみで21位まで大きくランキングを下げている。トヨタ車のなかでは「ドル箱」の1台だが、ダイハツからのOEM(相手先ブランド供給)車なので出荷停止となってしまい、ここまでランキングを落としてしまっている。
  軽自動車を中心にダイハツ不正問題の影響がランキングにも色濃く出てきた。今後は出荷停止となっているダイハツ車の出荷再開が順次行われるだろうが、ブランドイメージの悪化などもあり、出荷停止前の状況にすぐ戻すことは難しいものと考えている。

あわせて読みたい

物価高騰なのに給料上がらん……それじゃ新車も売れないよ! でも「ダイハツ復活」が視野に入る「夏商戦」は安ウマな軽を中心に盛り上がる可能性!!
WEB CARTOP
軽自動車で200万円!? だったら登録車のほうがお買い得じゃない!? 100万円台で「買い」なクルマの見極め方
ベストカーWeb
これがにんじんジュース? 驚きのカゴメ新商品を体験レポート
antenna
「ミニバン最安」シエンタ7人乗り!! 「ガチ四駆」ジムニーシエラも!! 100万円台で個性タップリな登録車3選
ベストカーWeb
「カワイイ」で人気だったウーリン・エアEVのブームが終了!? インドネシアで見えたBYDの台頭
WEB CARTOP
にんじん本来の味わいを詰め込んだ「カゴメにんじんジュース 高β―カロテン」のおいしさを体験!
antenna
ダイハツの影響は大きく2月の新車販売は昨年比割れ! 気になるのはホンダの元気のなさ
WEB CARTOP
ダイハツの影響も大きいけれど登録車も落ち込んでいる! 2023年度の新車販売台数を分析した
WEB CARTOP
"木育"で自然の素朴さと温かさを感じ創造力が鍛えられる2in1木製三輪車 発売
PR TIMES Topics
2023年いちばん売れた車はやっぱりアレ!コンパクト&低燃費に加えて“遊び心”もある人気車TOP10
OCEANS
トヨタはモリゾウ? 日産はGT-R? ホンダは?? スバルは??? 10年前の読者500人が思い描いた国内メーカー8社のイメージ
ベストカーWeb
「母の日」に感謝の気持ちを込めたアートのような特別なスイーツ発売
PR TIMES Topics
「いまの軽って普通車以上だよね」なんて声! それでも「軽自動車を買わない」ケースとは
WEB CARTOP
軽がダサいはもう古い! もしかしてまだ乗用車に乗ってるの? 完成度が高すぎる「軽自動車」はコスパ最強の選択肢!
ベストカーWeb
【小樽洋菓子舗ルタオ】鯉のぼりスイーツ『こどもの日スイーツボックス2024』限定販売
PR TIMES Topics
日産とホンダの提携で何が生まれるのか? 軽BEVが激変!? 日産N-BOX ホンダサクラが生まれる!?
ベストカーWeb
王者N-BOXの新型は先代に比べてちょっと割高感あり!? そこのところをライバル車と比べてみた
WEB CARTOP
dアニメストアが新テレビCMを公開!
antenna
 ハスラーが売れている!! ロングヒットを続ける理由と真の実力
ベストカーWeb
納期遅延で預かっていた必要書類の有効期限が切れる! 不正発覚による出荷停止で現場を襲うさらなる追撃
WEB CARTOP
酒文化を醸していくプロジェクト「はじまりの学校」ブランド初の新商品4種を発売開始
PR TIMES Topics