ずーっとトップを独走してきたN-BOXがやや危うし!? ライバルに迫られる理由は「同門」の人気車登場にあり

2024.06.04 06:20
この記事をまとめると
■2024年4月分の車名別新車販売ランキングが自販連と全軽自協から発表された
■ホンダN-BOXの販売力が落ち気味なのが数字から見てとれた
■N-BOXを見に来たユーザーがほかのモデルに流れている傾向も見られる
N-BOXがいよいよ危ない!?
  ここのところ、自販連(日本自動車販売協会連合会/登録車)、全軽自協(全国軽自動車協会連合会/軽自動車)がそれぞれ発表する、単月締めでの車名(通称名)別新車販売ランキングを登録車と軽自動車を合わせて(含軽統計)みると、「日本一売れているクルマ」の名をほしいままにしてきたホンダN-BOXが追い込まれる月が出てくるようになった。直近では2024年2月単月にて2位のスズキ・スペーシアにはわずか1500台弱まで迫られるなか、かろうじて軽自動車だけではなく、含軽統計でもトップとなっている。
  そして2024年4月単月の統計をまとめると、2位のトヨタ・ヤリスにわずか1200台弱まで迫られるなか販売トップを死守していた。2024年2月は同じ軽自動車であり、しかもライバル車となるのでまだわからないでもない話だが、2024年4月は登録車のヤリスにわずか1200台弱まで迫られている。この様子はもはや「かろうじてトップ」という表現が似合うほどで、いままでどおり日本一売れているクルマであっても、N-BOXは先代モデルほどの勢いがない様子がうかがえる。
  N-BOXについて、2024年4月単月がこのような結果となったのにはいくつかの背景が考えられる。まずは事業年度末となる3月に「実績として計上」しすぎたというものがある。ただ、2023年3月に2万7811台販売しているのに対し、2024年3月は前年同月比73.2%となる2万360台に終わっている。過去のN-BOXに比べればあきらかに勢いを失っている。
  さらに考えられるのがWR-Vの3月末発売である。WR-Vとしては初めてのフルカウント月となる2024年4月の販売台数は2238台となっている。WR-Vは月間販売計画台数3000台に対して、4月22日時点での累計受注台数が1万3000台というヒットモデルとなっている。メーカーとしては、売れ筋について中間のZグレードとしているが、販売現場で聞くとXグレードがかなりよく売れているとのことである。
  スチールホイールでもいいというならば、ホンダセンシングやオートエアコンなども標準装備となり、支払総額で250万円を切るというXの人気が高いのは、最量販グレードかどうかは別としても説得力のある話。N-BOXのカスタム系ではそれと同じぐらいか、それ以上の支払い総額となる。WR-Vは軽自動車ユーザーや軽自動車を検討していたひとが購入するケースも目立つとのことなので、N-BOXをWR-Vが喰ってしまったこともあると筆者は考えている。
N-BOXのライバルが大量に出現中
  さらには、同時期にフルモデルチェンジしたスズキ・スペーシアの存在である。
  それまで中性的なキャラクターであったN-BOXの標準車が、現行モデルでは「可愛い系」に少し傾倒したスタイルとなった。中性的で乗り手を選ばないことが人気でもあったN-BOXが、スペーシアやダイハツ・タントに近寄ってしまったのである。しかもスペーシアは全車マイルドハイブリッドユニットを搭載している。つまり、ライバルメーカーも手をこまねいていたわけでもなく、多方面にわたりN-BOX包囲網ができているのである。
  また、本稿執筆の少し前より6月デビュー予定の新型フリードのティザーキャンペーンが始まっている。それでも4月には4535台も現行型が新規登録されている。現行フリードがかなり好条件で販売されているようなので、N-BOXが前述したWR-Vだけではなくフリードあたりにも喰われてしまった可能性も高い。居酒屋の「とりあえずビール」ではないが、明確に軽自動車が欲しいわけではなく、「とりあえずホンダならN-BOXかな」とディーラーに足を運ぶひとも多いので、条件次第で登録車に流れる人も目立つのだろう。
  登録車のみのランキングでヴェゼルが4位に入っている。ヴェゼルは4月25日にマイナーチェンジを実施しているのだが、モデル改良月に7752台も新規登録していることに驚かされた。そして、驚いてから数日後、幹線道路沿いの登録(軽自動車は届け出)済み未使用中古車店の前を通ると、ヴェゼルの登録済み未使用中古車が大量に展示されていた。
  そもそも伝統的という表現もオーバーではないが、他メーカーが事業年度末の3月に全力投球して小休止気味の4月にホンダは頑張って販売促進を続け、販売ランキング上位にホンダ車が目立つことはあったのだが、今回はそれだけではない事情も見え隠れして興味深い統計となっていた。
  軽自動車は今後も意地でもホンダはN-BOXトップを死守しようとするだろうから、その攻防に注目したい。当然現状の勢いのもとでそれを進めれば、自社届け出が増え、自社届け出車両が届け出済み未使用中古車として市場で目立ってくることは十分考えられる。
  登録車では、クラウン・クロスオーバーが個人タクシーが目立つほど供給体制も良好であるし、改良直後のカローラも短納期となっている。
  プリウスがリコールなどもあって納期未定となっていたり、ランドクルーザー系が新規受注停止となっていたりもしているが、全体ではトヨタの納期改善がさらに加速しているので、トヨタ一強が今後より先鋭化するのではないかと見ている。

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