2023年5月から、宮城県石巻市の「震災遺構大川小学校」近くに借りた土地で「コミュニティづくり」を進めています。2025年内に、憩いの場として「交流拠点」(コミュニティカフェ)のオープンを予定しています。建物の建設費用を集めるために今回クラウドファンディングに挑戦します。応援よろしくお願いします。
只野哲也(25)皆さんはじめまして。
Team大川未来を拓くネットワーク代表の只野哲也です。私たちのプロジェクトをご覧いただきありがとうございます。
私は宮城県石巻市出身で、2011年の東日本大震災当時は
「宮城県石巻市立大川小学校」の5年生(11歳)で被災しました。
津波で当時大川小学校3年生の妹と母親と祖父を亡くし、
今は父親と祖母と生活しています。
3.11で津波被害を受けた「大川小学校」から、発信を続けています。
「しじみ漁師だった祖父と3歳の私」(左) / 「小学校5年生の頃の私」(右)
宮城県石巻市。人口470名ほどの「釜谷地区」に私の母校「大川小学校」はありました。震災当時小学校には108名の児童が在籍しており、皆兄弟の様でした。山と川と海に囲まれ大自然の恵みを受け、四季の移ろいを目で見て肌で感じることのできる日本の原風景が広がっていました。
東日本大震災で河川遡上津波の被害を受け、70名の児童と10名の教職員の尊いいのちが天に旅立ちました。
今も4名の児童が行方不明です。私は避難の途中で津波にのまれ助かった4人の児童の1人として、震災直後から自らの被災体験を報道を通じて発信してきました。
2015年には、大川小卒業生や地元の若者らと共に「大川小学校 校舎保存」に取り組みました。2016年に大川小学校の校舎が遺ることが決まり、「母校を遺す」という当初の目的を達成することができました。
2021年7月から石巻市の震災遺構として一般公開がはじまり、今では年間約8万人(令和5年度)の来場者が全国各地から足を運んでいます。
大川小学校 現地ガイド風景
その大川小学校のそばに、「未来を語り合う場」となる「交流拠点」を建設するため、今回はじめてクラウドファンディングに挑戦します!
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私たちは2022年2月に任意団体「Team大川 未来を拓くネットワーク」を発足しました。
大川小学校の卒業生や震災直後の支援活動に関わった仲間たち、団体の理念に賛同し新たに加わった地元の若者たちなど10名ほどで活動しています。
これまで実施してきた「大川小学校のガイド」や「訪問講話」などの伝承活動を基盤に、大川小学校でのイベントの企画運営、地元の音楽祭に出演し大川小学校の校歌を歌い継ぐ活動など、幅広い分野での仲間づくりに取り組んできました。
「覚悟」が必要な場所から、「一息ついて、未来を語り合う場」に!
◆これまでの取り組み
2023年5月、石巻市から大川小学校近くの約3,800㎡の土地を借り受け、環境整備を開始しました。
現在、Team大川のコンテナ事務所を設置済みですが、植栽などはなくまだ殺伐としています。
仮設現場事務の位置関係(左)、市から借り受けた土地(右)
「震災後の大川小学校」は、広く世の中に知れ渡りましたが、
現地に足を向けるのにある種の覚悟が必要な場所になりました。
私たちは、大川小学校の近くに、「新たな交流拠点の整備」をおこない、
大川を知らない方にはもちろん、地元の方々も、みんなが安心して立ち寄ることのできる場にしていきたいのです。
飲食スペース・桜の植樹「憩いの場」イメージ図
どんな拠点を作るのか?〜「あそぶ・たべる・まなぶ」がキーワード〜
❶【あそぶ】
・一輪車や体育館裏の公園に設置してあった遊具など、大川小学校で子どもたちが遊んでいた光景を思い起こせる空間をつくりたい。
・家族連れで大川小学校を訪れた来訪者に、子どもたちと安心して過ごせるプレイルームを整備し、大川小学校の図書室に置いてあった本などを集めた「絵本図書スペース」をつくりたい。
❷【たべる】
・実際に小学3年生が行っていた「椎茸栽培」の復活させ、学校行事として校舎の中庭で行われていた「お花見給食」のように、桜の木の下で「地域の食材」を味わえる空間をつくりたい。
・北上川で行われてきた「しじみ獲り」や「うなぎ獲り」について知り、宮城県の伝統料理である「ハゼ焼き」など、大川地区の営みを体験することのできる場をつくりたい。
❸【まなぶ】
・震災直後、子どもたちを対象としたの学習支援や心のケア、大川小学校の校舎保存に向けた取り組みなどの記録をした「常設展示」を行い、校舎の保存修復に向けて来訪者同士の意見交換の場にしたい。
・大川小学校での出来事を正しく伝え、自ら「気づき・考え・判断し・行動に起こす」ための力を育むために、大川の地で感じたことを仲間と共有し育める学び合いの場にしたい。
「将来的な活動拠点のイメージ」
将来的な拠点での活動 ~昔ながらの暮らしを体験【驚き・感動・発見】~
❶「かまどづくり」
かまどでの炊事経験のある地元のおじいいさん おばあさんを講師として招き、子ども~お年寄りまで幅広い年齢層が関われる機会を生み出す。(火を扱う体験が、電気・ガスが使用できないとき役立つ)
「みんなで餅つき」(イメージ)
❷「囲炉裏づくり」
北上川のしじみの味噌汁や魚の炭火焼きなど、地元の食材を味わいながら親睦を深める。
「火を囲み、地元の食材を味わう」(イメージ)
❸「広場の整備」
食だけでなく、書道や手芸教室などのワークショップ、写真や陶芸などの作品の展示スペースとしても活動拠点を利用していただけるようなフリースペースを確保する。
「広場」でのフードトラック出店やマルシェ(イメージ)
背景としての過疎化・高齢化。年間8万人の来場者、しかし周辺は閑散・・・
震災直後、地盤沈下で浸水していた釜谷地区の様子
大川小学校周辺の釜谷地区は、2012年12月から「災害危区域」に指定され、新たに住居を建てられない地域となりました。住民の多くが内陸地域への集団移転地での生活再建を余儀なくされ、津波により学校や病院などの生活基盤も失われた地域での生活再建は不可能であるという結論を受け入れざるを得ませんでした。
更に、元々地域の課題であった「少子高齢化、過疎化」などの社会問題が震災により加速し顕著化しました。伝承活動だけでなく地域の産業や生業の継承も深刻な課題として捉え、対策を講じる必要性が見えてきました。
2021年7月「大川小学校周辺の様子」
大川小学校は2021年7月から石巻市の震災遺構として一般公開が始まり、遺構施設として新たに「大川震災伝承館」が建設されました。令和5年度には、年間約8万人の来場者が全国各地から足を運んでいる大川小学校ですが、遺構施設周辺は閑散としています。飲食店もなく、車から降りて1時間ほど校舎をながめ帰っていく来場者を見て、「もっと大川の魅力を知ってもらいたい」、「地域を離れた大川っ子が安心して集える居場所をつくりたい」と強く思いました。
「豊かな自然に囲まれたふるさと」
私がいつも思い出す大川は、「ひとつの大きな家族」の様な人の温かみ溢れる地域です。大川小学校の側には、岩手県から追波湾(太平洋)へと流れる日本で5番目に長い北上川があります。
北上川では500円玉ほどの大きなしじみや天然のうなぎが獲れ、河口の長面浦では牡蠣の養殖が行われてきました。里では農耕も行われ、子どもたちは豊かな自然の恵みの中で、農業や漁業を生業とする大人たちとの触れ合いを通し郷土愛を深めていました。
そんな素敵なふるさとが、東日本大震災以降「悲しい場所」という強い印象が世間に知れ渡りました。「今後の防災教育の向上に寄与する場」と考えている人。「慰霊の場として祈りを捧げる場」として考えてる人。大川小学校の受け止め方は人それぞれ多岐にわたります。
「ふるさとの星空」
私たちの想いは、大川小学校を「母校として遺す」ことでした。
そして、「未来の子どもたちのために遺したい」という願いもありました。
これから私たちが目指す未来は、「子どもの笑顔あふれる大川」です。
悲しい出来事ではなく、かつての楽しかった大川での記憶を語り継ぎ、新たなふるさとの風景を生み出す。誰もが安心して集うことのできる空間の実現に向けて行動を起こすことで、大川がどの様に復興していくか。その過程がこれから先の被災地域での「地域再建事業」の先行事例となれるように、地域経済の活性化や地域における雇用機会の創出に力を入れて取り組んでいきます。
CDPは大川の持つ可能性を探究し、大川小学校を「いのちと心を育む象徴」として未来へつないでいくための大切な土台づくりになると考えています。
リターンについて
※CDP…「コミュニティ デザイン プロジェクト」の略称。
任意団体「Team大川 未来を拓くネットワーク」について
活動部門①「プロジェクト部門」
…多くの人々が大川に永続的に足を運ぶことのできる居場所や機会を創出する。
活動部門②「伝承部門」
…東日本大震災の出来事の伝承や再検証をとおし、さらなる防災意識及び安全意識につなげる活動を展開する。
活動部門③「研修部門」
…魅力ある活動を展開するため他団体の活動から学び、同じ志を抱く仲間たちに還元する。
活動部門④「音楽・アート部門」
…大川小学校校歌「未来をひらく」を歌い継ぐ。音楽や絵画、書等に親しむことをとおして、心を育む活動を展開する。
活動部門⑤「保存修復部門」
…震災遺構として残った大川小学校の校舎を後世に残すために、関係機関との連携を図る。
最後に
最後までご覧いただきありがとうございました。
2022年の団体発足から約3年間の活動を経て、多くの皆さまから私たちの新たなコミュニティづくりへの共感を得ることができ、これまでに約1,000万円のお金を集めることができました。今回クラウドファンディングで集めるお金も全てコンテナハウスを活用した活動拠点の設備費に充ててさせていただきます。
これからの私たちの活動が地域の皆さんの憩いの場として、また大川に関心を寄せてくださる皆様との交流の場となれるように、トライアンドエラーの精神で楽しんで取り組んでいきます。
今回のクラウドファンディングを新たな仲間とのご縁を育める機会にしていきたいです。
応援よろしくお願いいたします。
われらいま きょうの日の 歴史を刻むわれらこそ あたらしい 未来をひらく
【大川小学校 校歌”未来をひらく”歌詞より】