CSR|製薬会社サノフィが企業ボランティア・アワードの「大賞」を受賞。その背景と社員の思い

2025.02.27 13:30
サノフィジャパン・グループは、2024年に開催した健康・医療に関する2つのCSR活動「サマースクール」と「レクチャープログラム」が評価され、このたび、東京ボランティア・市民活動センター主催の第10回企業ボランティア・アワードの大賞を受賞しました。いずれも従来の活動を発展させた初めての試みで、社内からも喜びの声が聞こえます。
表彰式の様子 (運営社員とサマースクールの協力団体「認定NPO法人キッズドア」)


サノフィではCSR活動をビジネス戦略に統合しており、健康・医療面をはじめとする社会問題に向けたCSRボランティア活動を行っています。通常業務の傍ら有志で集まった従業員によるCSRタスクフォースチームが企画・運営をしており、2024年には過半数以上の従業員がCSRボランティアに参加しました。


今回はそれぞれの活動の関係者に、受賞に至るまでの背景と思いを聞きました。
■ 社会的支援を必要とする中高生向け夏休み特別授業|サマースクール
【企画概要】 
子どもの貧困を筆頭に、健康格差を含めた子どもを取り巻く社会課題の解決に取り組む認定NPO法人キッズドアとの協働で開催。キッズドアを利用している中高生をサノフィ本社に招待し、医薬品の適正使用や、医療従事者に健康や服薬相談をする重要性を伝える授業を行った。また、各フロアにはボランティア社員が各々のアイデアで準備したブースを設け、子ども達はオフィス見学をしながら製薬会社の仕事の紹介や薬の歴史を学んだ。
【活動のキッカケ】 私たちの強みを活かして社会に貢献したいという思い
___サマースクール企画チームのリーダー 落合さんから、お話を伺います。よろしくお願いします
落合:
よろしくお願いいたします。
実は、私は日頃は営業部長をしているのですが、有志でサマースクール運営のリーダーに手をあげました。従来開催していた社員の子ども向けサマースクールの運営にも携わっていたので、私にとって思い入れのある活動なんです。


同じく有志の企画チームメンバーと、ブース準備やスタッフとして参加した70名のボランティア社員と一緒に、この会をつくりあげました。




___活動のキッカケを教えてください


落合:
今年のサマースクールの発案のキッカケは、子どもの貧困に取り組む認定NPO法人キッズドアと協働をする中で、「困窮家庭では病院への受診や健康に関する生活習慣が少ない傾向にある」という実情を伺ったことです。事業活動を超えて、CSRボランティアでも健康・医療に貢献したいという従業員の声も多くあったので、それらに応えて、従来のサマースクールを発展させた企画を提案しました。


サノフィの社員には、医師・薬剤師や開発担当者など、健康・医療や医薬品の専門知識を持っている者もいます。ヘルスケアの情報を適切に提供できる私たちの強みと、協力団体さんの既存サービスのシナジーを見出すことで、社会的ニーズの一助になりたいと考えました。 
子どもの貧困における健康・医療の問題とは
___続いて、活動に協力いただいた認定NPO法人キッズドア 渥美様にお伺いします。
日本は約9人に1人の子どもが貧困であると聞きますが、そういったご家庭における健康・医療面の問題を聞かせください。
キッズドア 渥美様:
子どもの医療費は全国的にも軽減され、受診しやすくなりつつありますが、一方で自治体により対象や負担率が異なるという地域差の課題はあります。保護者が体調不良になった際の費用の捻出は厳しく、受診をせずに体調不良が長引くケースもよくあります。


また非正規雇用で就労されている保護者が多く、健康診断を長い間受けていない方が多くいらっしゃるので、予防という意識は低くなっています。


親子ともに健康的な生活習慣のためには、そのための費用面はもちろん、ある程度の時間や情報・知識が必要となります。ただ、そうした中でダブルワークやトリプルワークを担っているような状況では、余裕が無い保護者の方が多くいらっしゃいます。




___サマースクールに参加した子どもたちの感想を紹介していただけますか?


渥美様:
普段入ることのできない企業へ訪問させていただくだけでなく、たくさんの社員の方と交流して、また各ブースでお薬の知識や製薬会社での様々なお仕事を知ることができ、学校の授業や社会科見学などでは学べない部分を学ぶことができたかと思います。


お薬の飲み方を学べてタメになったのも勿論ですが、お薬が作られるまでの過程を知ったり、薬ができるまでとできてから、自分たちが買った後までのケアがしっかりされていることを学んだりとして、薬への安心を感じた様子でした。
■ 児童生徒・教職員対象のレクチャープログラム
【企画概要】 サノフィが6年にわたり実施している、全国の教職員を対象に糖尿病についてレクチャーを行う「KiDS Project」のナレッジを基に、アレルギー疾患と血友病についてのレクチャープログラムを新たに立ち上げた。患児のより楽しく安全な学校生活のために、他の生徒や職員も含めて病気への理解を深めることが目的。




___ いずれも初めての取り組みで、さまざまなハードルもあったと思います。
まずはアレルギー疾患の企画について、いかがですか?
渉外本部 高島・本山:
アレルギー疾患は有病率も高いので、小中学校において出張授業形式で開催することにしました。たとえば、貢献したい気持ちの一方でどのように学校側とつながっていくかという点は大変悩みました。


サノフィの本社は新宿区にあるので、地域への貢献もかねて、今回は新宿区にご相談しました。そして校長会で紹介させていただき、希望のあった3校で開催。計120名の生徒が参加しました。


教育現場では、ポストコロナで宿泊学習や集団行動を行う機会が増えており、アレルギー疾患のある子どもへの周囲の理解は大きなサポートとなります。小児患者さんの学校生活や、次世代を担う子ども達の健康教育の一助となりたいという思いで、活動を準備しました。




___次に血友病の企画について、思いを聞かせてください
渉外本部 南野:
血友病は血液が固まりにくいため、血が止まりにくくなる稀な遺伝疾患です。日々の学校生活において、「体育や屋外で遊ぶことに制限は必要なのか」「けがをして出血したらどうすればよいか」等、さまざまな不安が存在します。


このような声をうけて、専門医と整形外科医が解説と個別相談を、教員を対象に実施し、幼稚園から中学校、特別支援学校から 22 名の教職員の方々が参加されました。


制限された生活を過ごすのではなく、教職員の方々からの適切なサポートのもと、他の子どもたちと同じように、貴重な学びと成長の場でのびのびと過ごしてほしいという思いで、この企画を準備しました。
従業員が主体的に取り組むサノフィCSR活動は、社会課題へのアプローチとなるのはもちろんの事、参加した社員にとっても新たな知見や充実感を得て、成長する機会に繋がっています。サノフィは今後も、社会課題にむけたCSR活動に取り組んでまいります。
サノフィ株式会社とは
サノフィは、人々の暮らしをより良くするため、科学のもたらす奇跡を追求する、というゆるぎない使命を原動力に進み続ける革新的でグローバルなヘルスケア企業です。約100ヵ国の社員は、医療を変革し、不可能を可能に変えるため、日々研鑽に努めています。私たちは、社会的責任と持続可能性を企業の本質とし、画期的な医薬品や生命を守るワクチンを開発し、世界何百万もの人々に届けていきます。
日本法人であるサノフィ株式会社の詳細は、
をご参照ください

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