巨大テック企業が世界の「領主」に。“私たち全員”が不幸になる「究極のディストピア」を解明する書『テクノ封建制』(ヤニス・バルファキス著)、2月26日に集英社シリーズ・コモンより発売。

2025.02.26 10:00
株式会社集英社
ヤニス・バルファキス著『テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。』(解説・斎藤幸平/訳・関美和/原題 Technofeudalism: What Killed Capitalism)が、2025年2月26日に集英社シリーズ・コモンより発売となります。
■トランプとイーロン・マスクの専制政治、日本のデジタル赤字の爆増、そして世界規模での中間層の消滅……2020年代の大変動を理解する鍵こそが「テクノ封建制」!
資本主義はすでに終焉を迎えた、と本書著者のバルファキス氏は主張します。
その代わりに到来したのが、グーグルやアップルなどの巨大テック企業が世界中の人々を支配する新たな経済システム、「テクノ封建制」です。
まるで中世のように、テック企業はデジタル空間の「領主」として君臨し、「農奴」と化したユーザーから「レント(地代・使用料)」を搾り取っていきます。
また、AIやアルゴリズムの指揮下で不安定な雇用を生み、大量の「クラウド・プロレタリアート」を働かせ、利益を収奪していくのです。

この不公平で残酷なシステムを抜け出す方法は、どこにあるのでしょうか?
2020年代の世界的大変動を理解するうえで、必読の一冊です。
■各界が絶賛!
米大統領就任式で、ずらりと並んでいたテック富豪たちの姿に「引っかかり」を感じた人はみんな読むべき。
――ブレイディみかこ氏(作家)

テクノロジーの発展がもたらす身分制社会。その恐ろしさを教えてくれる名著。
――佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)

これは冗談でも比喩でもない!
資本主義はすでに死に、私たちは皆、農奴になっていた!
――大澤真幸氏(社会学者)

私たちがプレイしている「世界ゲーム」の仕組みを、これほど明快に説明している本はない。
――山口周氏(独立研究者・著作家)

世界はGAFAMの食い物にされる。これは21世紀の『資本論』だ。
――斎藤幸平氏(経済思想家・東京大学准教授)
■世界各地でも話題沸騰!
フィナンシャルタイムズ・ベストブック・オブ・ザ・イヤー受賞作
私たちがいま陥っている混乱を理解したい人のための本だ。この混乱には私たち全員が巻き込まれているのだから、つまるところ、すべての人のための本である。
――スラヴォイ・ジジェク氏(思想家)

新時代の到来を告げるような、千年に一度の大転換……これは単なる新しいテクノロジーなどではない。世界がまったく新しい経済システム、そして政治的権力と格闘しているという話なのだ。
――キャロル・カドワラード氏(「オブザーバー」紙)
■『テクノ封建制』目次
はじめに
第一章 ヘシオドスのぼやき
第二章 資本主義のメタモルフォーゼ
第三章 クラウド資本
第四章 クラウド領主の登場と利潤の終焉 
第五章 ひとことで言い表すと?
第六章 新たな冷戦――テクノ封建制のグローバルなインパクト
第七章 テクノ封建制からの脱却
解説 日本はデジタル植民地になる(斎藤幸平)
■書籍のカバーデザインについて
本書のカバーデザインは、コバヤシタケシ氏(Xアカウント:@neji_tk)が担当。
印象的な装画は、藤嶋咲子氏(Xアカウント:@sacco395)の「工場人間 #02」という作品です。

人間の首から上が工場と一体化し、無数の配管が縦横に伸びている不気味なモチーフ。
まるで人々の頭脳がインターネットと接続し、さまざまな感情や思考が吸い上げられ、アイデンティティが溶け出していっているかのようです。
現在の「テクノ封建制」のもとで生きる私たちの姿のメタファーにも見える装画となっています。

■著者紹介
ヤニス・バルファキス(Yanis Varoufakis)
経済学者。1961年ギリシャ・アテネ生まれ。2015年のギリシャ経済危機の際に財務大臣に就任、EUから財政緊縮を迫られるなかで大幅な債務帳消しを主張し、世界的に話題となった。現在はアテネ大学で経済学教授を務める。主な著書にベストセラー『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』をはじめ、『黒い匣』『クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界』など。
■解説者紹介
斎藤幸平(さいとう・こうへい)
経済思想家。東京大学大学院総合文化研究科准教授。1987年生まれ。主な著作に17言語に翻訳され、世界的ベストセラーとなった『人新世の「資本論」』など。
撮影:露木聡子

■訳者紹介
関美和(せき・みわ)
英語翻訳者、ベンチャー・キャピタリスト。主な訳書に『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』(上杉周作との共訳)『ゼロ・トゥ・ワン』『誰が音楽をタダにした?』など。

■書誌情報
書名:テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。
著者:ヤニス・バルファキス
解説:斎藤幸平
訳者:関美和
仕様:四六判/ソフトカバー/320ページ
発売日:2025年2月26日
税込価格:1,980円(10%税込)
ISBN:978-4-08-737008-9
集英社シリーズ・コモン刊
◆集英社シリーズ・コモンの好評既刊
集英社シリーズ・コモンとは、2023年にスタートした、ビジネス・社会科学・人文の知を集めた単行本レーベルです。主な刊行作品は、トランプ時代の世界経済地図を描いた『「世界の終わり」の地政学 上・下』(ピーター・ゼイハン著)、英国統計局のスタッフによる『ヤバい統計』(ジョージナ・スタージ著)など。

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