販売チャンネルの名前にまでなったのに日陰の存在! 「トヨタ・ビスタ」を振り返るとけっこう不遇なクルマだった

2024.10.19 11:40
この記事をまとめると
■トヨタの販売チャンネルとして「ビスタ」というチャンネルが存在した
■「ビスタ」というカムリの兄弟車が存在した
■「ビスタ」は5代目まで存在したが2003年に終売となった
カムリの兄弟車「ビスタ」とは
  現在ではどのディーラーでも全車種取り扱いとなったトヨタだが、過去には複数の販売チャンネルをもち、それぞれ特色のあるモデルをラインアップする時代が長く続いていた。
  そんな販売チャンネルのひとつである「トヨタビスタ店」は、1980年4月に新設された新しいもので、ショールームへ顧客に足を運んでもらう営業手法や、日曜営業を採り入れるなど、いまでは当たり前となったディーラーの営業形態をいち早く行った実験的な販売チャンネルとなっていた。
  そんなトヨタビスタ店の名前を冠して、1982年3月に満を持して登場したのが初代ビスタだった。ただ、大々的に販売チャンネルの名前を冠していたにもかかわらず、クルマとしてはカムリの兄弟車というもので、細かな意匠こそ差別化されていたものの、メカニズムは共通となっていたのだ。
  そんなビスタに差別化がなされたのは1982年8月のことで、前年の東京モーターショーに出展されていた「F-120」の市販版となる5ドアハッチバックモデルが追加された。
  この5ドアハッチバックはカムリにはラインアップされなかったもので、クーペのように傾斜の強いリヤハッチが特徴的なモデルとなっていたのだが、日本では5ドアハッチバックはなかなか受け入れられず、結局当代のみの設定となってしまった。
  その後も兄弟車のカムリと同じタイミングでモデルチェンジを重ねたビスタだったが、2代目、3代目ではカムリにプロミネントという名前で設定されていたV型6気筒エンジン搭載グレードは存在しないなど、やや不遇な扱いとなっていたが、1994年7月に登場した4代目ではカムリには存在しない4ドアハードトップをラインアップして面目を保った。
  そして、カムリが1998年7月にカムリグラシアに統合されて3ナンバー化がなされると、ビスタはカムリとの兄弟車関係を解消し、独自路線を歩むこととなる。
  そうして生まれた5代目ビスタは、5ナンバーサイズは死守しながらも全高が1500mmを超える背高スタイルとなって広い室内空間を実現。さらに、センターメーターやコラムシフトなども採用し、新時代の価値観を持ったモデルに生まれ変わり、ステーションワゴンモデルのビスタアルデオもラインアップに加えた。
  しかし、当時すでにビスタのユーザーはかなり年齢層が上がっており、若いユーザーにはミニバンブームが到来していたこともあって人気を獲得することは叶わず、2003年秋には終売。21年の歴史に幕を閉じる結果となってしまったのだった。

あわせて読みたい

トヨタ系の「ROOKIE Racing」はなぜAMG GTを使う? スーパー耐久にトヨタ車じゃないクルマで参戦する理由
WEB CARTOP
他メーカーに続きSUBARUディーラーにも統合の動き! 儲からない上に人手不足で色濃く残る「昭和の売り方」はもはや限界か
WEB CARTOP
あなたの動画を自然に翻訳!「AI動画翻訳くん」とは?
antenna
4年で半減の大苦境「ホンダ」中国事業の行き先
東洋経済オンライン
ほしい新車を手に入れるには「情報戦」がモノを言う! 相変わらずの納期混乱のなか「累計販売台数」も重要な目安だった
WEB CARTOP
【ファミリーマート】名作絵本とコラボした「スイミーグミ」登場
PR TIMES Topics
「ホンダ車のいい間違い?」とかいわないで! たった4年で姿を消した三菱「アスパイア」とは
WEB CARTOP
全部が人気者なのになぜコイツだけマイナー? 日本でも販売していた「ランクル50」とは
WEB CARTOP
「藤井大丸」にて期間限定「MAMBO SHOP」を展開
PR TIMES Topics
中古人気の高いレトロ系軽自動車「ミラジーノ」には日陰の先輩がいた! 同じコンセプトなのになぜか超マイナーな「ミラクラシック」とは
WEB CARTOP
日本じゃ地味めのトヨタ・グランエースがインドネシアでは存在感アリアリ! ダイハツ・グランマックスとして売れまくっていた
WEB CARTOP
天然ハーブパウダーを使用した「幸せを呼ぶ青いチョコレート」登場
PR TIMES Topics
ダイハツ初のFF! 世界初の3気筒エンジン搭載量産車! Cピラーの「まん丸窓」が必見の「初代シャレード」は挑戦者魂の塊だった
WEB CARTOP
どの車種もどこでも買える販売チャンネルの統合は一見メリットだらけ……だがマイナス面もある! じつは車種と販売店の「リストラ」も目的のひとつだった
WEB CARTOP
本格中国料理をネットで簡単にお取り寄せ!4種の「具だくさんの食べるスープ」新登場
PR TIMES Topics
第34回:ホンダ・アコード(後編) ―なんの変哲もないセダンに宿る“滅びの美学”―[カーデザイン曼荼羅]
webCG
名前に反して「可憐」な雰囲気はゼロで肝心の女子ウケがイマイチ! トヨタ・カレンという残念すぎる不人気クーペ
WEB CARTOP
「しょせん飾り立てたサニーだろ」なんて揶揄されるがなかなかどうして! 小さな高級車「ローレルスピリット」はバカにできないホンモノだった
WEB CARTOP
ダイハツ完全復活の日も近い! ホンダの2倍も売れるインドネシアのモーターショーで元気なブースが帰ってきた
WEB CARTOP