自動車は、日本国内の保有車両数が約8300万台にも上り、多くの人にとって生活に欠かせない移動手段です。しかし、人が運転する中で多くの事故が起きていることも実態としてあります。そうした中、事故で損傷した自動車を修理する際に欠かせないツールとなっているのが、IT企業のコグニビジョンが開発する事故車修理費見積りシステム「コグニセブン」です。
コグニセブンをパソコンで利用することで、システム上で簡単かつ迅速に見積金額を算出できます。損害保険会社と自動車ディーラー、自動車修理工場の間の修理金額の交渉も円滑に行うことが可能です。最先端の機能や使い勝手の良さから全国の工場で導入が進み、コグニビジョンは業界のパイオニアであると同時に、業界をリードする企業として長年にわたり自動車修理の現場を支える一端を担っています。
では、こうしたデジタルツールを提供するIT企業がどのように全国に販路を広げる営業を展開しているのか、関心を持たれる方も少なくないと思います。実は、人と人とのつながりによってビジネスが成り立つ、実直で人間味に溢れた「代理店営業」によって、販路の維持や開拓は行われているのです。
その代理店営業を担うのが同社の営業部です。営業担当者は8人の少数精鋭部隊で、全てキャリア採用の社員で構成され、それぞれ全く異なる業界から入社し、営業活動に力を注いでいます。そして、注目すべきはキャリア採用された社員の仕事や職場環境への満足度が非常に高いこと。秘訣は先述した「人と人とのつながり」にあるようです。
一体どういうことなのか、キャリア採用され営業部でリーダーとして活躍する青木(あおき、2018年4月入社)と二瓶(にへい、2023年8月入社)の2人に同社の営業の魅力について聞いてみました。
〈プロフィール〉
青木(あおき)(写真右)
コグニビジョン株式会社 営業部
新卒で家電製品からペット用品、園芸、食品まで開発・販売するメーカーに入社し、7年間勤務。だが、全国に販売拠点があり単身赴任などの転勤が避けられないのがネック。家族との生活のためにも転勤のない会社を希望し、2018年4月にコグニビジョンに転職。営業部に配属され、2024年からは西日本エリアのリーダーを務める。
二瓶(にへい)(写真左)
コグニビジョン株式会社 営業部
新卒で大手ディーラーに営業として入社。個人顧客に対する新車販売に約9年従事する。個人ではなく法人顧客相手に新たな営業の仕事に就きたいと考え、2023年8月、コグニビジョンに転職。西日本エリア担当の営業チームに配属。
ワークライフバランスを保つことができ、仕事も家庭生活も充実。困っている社員に手を差し伸べる助け合いの社風が根付いている
コグニビジョンでは、全国を東日本、中日本、西日本、関東の4つのエリアに分け、エリアごとに営業チームを設けて営業活動を行っています。青木と二瓶の2人は西日本営業チームに所属し、青木はリーダーを務めると同時にプレイヤーとして近畿エリアを担当、二瓶は九州・沖縄エリアを担当しています。2人の共通項はキャリア採用であることと、前職で営業を行っていたことです。
――最初に今の仕事の内容を教えてください。
青木 コグニビジョンの主力製品である国産車向けの「コグニセブン」、輸入車やトラック、二輪車向けの「アセスプロⅡ」の2つの事故車修理費見積りシステムを自動車修理工場やディーラーに販売し、活用いただく営業活動を行っています。主な活動は売っていただく代理店を支援する代理店営業です。大部分が代理店による販売で成り立っています。そのため代理店が売りやすいように販売施策を考えたり、製品をより知っていただくための勉強会を企画、実施したりすることが主な業務となります。代理店は1次代理店が全国に約40社あり、その仕事を請け負う2次代理店、3次代理店などと共にエンドユーザーに販売していく構造です。私たちは主に1次代理店と連携し、場合によっては2次や3次、あるいは工場などに同行して、一緒に力を合わせて営業活動を展開しています。
二瓶 そうした中で、私は九州・沖縄エリアを担当しています。1週間の仕事としては、週の初めに東京・新宿にある高層ビルのオフィスに通勤して会議や打ち合わせ、施策の企画や考案を行い、週の後半に出張し、代理店や工場を訪問して営業活動を行う流れです。前職では新車販売を担当しており、同じ営業という仕事なので大きな違和感はなかったというのが正直なところです。それに、入社当初は損害保険会社出身のベテラン社員に同行して業務を丁寧に教えてもらえたので、キャッチアップも比較的容易でした。さらに、非常に恵まれた環境だと思っているのがワークライフバランスを保つことができ、残業がほとんどなく帰宅できることです。私は転職直前に結婚しており、仕事だけでなく家庭生活も充実した毎日を送っています。
青木 ワークライフバランスの点では、私も同じ意見です。前職では転勤に伴い、家族を東京に残し私は大阪に単身赴任していたので、その点でも環境には雲泥の差があります。また、仕事の点では、前職と全く異なる点があります。それは、コグニビジョンの営業がチームプレーに徹していることです。実は、前職は各自にノルマが課せられ1人でひたすら数字を追いかける、まるで個人事業主のような組織形態でした。それが、コグニビジョンでは営業チームだけでなく、業務支援チームやサポートチーム、営業部全体で互いにフォローする意識が高く、「みんなで助け合って仕事をしている」と実感することができています。入社前の面接で役員や社員に話を聞いた時から「アットホームで穏やかな社風」だと思っていましたが、入社後もギャップはなく、仲間意識が非常に強い会社です。
二瓶 それは私も常日頃感じていること。例えば、当社では社員とチャットでやり取りできるシステムを導入していますが、分からないことや困ったことがあって質問を投げると、誰かが調べて答えてくれたり相談に乗ってくれたりします。皆、時には自分の業務より優先して助け船を出してくれるのです。
青木 先日、出張中で手一杯の二瓶さん宛てに代理店から問い合わせがあった時も、チームメンバーが必要事項を代わりに調べ、それを二瓶さんに伝え、電話で代理店にフィードバックするという“連係プレー”がありましたね。助けられた方は、「今度は自分が力になりたい」と率先して他の社員をサポートする好循環が生まれています。こうして、人と人とのつながりや心の温かさによって業務が成り立ち、成果を生み出す仕組みこそが、当社のアドバンテージといえるでしょう。
販売代理店がキャリア採用の営業パーソンを温かく育ててくれる。困っている状況があれば1分1秒でも早く解決するのが営業の役目
コグニビジョンのビジネスの特徴の1つである代理店営業を進めるにあたり、営業パーソンは日本全国を飛び回っています。その行く先々で、様々な出来事が起こるのも、同社で仕事をする中での醍醐味かもしれません。では、どんな“ドラマ”が生まれているのか、覗いてみると――。
――営業部では自分が担当する地域に定期的に訪問します。気を付けている点は何でしょう。
二瓶 まずはそのエリアに馴染むことですね。例えば、沖縄に行く場合は、現地の衣装である「かりゆしウェア」を着て、代理店を訪問します。見た目において「少しでも寄り添いたい」という気持ちの表れです。もう1つは、方言にできるだけ耳が慣れるように努力することです。ただ、最初のうちはうまく聞き取れず、「笑うところかな」と思って笑みを浮かべると全く違った内容で外すことも……(苦笑)。それでも代理店の皆さんは温かい人ばかりで、怒ることなく、迎え入れていただけています。
青木 代理店の皆さんはコグニビジョンとの取引も長く、本当によくしていただけますよね。私も入社したてで知識も経験もない頃、九州で大規模に当社の製品を販売する1次代理店の担当となり、業界のイロハを教えていただいたことを覚えています。いわば、代理店によって私たちが育てられているわけでして、本当に有難いことだと思っています。そして、3年間担当させていただき、最後にその代理店の新入社員向けに私が業界の勉強会を行うことになったのです。それを無事終えた時、私の“教育担当”だった方から、「そこまでしっかり話せるようになって、すごく成長したね」と褒められた時がこの上なく嬉しく、今でも深く印象に残っています。
二瓶 私も入社して日が浅いながらも、記憶に残っていることがあります。それは、ある代理店が販売した工場からクレームが入り、それを一緒に同行して解決した案件です。クレームは当然のことながら当社にとってもピンチの状況です。ただ、真摯に対応することで、相手からの評価を高める場合もあります。実際、それまで取引が少なかったその代理店から信頼を得られ、以後、相談が増えたり、勉強会を行ったりするなど関係性がプラスに転じています。
青木 それも、有難い話ですね。そうやって大事にしていただけるからこそ、私たちも全力で応えようという気持ちが生まれます。そうした中、私たちが特にこだわっているのが、代理店からの問い合わせに、できるだけ早くレスポンスを行い、問題を解決することです。代理店が顧客である工場から何らかの指摘を受け困っている状況を1分1秒でも早く抜け出せるようにどう立ち回れるか。それこそが代理店営業の要の1つといえるでしょう。
チーム一丸の活動の中でも個々の独自の営業スタイルは高く評価。契約が取れた時の喜びが分かち合えるのが代理店営業の醍醐味
チーム一丸となって営業活動を行っているコグニビジョンですが、代理店の売り上げを向上させる施策は、営業パーソンがそれぞれ独自に行える裁量を持たせています。そこで、成果を生み出したり、代理店との関係構築につながったりした場合は、メンバー間で共有。そうして互いに刺激をし合いながらチーム力をアップすることにも力を入れています。
――販売施策を企画することは、営業パーソンとしての腕の見せ所です。様々な業界からキャリア採用で集まっている営業チームだからこそ、多彩なアイデアが出てきそうです。
二瓶 代理店営業は、とにかく代理店が販売しやすい環境や方法を作ることが重要です。私もあの手この手の作戦を考えたり、探求したりすることを四六時中行っており、それがこの仕事を続ける上でのモチベーションにもなっています。先日も九州限定でコグニセブンの無料体験版を工場向けに提供するキャンペーンを代理店に提案し、実施しました。前職で新車を売る際に無料試乗体験キャンペーンを展開したことがあり、それをコグニセブン向けにアレンジした企画です。代理店には「熱意を持って九州限定でキャンペーンを行える営業パーソン」と、私のことを強く印象付けることができ、関係構築に一役買ったのではないかと考えています。
青木 そうした二瓶さんの積極性を私はリーダーとして高く買っています。二瓶さんは1次代理店だけでなく、2次代理店を回る独自の営業スタイルも貫いています。そのアプローチは新鮮で、私たちの刺激にもなっています。
二瓶 2次代理店に声掛けをして、1次代理店に「コグニセブンを積極的に販売していこう」と働きかける逆ルートもあると思ったからです。実際、そのアプローチが奏功し、1次代理店が力を入れて販売していくことになった例もあります。こうして、自分独自のやり方を認めてくれる点もコグニビジョンで仕事をする上での魅力でしょう。
――では、最後にキャリア採用でコグニビジョンへの入社を考えている方々にメッセージを。
二瓶 コグニセブンはアフターフォローやトラブルが少なく、代理店にとっては“手離れの良い”製品です。一度導入すると契約を続ける工場が大半で長期的な利益にもつながります。そんな安定した完成度の高い製品の代理店営業であれば安心して取り組むことができ、自動車業界への貢献度が高いためにやりがいもあります。他の業界からでもぜひ一員に加わっていただき、私たち営業チームにその経験や培ってきたノウハウを共有していただければと思います。
青木 代理店営業の醍醐味は、契約が獲得できた時に、自分だけでなく代理店の担当者の方と一緒に喜びを分かち合えることにあります。さらに、コグニビジョンではチームプレーを原則としており、その嬉しさは2倍にも3倍にもなります。事故車修理費見積りシステムというニッチな商材ですが、自動車業界には不可欠であり、リーディング企業として業界を支える自負を持てる方と共に仕事ができればと思っております。