自動車大国ドイツで日本の旧車は人気! 一方「日本の新車」は「安さがウリのクルマ」という扱いだった

2024.10.26 13:00
この記事をまとめると
■ドイツ国内の新車販売における日本車の割合は7.5%と非常に少ない
■低価格なモデルやスポーティなモデルはドイツ国内でも人気がある
■ドイツ国内で見かけるトヨタ・プリウスはタクシーのイメージが強い
ドイツではまだまだ日本車は珍しい存在
  日本と同じく自動車大国のドイツ。自国には世界に名立たる自動車メーカーがひしめくドイツだが、じつは欧州各国はもちろんのこと、北米、ロシアやアジアからこんなにも数多くの世界中の自動車メーカーが参入している国はないのではないか、と感じている。ドイツで勝負を賭けるからには、相当な自信や特徴がないと厳しいということはいうまでもない。
  日本メーカーがドイツに進出したのは、1960~1970年代前半。ホンダが1961年、マツダが1969年、トヨタが1971年、日産は1974年と、各社半世紀以上の歴史と実績があり、知名度とそのクオリティは十分に周知されているといえる。
  それこそドイツ進出当時には、極東アジアからやってきた日本車は、非常に物珍しがられたのではないだろうかと想像するが、現在の日本車の立ち位置はどうだろうか? ドイツ連邦自動車局(KWA)によると、2023年にドイツで新車登録された日本車は21万2100台と発表されている。しかし、ドイツ市場に占める日本車の割合はたったの7.5%と非常に少ない。地方に行けば日本車を見かける機会は若干増えるものの、実際に日常的にドイツ国内を日本車が数多く走行しているのか、と問われれば、必ずしもそうではない。
  ドイツ人が日本車に求めるものとは、なんといっても低価格だろう。輸入関税や輸送料が含まれていることを考慮しても、御三家と比較すると車体価格はかなりお手頃な上、維持費も安いことから日本車の需要は一定数存在し続けている。
  また、日本車特有の走りが好きだという人々もおり、そのコアなファンたちに愛される日本車には定評があるのかも知れない。その代表格はマツダMX-5やホンダ・シビック タイプRなどで、最近ではGRヤリスもそのなかに加わった。
可もなく不可もなくこだわりのない人が購入しているイメージ
  とくにここ10年ほど前からドイツの若者に日本車の旧車人気がすさまじく、関連イベントは毎回かなりの大盛況で、その熱気には圧倒される。最新モデルよりも、むしろ1990年代の日本車のほうが、人気を集めているのかも知れない。
  私のまわりのドイツ人のなかに日本車オーナーは非常に少ないのだが、購入理由を聞いてみると「価格」、もしくは「親が所有していたので、子どものころからクルマといえば日本車だった」という意見が聞かれた。
  たとえばトヨタ・カローラのステーションワゴンを所有する方によると、「可もなく不可もなし。クルマに選びに大きなこだわりはなく、家族全員が乗れて荷物が収まればいいので、安くてそこそこのグレードで十分」といい、とくにクルマへのこだわりや趣味性を求めない層に支持をされている一方で、年金生活者のシニア層にも人気だ。
  日本でのラインアップがドイツ市場で販売されているというワケではない上に、必ずしも日本の人気車種がドイツ人のライフスタイルに合うとは限らないので、販売車種が随分と絞られているのが残念なところだ。日本で販売されている人気車種をドイツ人に見て貰えれば、きっと彼らの日本車に対する考えは、少し変わるのではないかと予想する。
  トヨタ車を例にすると、日本では一日に必ず何台も遭遇し、街に溢れ返っている大人気車種のプリウス。ドイツでも長年販売されてはいるもののまったく人気がなく、年間で考えてもわずか数台しか見かけることはない。あえていうのなら、都市部のタクシーとしてプリウスプラス(日本名:プリウスα)が利用されており、むしろタクシーというイメージのほうが強いのではないだろうか。また、日本の高級車の代表格であり、ステータスの象徴のレクサスも、ここドイツではほとんどその姿を目にする機会はなく、ドイツ人にはその存在さえ知らない人もいるくらいだ。
  20年程前までは、自動車のみならず家電やオーディオも日本製品のドイツでの地位はもっと高かったと感じるが、家電やオーディオ類はほぼ姿を消し、昨今はそれに代わって韓国や中国製が店頭に並び勢力を拡大している。残る自動車業界には頑張って踏み止まって貰いたいところだが……。

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