ほぼ「JOY抜き」でも9月単月でN-BOXは2万5000台を販売! 圧倒的No.1キープの裏に見える不安要素とは

2024.10.23 06:20
この記事をまとめると
■2024年9月単月の車名別新車販売ランキングでもホンダN-BOXがトップになった
■登録車では納期遅延が解消しつつあるトヨタ車が上位にランクインしている
■コンパクトカーでは日産ノートがトヨタ・ヤリスを抑えてトップとなっている
2024年9月の車名別新車販売台数
  9月は事業年度(4月~翌年3月)締めでの上半期末となり、新車販売では「上半期末決算セール」が展開され、事業年度末となる3月に次ぐ量販の期待できる月となっている。
  2024年9月単月の車名(通称名)別新車販売ランキングを自販連(日本自動車販売協会連合会/登録車)、全軽自協(全国軽自動車協会連合会/軽自動車)それぞれの統計を合算すると、販売トップはホンダN-BOXとなった。2万4953台とギリギリ2.5万台には到達しなかったのだが、「約2.5万台」という表現を用いると、ここまで販売台数を伸ばしたのは2023年3月の約2.8万台以来となっている。
  2位で同じく軽自動車となるスズキ・スペーシアに1万台ほど差をつけてのトップなので、販売トップ常連のN-BOXらしい圧勝ともいえるのだが……。
「ホンダは9月27日にN-BOX派生となる『N-BOX JOY』を発売しています。うがった見方をすれば、10月以降はN-BOX JOYを積極的に販売促進していかなくてはならないので、標準及びカスタムシリーズ両方の在庫車について、購入見込み客への販売促進強化やディーラー名義などで自社届け出を行い『在庫一掃』を行ったのではないかと見ることもできます」と事情通は語ってくれた。
  軽自動車では、「販売ランキングトップ」というフレーズは販売促進活動時には「キラーフレーズ」となり、N-BOXを人気モデルにしている大きな要因となっているともいえる。そのため、軽自動車では販売台数上積みのためともいえる自社届け出はどのメーカーでも恒常的に行われている。そのなか、N-BOXは先代までは自社届け出により発生した「届け出済み未使用軽中古車」というものがそれほど目立っていなかったのだが、現行モデルとなってからはその存在が目立っている。
  今回の約2.5万台のなかにも相当数の自社届け出車両が含まれているものと考えられるので、10月以降、中古車市場に未使用中古車が多く流通する可能性がある。したがって、10月以降の新車販売への影響がかなり気になるところだ。「標準・カスタムは未使用中古車、JOYは新車で」というパターンに主力購入スタイルが変化するのではないかとも見ている。
  登録車販売トップは、6月以降トヨタ・カローラシリーズとなっていたが、前年同月ほどの勢いはないものの、久しぶりにトヨタ・ヤリスシリーズがトップとなっている。これは、人気モデルのヤリスクロスが出荷再開されたことが反映されているものと見ている。
ヤリスクロスを除いたコンパクトカークラスでは日産ノートがトップ
  しかし、筆者が話を聞いた段階では、出荷再開されたヤリスクロスだが、依然として新規受注停止が続いていた。ハッチバックのヤリスも新規受注停止となっており、再びカローラシリーズがトップとなる可能性も高い。
  総合ランキング7位、登録車のみであれば4位のトヨタ・ルーミーは、法規対応のための改良を控え9月1日に新規受注を停止したとの情報が入っている。人気モデルなので各ディーラーともに先行発注して、その後も改良前モデルの販売継続ができるように用意したようだが、それも9月中にはほぼ売りつくしているようである。ただし、在庫車といっても現車が存在するわけではなく、「生産枠を押さえている」状況なので、各ディーラーへの配車は分散するため、早くて年内ともされている改良までに、極端に販売台数が落ち込むことはないだろう。
  ホンダ・フリードとトヨタ・シエンタのライバル対決は毎月僅差で「一喜一憂」が続いている。納車まで1年ともされるフリードに対し、半年ほどで納車可能となっているシエンタのほうがリードする形で今後も販売競争が展開されそうである。
  登録車のみのランキングで11位と12位にトヨタ・ノアと同ヴォクシーがランクインしている。改良を控えた新規受注停止から1年が経とうとしているなか、バックオーダーの処理が続いているが、そのような状況でも毎月販売上位に入り続けているのは、底知れない人気の高さを誇るモデルであることを物語っているともいえよう。
  一時は「納車まで数年」ともいわれたトヨタ・プリウスは、現状ではPHEV(プラグインハイブリッド車)も含め納期は半年強ほどと一時に比べるとかなり短納期となっている。「新型が欲しい」という需要がほぼ一巡したようなのだが、トヨタの個人向けカーリースとなる「KINTO」では、Uグレードに対しアップグレード最大8万円分還元キャンペーンを展開しており、納期目途も1.5カ月から3カ月とより短期間となっているので、KINTOを使って乗るとういうのもおすすめといえよう。
  日産ノート(オーラ含む)が「コンパクトカー販売ナンバー1」と銘打っていることに違和感を覚える人もいるかと思うが、これは自販連統計上の「ヤリス」にはヤリスクロスが含まれているからである。
  自販連統計をさらに分析すると、たとえば普通乗用車(3ナンバー)としてカウントされているヤリスにはGRヤリスも含まれるのですべてがヤリスクロスとはいえないが、そのほとんどはヤリスクロスともいえるので、2024年9月単月統計でのヤリスの総販売台数から、3ナンバーのヤリス分(5883台)を差し引くと、小型乗用車、つまり標準タイプのヤリスの販売台数は7164台となるので、2024年9月単月だけを見ても、1万831台のノートのほうが売れているということになるのである。

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