【積水化学グループ】際立つ人材が挑戦しイノベーションを生み出す積水化学の人的資本経営とは

2024.10.11 10:00
創業以来、数多くのイノベーションを創出し社会課題の解決に尽力してきた積水化学グループ。同社のイノベーションの源は、技術力だけに留まらない。イノベーションを生み出す積水化学グループの「人」の力に着目し、その人的資本経営について積水化学工業株式会社 取締役 人事部長の村上和也氏に聞いた。
積水化学工業株式会社 取締役 執行役員 人事部長 村上和也氏
革新的な技術を生み出す挑戦する精神
深刻化する気候変動への貢献が期待されているのが積水化学のフィルム型ペロブスカイト太陽電池だ。軽量で柔軟という特徴があるため、従来型の太陽電池の設置が難しかった場所に適用できる可能性があり、再生可能エネルギー導入量を拡大できる有力な選択肢と見込まれている。


「ペロブスカイト太陽電池だけでなく、ゴミからエタノールをつくる『バイオリファイナリー技術』など、新規事業が形になりつつあります。バイオリファイナリー技術は可燃ゴミをプラスチック原料や航空燃料という資源に変え、資源枯渇をはじめとした様々な社会課題への解決策になり得る技術です。また、再生医療への貢献が期待される細胞培養資材や温室効果ガスであるCO2を化学品の原料となるCOに高い効率で変換するCCU技術など、社会課題解決に貢献する革新的技術を社会実装すべく開発を進めています。これらのイノベーションは社会に大きなインパクトを与えるでしょう」と村上氏はいう。
積水化学工業のペロブスカイト太陽電池は、2023年のG7広島サミットでカーボンニュートラルに貢献する日本の最先端技術として紹介された


技術革新によって社会課題の解決を目指す積水化学グループだが、製品として世に送り出すまでには多くのブレイクスルーが必要だ。クリアすべき壁は少なくないが、数々の社会課題を解決してきた企業としてのDNAが強みとなる。


「我々メーカーは付加価値で勝負しなければいけません。会社の持続的な成長は新しい付加価値を生み出し続けられるかどうかにかかっています。そのためには、既存の範囲を超えた思考が必要になります。今までとは違うことを思考し、実行することに意義を感じる社員が常にいて、そんな行動を評価するマネジメントがあったからこそ、挑戦する精神が続いてきました。社是である3S精神(社会的価値を創造する『Service』、市場を変革する『Speed』、際立つ技術と品質の『Superiority』)を元に社会課題解決に挑戦することを我々はDNAとして受け継いでいるのです」
積水化学のイノベーションを起こす主体は「人材」
今までも積水化学グループはくらしの根幹にある課題に一貫して取り組み、挑戦してきた。しかし従来のやり方を踏襲するだけでは未来の成長は継続しないと考える村上氏に人的資本経営の考え方を聞いた。


「長期ビジョンではイノベーションを起こし、社会課題解決への貢献を倍増させることを目指しています。イノベーションを起こす主体はあくまでも人で、得意技を持つ『際立つ人材』の育成が必要です。事業の成長スピードや変化に対応し、長期ビジョンの実現を牽引する人材を育成したい。そして、従業員一人ひとりが挑戦することが必要です。だからこそ、『全員が挑戦したくなる活力あふれる会社』の実現を目指し、失敗を恐れずに行動する『挑戦風土』の醸成に取り組んでいます。積水化学グループでは『従業員は社会からお預かりした貴重な財産』という人材理念を掲げています。人を資産として捉えることは人的資本経営の概念そのものです。この考えを根底に、社員が活き活きと働ける環境づくりを進め、各自が得意技を磨き、挑戦することを支援します」
長期ビジョン「Vision 2030」の全体像
人事戦略の柱は「挑戦風土」「適所適材」「ダイバーシティ」
積水化学グループは長期ビジョンの達成のため「全従業員が挑戦したくなる活力ある会社」の実現を目指し、人事戦略では「挑戦する風土の醸成」と「適所適材の実現」に取り組んでいる。そして、それらの根底にある「ダイバーシティの実現」を含めた3つの柱に基づいて具体的な施策を展開している。
積水化学グループの人事戦略「挑戦のたすきを個に繋ぎ、未来を紡ぐ」


「積水化学グループでは、挑戦する風土の醸成のために国内グループ会社の人事部門が集まり情報共有とレベルアップを図る『エンゲージメントDriveプロジェクト』を推進しています。また、忙しい業務の中で新たな挑戦をすることはなかなか難しいですが、評価制度の中に挑戦に関する項目を設け、上司との面談でその発揮度合いを確認しています。この項目は達成できれば加点になり、できなくても減点にはなりません。さらに、自ら手を挙げる機会として20年以上前から社内公募制度を設け、この制度を活用した上司の意向に一切関与しない人事異動を毎年50件程度行っています」


様々な経験値を積みたい社員にとっては、会社主導の人事異動を待つだけでなく、いわゆる社内転職を行うことができるのだ。


また、新任役員が塾長を務め、様々なレイヤーの従業員と直接対話する「変革塾」も行っている。普段接しない部署や立場の違うメンバーと対話することでビジネスのヒントや苦労などが共有され、刺激的な場になっているという。他にも継続的に行っている「社長と語る会」や長期ビジョンを共有する「ビジョンキャラバン」の場でも挑戦する意義などを伝えている。このように様々な挑戦する場をつくり、挑戦の後押しをしている。従業員が挑戦意欲を持ち行動に移すためには、上司による適切な目標設定と動機付け、挑戦が評価され失敗が許容される風土やそれを後押しする施策が必要なのだ。
海外開催の「ビジョンキャラバン2023」


「中期経営計画に基づいた人事戦略のもと、『適所適材』の実現にむけて人事制度も役割型に刷新しました。これは事業戦略上重要なポストをきちんと定義し、その役割に一番相応しい人に就いてもらうことが狙いです。現在、経営者にも従業員に対してもポストと人材の見える化を進めています。一人ひとりが何にコミットして仕事をしているかが明確になり、自身のキャリアパスや将来像をより具体的に描きやすくなります。抜擢人事の促進にもつながります」
積水化学グループの役割型人事制度
経営戦略の実現に必要な役割を見える化し、それを担う人材と後継者が継続的に育成・抜擢されている状態(=適所適材)を目指す


また、プロ人材確保のため、専門性の高い研究者・技術者への評価・処遇の一環として「スペシャリティ職」という制度を導入し、際立つ技術者の育成を図っている。


ダイバーシティも積水化学グループの人事戦略を考えるベースに置かれている。


「挑戦する風土をつくるにしても、適所適材を行うにしても、今までのような均質的なキャリアを積んできた人材だけでは立ち行かなくなると思っています。事業環境は刻々と変化しますし、人も事業も常に変わり続ける必要があります。様々なキャラクター、多様なバックグラウンドをもった価値観の人たちに、当社でどう活躍し、貢献してもらえるか。そういう余地を考えながら人材の配置を考えています」


「ジェンダーの問題も単に女性を増やすのではなく、女性が増えない理由は何かを考え、能力や働き方の問題など隠れた本質的課題を見つけることを大切にしています。その課題解決の結果として女性が今よりたくさん活躍して、管理職になりたい、もっと上を目指したいと思われる組織にしたいと考えています」


2014年からは女性キャリアディベロップメントプログラムを継続的に実施し、能力改善につながるテーマの遂行を通じて管理職登用に向けた意欲の醸成と高い視座の獲得を図っているという。


「女性社員と上司を対象に実施したプログラムには、これまで410名が受講し、そのうち116名が基幹職に昇格しています。両立支援としては育児・介護・病気のサポートに取り組んでいますが、育児の面では男女ともに家庭との両立ができるよう法定を超える制度の整備や風土醸成に向けた上司向け研修を行うことで、男性の育休取得率が大幅に向上しました」
全員が挑戦したくなる活気あふれる会社の実現を目指して
最後に積水化学グループにおける人的資本経営の今後の展望について村上氏に聞いた。
「経営戦略の実現に貢献できる人的資本経営を目指しています。従業員一人ひとりが専門性やリーダーシップを発揮し、常に社会課題に挑戦し続けてきた積水化学グループのDNAをぶれない軸として、『全員が挑戦したくなる活力あふれる会社』を実現していきます。そして、イノベーションにより社会課題の解決に貢献し、社会に“未来につづく安心”を届けていくことが積水化学グループの使命です。当社の仕事の魅力が社会に広がれば、会社のプレゼンスの向上にもつながります。また、挑戦し続ける人材にとって、多様な事業領域に活躍の場があることが当社の特徴です。一人ひとりが自らを変革させながら活躍できる、そんな企業であり続けたいと願っています」


本記事は、日経BPの許可により日経ビジネス電子版2024年10月11日-11月10日に掲載した記事広告を転載したものです。
© Nikkei Business Publications, Inc.




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