株式会社サードライフは、「ワクワク」を形に「楽しい」を人生に!そして、未来へつなげる!
という理念を抱き、企業の「ブランディング」をメインとして、WEBサイトやパンフレットの制作などを手掛けています。
企業の健康経営やSDGs推進、 農家が抱える課題解決に寄与するために、4年ほど前から圃場にて有機農業に取り組み、2024年8月31日、福利厚生サービス「やさいのキラメキ」をスタートしました。
サービス誕生の背景をサードライフ代表中田和寿がお話いたします。
「やさいのキラメキ」 サービスの詳細はこちらの記事からご覧いただけます。
ー持続可能な農業の重要性と有機農業の未来への挑戦。環境配慮型産業への移行が求められる現代社会
SDGs(持続可能な開発目標)が象徴するように、世界では環境配慮型の産業への移行が進んでいます。
地球上の農耕地の3分の1が土壌劣化によって農業生産できなくなっています。
農業生産ができないほどに劣化した土地では、いきものも生きることができません。持続可能な農業生産はすべての命を大切にするためにも必要です。
山や森を支える物質循環と生命循環の仕組み。
汚染と破壊の無い世界は、昔からある大自然の法則を大地に活かすことで作られる。
そうすることで、安全で豊かな土壌を作ることが出来ます。
「野菜」は本来、人が育てるのではなく、土壌が育てるものなんです。
「有機農業」は自然と調和した土壌の生態系、生き物の多様性を守り、持続可能な取り組みです。
このサービスを通じて、有機農業でも生計を立てられる農家さんを増やしていきたいと考えております。
そして、カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略の一つでもある
・2040年までに次世代有機農業に関する技術を確立、2050年までに耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%(100万ha)に拡大
という大きな目標。
兵庫県下の有機農業の現時点での割合は1.5%ほど。
日本全体だと約1%未満と少なく、2050年までに少しでも割合を引き上げたいと考えます。
ーCO2と化学農薬削減を実現。サードライフファームの有機栽培の力
当社の農園「サードライフファーム」および参画農家では、有機栽培※1 で作物を育てています。そのため、製造段階で化石燃料を大量に消費する化学肥料不使用なので、地球温暖化の原因の一つであるCO2を削減することができます。
「有機農業」は、正確にこうあるべきというものがありません。
十人十色、それぞれの農業の形があります。
当社では、四季とともに自然の流れに沿って、植物性堆肥を中心に資源を循環させる循環型農業に取り組んでいます。
圃場で出た草や残渣も全て、同じ圃場に戻っていきます。
そうすることで、土壌の生態系を守り、微生物の活性化が起こり、野菜にとってすくすく育つ環境が作られていきます。
他には、不耕起栽培や自然農法と呼ばれるもの、BLOF、菌ちゃん農法、農家さんそれぞれ独自の農法など、体系化された農法がないのも「有機農業」の特徴かもしれません。
結果として、豊かな土壌を守るための取組に繋がっており、しっかりとSDGsに寄与しています。
そして、国も「みどりの食料システム戦略」※2 を掲げ、2050年までに耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を、現在の0.6%から25%までに拡大させるとしています。また、「農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現」「化学農薬使用料50%低減」を2050年までに目指すとしています。この取り組みにも、寄与していると自負します。
ープランター栽培から始まった有機農業への道。野菜作りの喜びと有機農業へのさらなる挑戦
有機野菜が身近なものになればいい
今から8年ほど前に、趣味で始めたプランター栽培がきっかけでした。
ミニトマトが上手に作れて感動したのを覚えています。それがどんどんとエスカレートしていき、プランターから貸し農園へ、農園の規模も年々大きくなっていきました。
最後に利用した貸し農園が有機栽培でしか野菜を作れないというルールがあり、そこで初めて有機農業を認識するきっかけとなりました。それまでは農業に「慣行農業」と「有機農業」があることすら知りませんでした。
「有機農業」の歴史はまだまだ浅く、1970年に厚生省が全国の母乳調査に着手し、全ての母乳に農薬が残留する事実を公表しました。
そうして、安全な食べ物を求める消費者運動が広がり、【食の安全性】という概念が生まれることになります。
そして、1971年に日本有機農業研究会が設立されます。
改めて普段の食生活に目を向けるきっかけとなりました。
子供や妊婦さん、授乳中でも安心して食べられる野菜が有機的に育てられたもの。
どんどんと有機の世界に魅了され、奥深さと野菜の美味しさを知ることになります。
そうして農園は次第に大きくなっていきました。
大きな畑で作られた野菜は、さすがに量も多く、自家消費では賄いきれず、会社に持っていき社員メンバーに配ることになります。図らずも福利厚生のきっかけがここで生まれていたわけです。
育てた野菜を「美味しい」と言ってもらえる喜びと自然に優しい取り組みをもっと拡大していきたいと一念発起し、大きな圃場で有機栽培を試みることになります。
大きな圃場を使うには、農地法で定められた条件と農業委員会の許可が必要となります。
そうです。自分自身が農家になる必要があったのです。
「神戸ネクストファーマー制度」で農業への参入を実現。企業に導入される「やさいのキラメキ」がもたらす多様なベネフィット
幸い神戸市には「神戸ネクストファーマー制度」というものがありました。
これまで農業に参入するには研修機関等で1年間の農業研修に専念しなければなりませんでしたが、令和3年8月の神戸ネクストファーマー制度※3の創設により、働きながらでも可能な短時間の農業研修を受けることで、農地を借りることができるようになりました。
1年間の農業研修を経て、たくさんの有機農家さんと知り合うことになります。皆さんそれぞれ課題を抱えていることも、有機農業への参入障壁の高さも身を持って知ることになります。
最大の課題は、有機農業で生活していけないことでした。
もちろん全員がそうではありませんが、労力が掛かり、生産量が不安定で、販路が確保できないことが要因の一つです。
農家さんが情熱と努力と体力をもって、育てられた野菜を適正な価格で売れる仕組みを作る。
そして、規格外や廃棄になるはずの野菜たちにも活路を見出す。
これまでのやり方では難しいと判断しました。
新しい販路、サービスを創出しなければなりません。
そこで生み出されたサービスが、福利厚生という形で企業に販売するという新しい販路の流れでした。
企業に導入してもらうために「野菜」に付加価値を付ける、
それがこちらになります。
「やさいのキラメキ」を通して得られるベネフィット
1.健康経営の一環として社員の健康維持
2.コミュニケーションの活性化
3.間接的な社員の所得増加
4.採用力の強化
5.離職率の低減
6.従業員満足度の向上
7.生産性の向上
8.企業の社会的信頼性の向上
9.新しい野菜との出会い
10.節税効果
11.地球環境への配慮
12.SDGs、カーボンニュートラルへの貢献
13.野菜を使ったレシピ
こうして、「やさいのキラメキ」が誕生しました。
ーひとりでは難しい
サービスを開始するにあたり、自分一人での生産力では頭打ちでした。
仲間を増やしていかなければならない。
ただ野菜を仕入れるというものではなく、考え方や取組みに賛同してくれる農家さんを見付ける。
農業研修中に出会った農家さんには真っ先に協力を求めました。
1年間の研修を共にしているだけあって、信頼関係が築けていたのが大きく、すぐに参画をして頂けました。
そこからはオーガニックマルシェに出店している有機農家さんに片っ端からお声掛けさせて頂いたり、情報をキャッチしたらすぐさま農家さんの元に駆け付け、手当たり次第に飛び込み営業していきました。
検証開始当時は5組ほどだった参画農家も今では30組を超えるほどになりました。
皆さん同様に自然調和を大事されている素晴らしい農家さん達です。
【「やさいのキラメキ」検証結果】
まずは「やさいのキラメキ」を検証するために、当社のお客様にお願いして導入をして頂きました。
約半年間の中で、満足度は99%※4となり、初回お試しいただいた企業様のうち96%がサービスを継続してくださいました。さらに導入企業様がSNSで発信してくださったり、ご紹介をくださったりと、サービスリリース前から緩やかに拡大していきました。
全てのステークホルダーが笑顔になれるサービスだと確信できた良い期間だったと思います。
お客様の声
【導入してくださった株式会社隅田鋲螺製作所 代表取締役社長 隅田貴昭様の声】
健康経営優良法人取得にあたり、従業員の食に対する意識を高めたい狙いがありました。良い仕事をする大前提は従業員の健康があってこそなので。
健康経営優良法人を検討されている企業は認定要件である「食生活の改善」「コミュニケーション促進」を満たし、導入するだけで取得に大きく近づくことができます。他にはない福利厚生なので、従業員が喜んでくれるだけでなく採用時にも大きな差別化ポイントになると思います。
ー有機栽培の課題と技術継承の難しさに直面する現状。「やさいのキラメキ」が有機農家と協力し、認知度向上を目指す
有機栽培は、栽培技術が体系化されていないため技術の継承が難しく、管理が大変な上に、一般的な栽培方法である慣行農業と比較して、収量が少なく成長速度が遅いという課題があります。さらに「有機JAS」認証を取得するハードルも高いなど、有機農家にとって数多くのデメリットがあります。
「やさいのキラメキ」に賛同していただいた有機農家に協業してもらうことで、有機栽培の認知度向上および、課題を抱える有機農家の一助となればと考えています。
今後は、持続可能な農業の実現に向けて、自然環境に配慮した有機農業を広げていくために、山の土壌が豊かであるように、農薬や化学肥料に頼らない自然との調和を志します。
地球そのものが持つ、生き物の多様性を保全する取組みをしてまいります。
他にも
環境に配慮した資機材を使用し、エコサイクル及びリサイクルや、有機野菜を無駄にしないよう、加工品等に活用し、フードロスを防ぎます。
すでにオーガニックレストランやオーガニックペットフードの加工会社と契約を結び、規格外や本来捨てられるはずの有機野菜を買い取って頂く取り組みも始めています。
そういった取り組みを農家さんや新規就農を志す方々に広めていきたいと思います。
「競争」ではなく、『協創』を。
人と自然と地球の『協創』
これからの農業はこうなっていくと信じています。
※1 有機野菜とは、「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない」「遺伝子組換え技術を利用しない」「農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する」農業生産の方法を用いて行われる農業。農林水産省WEBサイト引用
※2 「みどりの食料システム戦略」について詳細は、農林水産省「みどりの食料システム戦略トップページ」参照