「はたらいて、笑おう。」をビジョンに掲げるパーソルグループは、DEI(Diversity, Equity & Inclusion:ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の取り組みを通じて一人ひとりが活躍できる組織・社会を目指しています。
2023年12月、パーソルグループ内の男性の育休取得に関する風土づくりを目指すため、男性育休取得経験者を中心に社員の有志コミュニティであるグループ内部活動(みんなの部活)として、「男性育休推進部」が立ち上がりました。
現在パーソルグループの男性育休取得率は73.0%(2024年3月期)。取得率100%に向けて「男性育休推進部」が活動を続ける中で、「取得した時の生活が良くわからない」「体験談をもっと聞きたい」という声があがっていました。そこで、まだ取得経験のない社員の背中を押す目的で、8月の夏休みをきっかけに取得を検討してもらうための男性育休体験イベントを実施。今回、部活動の部長である川島と、体験イベントを実施した金村に話を聞きました。
―「男性育休推進部」とは、どんな部活動でしょうか?
川島(みんなの部活「男性育休推進部」部長):「男性育休推進部」は、過去に育休を取得したことのある男性社員を中心に立ち上げた、パーソルグループ内の有志のコミュニティです。パーソルグループには「みんなの部活」という名前の部活動があり、サッカー部といったスポーツ系の部活動や、日本酒をたしなむ部といった趣味系の部活動がある中で、男性育休推進部もそのひとつです。2024年9月現在の部員数は約30名。関東、関西、東海、九州など、全国から部員が集まっています。
―これまでどんな活動をしてきたのですか?
川島:2024年12月に部活を立ち上げて以来、大きく2つの活動をしてきました。一つ目は、部員同士の困りごと・悩みの共有です。毎月1回、おもに昼休みに全国の部員がオンラインで集まり、子育ての悩み、仕事と育児の共有ノウハウなどを相談しあえるコミュニティ作りをしてきました。ママの相談窓口や相談コミュニティって、パパの視点で見ると結構用意されているなという印象があるのですが、パパ側が気軽に相談できるコミュニティが少ない印象だったんです。Web検索しても出てこないですし。ですので、私としては、オンラインで集まったり、チャットで気軽に相談しあったりできるような場を作りたかったというのがあります。「保育園の送迎、夫婦でどう分担していますか?」とか、「部下のなかに、育休取得予定の男性社員が出てきたが、上司としてどんなアドバイスをしてあげたらよいでしょうか?」とか、そういう話もTeams上でチャットし合っています。この前、どんな話していましたっけ?
金村(みんなの部活「男性育休推進部」メンバー):私が相談したのは、妻が入院、子どもが発熱、そして自分も発熱と、家族が体調崩すことが続いた時期があって、「みなさん、体調管理どうしていますか?」と。「壮絶な時期には病児保育20~30回利用したことがある」とか「いま我が家も手足口病からの溶連菌感染と戦っています」とか、パパたちの体験談を聞いて「自分だけでなく他のパパたちも日々頑張っているんだなあ」とほっとしたのを覚えています(笑)。
―男性育休取得の経験者の皆さんのコミュニティになっているんですね。これまでの取り組みの二つ目はどのようなものでしょうか?
川島:二つ目は、「男性育休サポーターズ」の発足とその輪を広げる活動です。応援する気持ちがあれば、性別、既婚未婚、子どもの有無を問わず誰でもなれる「男性育休サポーターズ」を24年3月に発足し、その輪を広げてきました。
川島:誰でも育休が取得できる風土づくりのためには、「みんなが応援している」ということをまず伝えることが大事と考えています。男性育休サポーターズのロゴをステッカーとして制作・配布し、応援の気持ちを目に見える形にすることで、より制度を利用しやすい環境を醸成し続けています。おかげさまで1,000枚準備したステッカーはすべて配布しまして、社内でその輪を広げることができているかなと思います。
―夏休みに、男性育休推進部でイベントを実施したと伺いました。どのようなものだったのでしょうか?
川島:男性育休推進部では、育休取得啓発のためのイベントも定期的に実施していきたいと思っています。この8月には、「育休を取得した時の生活が良くわからない」「体験談をもっと聞きたい」という声に応えるために、育休をとったことがないパパが、金村さんの自宅に行って男性育休をプチ体験してもらう、というイベントを企画しました。
金村:私が育休を取得したのは2022年12月24日から2023年1月31日の1カ月間です。その1カ月間の体験談を、これから取得しようかどうしようかと悩んでいる方に向けて伝えることで、少しでも迷っている方の役に立つことができればと思いました。男性育休推進部は部活動なので、基本的に昼休みや就業時間外に活動を行っています。夏休みは家族と過ごす時間も増える時期ですし、育休取得に対して考えを深める時間もあるので、このタイミングでイベントを行うことにしました。
―イベントではどんなことを行ったのですか?
金村:パパ育休体験イベントには、二人のプレパパが参加してくれました。9月に第1子が生まれる予定の
三原 史寛さん(パーソルビジネスプロセスデザイン所属)と、10月に第1子が生まれる予定の本橋 孝昭さん(パーソルクロステクノロジー所属)のお二方です。
私の育休取得体験談を話しつつ、赤ちゃん人形を使ったおむつ替え講座や、離乳食・幼児食をつくる料理体験を行いました。「赤ちゃんは関節外れやすいので、足を引っ張るのではなくおしりを支えておむつ替えしましょう」とか、「漢字の八になるようにテープを止めてあげると良いです」とか、私のおむつ替え経験者としてのノウハウを伝えつつ、実際にテープ型おむつを使って替えてもらいました。二人ともおむつ替えをするのは初めてだったので、恐る恐る…という感じでしたが、何とかおむつ替えされていましたね。その様子を、私の1歳8カ月の子どもが見ていて、なんとも微笑ましい絵でした(笑)。
金村:次に、離乳食・幼児食をつくる料理体験をキッチンで行いました。ほうれん草を茹で、ミキサーにかけて、裏ごししてペースト状にした離乳食をつくる体験では、普段料理経験のある方でも「こんなに丁寧にほうれん草を裏ごしするんですね!」と驚いていました。幼児食をつくる体験もしてもらい、私の子どもが食べる用の野菜ホットケーキを作りました。つくる時間がかかるのもそうですけど、子どもが食べる用なので、ホットケーキを熱々ではなくちょっと冷まして出してあげるのに時間がかかるところや、その間に子どもがお腹がすいて怒り出すところも見てもらって、リアルな体験をしてもらえたのかな(笑)と思います。
体験でつくった野菜ホットケーキは、琉生君(るいくん・当時1歳8カ月)が「おいちぃ」と言いながら食べてくれました
▼当日のプログラム
11:00~11:30 男性育休取得した先輩パパの体験談
11:30~11:45 赤ちゃん人形を使ったおむつ替え体験
11:45~12:30 子ども向けのお昼ご飯(離乳食・幼児食)作り体験
12:30~13:30 子どもと一緒にお昼ごはんを食べながら座談会
13:30 終了
―イベント参加のお二人はどんな感想をおっしゃっていましたか?
金村:そうですね、「自分の部署の周りには男性育休を取得している経験者がいないので、経験者のリアルな話を聞けて良かったというのと、実際に赤ちゃんがいる家庭に足を運んだことがないので、こうなっているんだなというのが分かったのが良かった。」とか、「パパが何のために育休を取るのかがちょっと見えた気がした。子どものため、というものあるけれど、ママのために育休を取るんだなというのを学べた。」という感想をコメントとしてもらいました。「育休を取っても意外と何とかなるんだな、とポジティブな気持ちになれた。」とも言ってもらえて、イベントを開催した目的である「背中を押してあげたい」という思いが伝わったのが良かったです。
―ありがとうございます。それでは最後に、今後お二人が部活動でやっていきたいことを聞かせてください。
金村:子育ては「孤独感」が最大の敵だと思っています。子供のイヤイヤも一緒に悩める仲間・相談できる仲間がいれば、笑い話に変えられるかもしれません。ママと同じ目線で一緒に育児できる存在にパパがなれるように、ひいては"パパの人生の幸福度"が高まるように今後もコミュニティやイベントの企画運営を行っていきたいです。
川島:男性育休を取得するかしないかに注目が集まっていますが、育休取得のその先にある、仕事と育児の両立が最も重要で難しい点だと感じています。頻繁に体調を崩す子どものケアや、家庭の中での家事分担のバランス…それらを仕事とどう両立させるのか私自身もまだまだ試行錯誤している真っ最中ですが、悩めるパパと助け合いつつ、これからパパになる方へのサポートをしていきたいです。
※2024年9月時点の情報です。