七夕は、全国各地で祭りなどが開催される夏の風物詩の1つ。今回は、その由来や七夕に食べたい野菜を使ったそうめんレシピを2つ紹介します。
五節句(※)の一つで、別名「笹の節句」とも言います。願い事を書いた五色の短冊や飾りを笹竹に吊るし、技芸の上達や豊作を祈ります。
五節句とは:1月7日の人日(じんじつ)、3月3日の上巳(じょうし)の節句、5月5日の端午(たんご)の節句、7月7日の七夕(しちせき)の節句、9月9日の重陽(ちょうよう)の節句のこと。
●由来
年に一度だけ会うことを許された彦星(牽牛)と織姫(織女)の伝説が元になったといわれています。手芸が上手な織姫にあやかり、裁縫の上達を願う「乞巧奠(きこうでん)」という行事とともに古代中国から日本に伝わり、日本古来の「棚機津女(たなばたつめ)」の神事と合わさって、夏の行事として定着したといわれています。棚機津女とは、神に捧げる布を織り、人々の厄を神に持ち帰ってくれる巫女のことです。
日本には奈良時代に伝わり、当初は宮廷行事として行われていました。江戸時代に幕府によって五節句の一つとして位置付けられると、一般庶民の間でも次第に七夕祭りが行われるようになりました。
●行事やしきたり
庶民に広がった初期の七夕祭りでは、中国や日本の朝廷と同じように、瓜など季節のものを供えたり、水に針を浮かべ占ったりして、織女に裁縫の技芸の上達を願う祭りだったようです。その後、江戸時代には寺子屋が発展し、主に男の子たちが短冊や色紙に字を書いて笹竹に吊るし、書の腕前を披露することで、その向上を願うようになりました。
明治に入ると暦と祝日が変更されたことで一時期衰退しますが、昭和になって学校教育に本格的に七夕が組み込まれます。今では、多くの人が、飾りつけやお祭りなどを通して、七夕行事を体験するようになりました。
七夕に食べる料理
天の川に見立ててそうめんを食べます。そうめんの元は、「索餅(さくべい/策餅とも書く)」という小麦粉を使った食べ物。古代中国から伝わり、七夕に索餅を食べると病にかからないという中国の故事にならい、平安時代には宮廷での七夕行事に索餅が取り入れられたそうです。
その後、呼び名や形を変えて、江戸時代には七夕にそうめんを供え物にする風習が一般に広がり、夏の定番料理になったようです。
七夕におすすめのそうめんレシピ
七夕におすすめのそうめんの簡単レシピと本格レシピを紹介します。いずれも、オクラを星に見立て、七夕らしさを演出しています。
オクラの下処理の仕方はコチラ
●簡単レシピ:トマトとオクラのそうめん
暑い日におすすめのさっぱりとした一品
材料(2~3人分)
トマト:中玉2個
オクラ:3本
トマトジュース(低塩のもの):100ml
めんつゆ(ストレート):200ml(希釈タイプのめんつゆは、あらかじめ水で割って使用)
そうめん(乾麺):150g
みょうが:適量
万能ネギ:適量
作り方
トマトは1cm角に、オクラは茹でて小口切りにする。
トマトジュースとめんつゆを合わせ、1を加えて冷やしておく。
そうめんを茹でて冷水でよく洗い、水気を切る、2とお好みで薬味を添える。
●本格レシピ:七夕トマトそうめん
ひと手間加えて彩よく!おもてなしにも
材料(4人分)
トマト:中玉2個
きゅうり:1本
オクラ:2本
トマトソース:1缶(約300g)
めんつゆ(ストレート):150ml(希釈タイプのめんつゆは、あらかじめ水で割って使用)
卵:2個
えび(茹でたもの):8~12尾
そうめん(乾麺):300g
サラダ油:少々
作り方
トマトソースはめんつゆと合わせ、冷やしておく(めんつゆの量は、好みで加減する)
卵はよく溶きほぐして薄焼き卵を作り、飾り用に4~5個星型で抜いて、残りは千切りにする。トマトはくし切り、きゅうりは千切り、茹でえびは殻をむく。
オクラは茹でて小口切りにする。
そうめんは茹でて洗い、水気を切る。
皿に1を注ぎ、そうめんと2、3を盛り付ける。
最後に
夏の星空を見上げながら、笹と短冊を飾って七夕を過ごしてみてはいかがでしょう。
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最終更新:2024.07.10
文:アーク・コミュニケーションズ
イラスト:相良弥生
監修・レシピ提供:カゴメ
出典:
農林水産省
「和食」(七夕とは)
Facebook「2015年7月7日【“ほし”に願いを】」(七夕に食べる料理)
独立行政法人国立文化財機構 奈良文化財研究所 飛鳥資料館「七夕のはなし」(七夕の由来)
国立研究開発法人森林研究・整備機構 ダイバーシティ推進室(七夕の由来)
政府広報オンライン「仙台七夕まつり」(七夕の由来)
j-stage「近代日本の七夕祭:国民の夢の道のり」(七夕の行事)