新車購入の鍵を握るのは「ママ」と「子ども」! 昭和も令和も変わらない商談のセオリー

2024.07.08 06:20
この記事をまとめると
■新車購入を検討している家族はママと子どもに好かれるのが第一目標だった
■昭和も令和も家庭の財布はママが握っていることが多い傾向にある
■最近の女性は買い換える際に同じ車種を乗り継ぐ率が高い
新車の決定権を持つのはママ!?
  30年以上前、まだ日本が元気いっぱいで「バブル経済」を謳歌していたころの話。たとえば、夫婦子連れで新車ディーラーを訪れるお客がいたら、「ママに積極的にアプローチしろ」とセールスマンは新人研修のときに指導されていたと聞いたことがある。つまり、「ママファースト」である。家族のなかでお父さんが肩身の狭い思いをしているのは、昭和後半から平成、そして令和と元号が変わっても、一般論として語られていること。
  そのようななかで、当時のお父さんの数少ない楽しみが新車購入となっていた。そのため、お父さんは「新車に乗れる」という気もちが前のめりであるので、値引き条件など商談では細かい部分での交渉ごとは少なく、気に入ったクルマならすぐ契約して納車してもらいたいという気もちが最優先なので、それほど気にする必要もないとのことだったらしい。
  一方でお母さんはというと、「財布の紐」を預かっているのが一般的となっており、どんなにお父さんが気に入っていても、希望予算をクリアしなければ首を縦にふることはない。まずはシビアな交渉を続けながら、お母さんには嫌われないように商談を進めるのが、できるセールスマンの商談術となっていたようだ(マダムキラーなどと呼ばれるセールスマンもいた)。
  もちろん、子どもにも印象をよくもってもらわないと、「僕、この人(セールスマン)嫌い」などといわれれば無条件で商談終了ということにもなりかねない。まだおおらかだった時代では、未就学児童ぐらいであったら、まずは「可愛い女の子ですね」と話しかけろともいわれていたようだ。根拠はあまりはっきりしないものの、ベテランセールスマンの話では女の子なのに男の子といわれるよりは、男の子なのに女の子といわれたほうが喜ぶ夫婦が多かったというのがその理由と聞いている。
  とにかく、お父さんは新車に乗れるということで上の空なので多少予算オーバーしても「欲しい」となるので、子どもやお母さんに嫌われることなく、予算クリアをめざして商談を進めるのが常道とされていたようだ。
  ある家族が、お父さんがデビューしたばかりの背の高いミニバンが気に入ってショールームに見に来たそうだ。すると店頭にデビューしてしばらく経っている、それよりもサイズのやや小さいミニバンが特価車として置いてあったそうだ。するとお母さんが「これでいいじゃない」といい出し契約してしまい、あっけなくお父さんの夢は砕け散ったという話も聞いたことがある。
最近は女性のほうがクルマへの感度が高い?
  令和のいまでも「ママファースト」という商談のセオリーは変わらないようである。ただし、大きく異なるのが、車種選びからすべての主導権をお母さんがもって商談に臨むことになったということのようである。
  お母さんに車種選択権まであるのならば、「軽自動車など小さいクルマになりがちなのではないか?」と思いがちだが、お母さんも含め女性ドライバーのほうが一度サイズの大きいクルマを運転してしまうとダウンサイズには消極的になるとも聞いたことがある。ボディサイズの大小ではなく、一度運転に慣れたクルマやクラスからは変更したくないという気もちもあるようだ。そのため、同一車種へ乗り換えるケースも目立つとのことである。
  トヨタ・ノア&ヴォクシーは、現在改良を控えてオーダーストップとなっているが、オーダー可能であっても納車までしばらく待つことになることがここのところ続いていた。しかし、だからといって納車の早いライバルメーカー車へお客が流れるかといったら、目立ってそのような動きがないのも、「乗り慣れたクルマから離れたくない」という気もちが大きいためともいわれている。
  最近の特徴としては、クルマにそれほど興味を示さないお父さんが目立つとのこと。逆に毎日のように買い物や子どもの習いごとの送迎などでクルマを運転する、お母さんのほうがクルマへの興味も大きくなっているようである。
  そうなると、男性セールスマンではなかなか考えられない目線での問い合わせも多いとのこと。「UVカットガラスになっているのか」とか、軽自動車のハイト系ワゴンならば「車内で子どもが立って着替えることができるのがマスト」といった具合である。
  とにもかくにも、新車販売の現場では女性がキーパーソンであることは、いまも昔も変わらないようである。

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