効率化が鍵!『飼料流通合理化』が支える持続可能な畜産業の未来 ~ドライバー不足で「運びたくても運べない」飼料輸送問題に取り組む重要性とは?~

2025.07.02 16:30
畜産業は、鶏や豚、牛を肥育し、私たちの「食」を支えてくれる重要な産業です。しかし、近年この業界はさまざまな課題に直面しています。2024年4月から施行された時間外労働の上限規制、「2024年問題」は、物流業界全体に大きな影響を与えました。特に、ドライバー不足や物流の停滞が顕在化し、畜産業界も例外ではなく「運びたくても運べない」という、飼料輸送の問題が畜産業界全体に大きな影響を及ぼしています。


法改正から1年が経過した現在も、地域の飼料輸送体制を維持しながら、畜産生産者や飼料メーカー、運送会社が連携し、『飼料流通合理化』に向けた取り組みを進めています。
ここでは、効率化が鍵となる、この『飼料流通合理化』の重要性についてお伝えします。
●畜産業の未来を支える『飼料流通合理化』の重要性
飼料流通合理化とは?
『飼料流通合理化』とは、牛や豚、鶏などの家畜に与える「飼料(えさ)」を、より効率的に届けるために、一連の流通プロセスを見直し、無駄を減らしてコストを抑え、作業の負担を軽くする取り組みのことです。飼料の生産から畜産農家への供給までのプロセス全体を効率化することで、結果的に飼料を安全かつ安定的に供給できるようになります。


農林水産省を通じて全国の関係団体に通知や指導が行われており、地域レベルでも取り組みが進んでいます。具体的な取り組みとしては、例えば、センサーを使ったデジタル化により在庫管理を改善し発注業務を効率化、飼料タンクの高所作業という負担軽減があります。また、関係者の連携強化によって飼料をまとめて運ぶことで輸送の効率化を図り、配送ルートの見直しによる運送の無駄の削減を進めることで、サプライチェーン全体を最適化できます。
なぜ今、必要なのか?
現在、日本の飼料原料の多くは海外からの輸入に依存しています。気候変動や国際情勢、為替の変動などによって飼料価格が大きく揺れ動く中、流通の無駄をなくし、保管・輸送・供給の各段階で効率化を進めることが、飼料価格の安定につながります。さらに、災害時にも迅速かつ柔軟に飼料を届けられる体制を整えることで、畜産農家の経営リスクを減らし、持続可能な畜産業を支えることができます。
環境にもやさしい取り組み
流通の合理化によって、環境負荷の軽減にもつながります。ドライバーの高齢化や人手不足といった課題に対応し、高所作業や特殊車両の必要性など、飼料輸送特有の問題を解決するためにも、地域ごとの課題を共有し、関係者が連携することが重要だと考えます。その結果、輸送距離削減により温室効果ガスの削減が進み、環境負荷の軽減にも繋がります。
『飼料流通合理化』は、「日本の食を守る」ためにも欠かせない取り組みです。効率化によって安定した飼料供給を確保し、飼料コストの上昇を抑えることができ、環境への配慮や働く人の負担軽減も実現できます。
「効率化が鍵」となる、この『飼料流通合理化』の取り組みが、畜産業界全体の未来を支える重要な一歩となります。
●アンケート結果からみる『飼料流通合理化事業』の認知度と進展
2025年2月に当社主催で開催した「畜産業界における2024年問題の振り返り〜飼料流通の取り組み〜」ウェビナーでは、飼料メーカー、飼料配送業者、畜産農家が多数参加しました。


終了後のアンケートでは、農林水産省の事業『飼料輸送効率化事業』を「知っていた」と回答した人が61.9%で、そのうち17.7%が「知っており、今後も飼料流通合理化に前向きに取り組みたい」と答えています。
『飼料流通合理化事業』は、持続可能な飼料輸送の実現に向けて、飼料輸送に携わるトラックドライバーの負担及び環境負荷の軽減を図るため、飼料輸送の効率化・標準化に資する実証や県域を越えた国産粗飼料の広域流通体制構築の実証の取り組みを支援するものです。


この『飼料流通合理化事業』を活用し、さらに飼料流通合理化に向けて進んでいくことを願っています。畜産業界全体が一丸となり、持続可能で効率的な飼料流通システムを構築することで、未来の畜産業を支える基盤が築かれることを期待しています。
●広がりを実感『飼料流通合理化』の取り組み
当社が開発した
も、『飼料流通合理化』の一環として全国的に活用が進んでいます。2022年7月に提供を開始した「Milfee」は、2025年5月末時点で1,442農場に展開されています。これは、『飼料流通合理化』の取り組みが広がっていることを実感できます。
飼料残量をデータで管理!
は、YEデジタルの技術力と畜産農家の声から生まれたソリューションです。「Milfee」端末を飼料タンクの蓋の内側に取り付け、タンク内の残量をリアルタイムで計測し、そのデータをクラウド上で管理します。これにより、畜産農家、飼料メーカー、運送会社がそれぞれパソコンやスマートフォンから、いつでもどこでも残量を確認することが可能です。飼料残量を「見える化」することで、高所での目視確認が不要となり、作業の安全性と効率が大幅に向上します。
また、飼料残量のデータを活用することで、飼料発注業務の支援や飼料流通合理化も実現します。これにより、畜産業界の人手不足や長時間労働、属人化作業、飼料配送効率の低下などの課題が解決し、働き方改革と生産性向上が期待されます。
●さいごに
『飼料流通合理化』は、単なるコスト削減や効率化の話にとどまりません。それは、畜産業界全体の持続可能性を高め、未来の食糧供給を安定させるための重要な取り組みです。当社の
をはじめとする新しい技術やシステムが、この変革を支える一助となることを願っています。

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