NETFLIX独占配信『忍びの家』のロケ地にもなった、日本初の本格的ドライポートを運営する吉田運送の挑戦 24年問題対応、GX・脱炭素への貢献、TTNEコラボサウナ

2025.04.06 09:00
【ドライポート】
■日本初の本格的ドライポート「圏央ドライポート」
皆さんは、「ドライポート」と言う物流施設をご存じでしょうか? 耳にしたことがない方がほとんどだと思います。それもそのはず、物流効率化の拠点として世界的なスタンダードである「ドライポート」はこれまで日本には存在していませんでした。


茨城県坂東市に本社を構える吉田運送株式会社(以下 吉田運送)は、北関東の内陸コンテナ基地「坂東インランドデポ」の機能を向上させ、日本初の本格的ドライポート「圏央ドライポート」へとグレードアップさせます。


敷地内にあるコンテナでできた街「Sustaina Blox」では、NETFLIX独占配信『忍びの家』をはじめとする映画・ドラマやハイブランドのカタログ撮影など、日々様々な撮影が行われる北関東に突如現れたホットスポットを運営する吉田運送の新たな挑戦をご紹介します。

■始まりはコンテナラウンドユース
吉田運送はこれまでも、北関東の二つの拠点にて海上コンテナ輸送の効率化に覿面な効果を発揮する、コンテナラウンドユースに10年以上前から取り組んできました。


「それまでの海上コンテナ輸送は、例えば港にあげた原材料の入ったコンテナを、工場に運んでいき、積み荷を降ろすと空の状態のコンテナを陸送し港に戻していました。輸出の場合も同様で、空のコンテナで工場に出来上がった自動車部品やトラクターなどを取りに行って、それを港まで運んでいました。要するに、行きか帰り、どちらかが空の状態だったんですね。この状態は無駄が多いな、と当時から感じていました」


この解決策として、吉田運送代表の吉田孝美は、当時日本ではまだほとんど知られていなかったコンテナラウンドユースに目を付けました。


「内陸にコンテナを置いておける基地を作って、輸入のコンテナの積み荷を工場に降ろしたら、この基地にプールするんです。そして輸出のニーズが発生したらその空のコンテナを輸出に転用する。すると、空の状態での輸送が大幅に減らすことができます」吉田運送は、コンテナラウンドユースを北関東の茨城県坂東市、栃木県佐野市の二拠点で運用してきました。これは日本で最大規模になります。


「しかし、まだやれることはあると感じていました」

■24年問題への対応。更なる効率化・高機能化の追求の必要性
その思いの背景にあるのは、2024年に施行された総労働量規制によるドライバー・運送力不足、いわゆる24年問題です。ニュースでも度々取りあげられているこの問題、24年だけのものではなく、24年から始まる課題ととらえるのが正確でしょう。


配送料の高騰や、全体的な遅延などで実感する方も多いのではないでしょうか。


国交省が発表した試算によると、2030年には最大で34.1%の輸送能力が不足発生する可能性があると指摘されています。


「運送・輸送と一口に言っても、例えばコンビニなんかの店舗に品物を届ける一般輸送、各家庭に届ける宅配便など、様々なパートがあります。弊社が主に受け持つのは海上コンテナの陸送です。そこにおいてコンテナラウンドユースが効率化に大きな効果を発揮することは確かですが、まだまだ利用が伸びる余地があります。効率的であるということは、当然運送費の高騰を抑制する効果もありますが、それだけでなく、荷物当たりのCO2削減効果もあります。これまでのピストン輸送と、ラウンドユース輸送どちらでも選べる状況であれば、ラウンドユースを選ぶというような選択をする荷主が増えれば全体の効率化はよりあがると同時に脱炭素にもつながります。全体的に輸送力が向上することにより、適時性があがり、工場の倉庫がいっぱいで製造をストップせざる得ないという状況もなくなるはずです」


■全国初、正式な陸の港として登録。複合一貫輸送のハブ機能
これまでもコンテナ集積基地として運営を続けていましたが、ドライポートへのグレードアップのきっかけになったのは、日本ではじめて正式な内陸CYとしての承認がありました。海上輸送で物を運ぶ際に発行する船荷証券(B/L)は行先のCYを記載する必要があるのですが、この承認によって「圏央ドライポート」を指定することができ、走行時間や距離や輸送計画の大幅な合理化が可能になります。


「宛先として圏央ドライポートを指定してもらうことで、さらにコンテナの集積力を高め、輸入と輸出のマッチングを高めることができます。日本の事情にマッチした複合一貫輸送の一大拠点とする。ドライポートへの改組は、その挑戦をわかりやすく伝えるためのものでもあります」


吉田運送が思い描く複合一貫輸送とは、国際コンテナ輸送のみならず、コンテナを用いて一般陸送で運んでいたものも扱うことで、輸送力全体の大幅な強化を狙うものです。仕向け先が国内である工場製品などをコンテナに積み、倉庫代わりにとしつつ、適切なタイミングで輸送するなど、ドライポートの機能を活用すれば輸送能力のポテンシャルを引き出せると吉田運送は考えます。


「関東から東北へと広がる東日本全体のリレーポイントとしてもドライポートを活用できる。また、コンテナを輸送手段として用いることで、今後期待される船舶での輸送を途中挟むモーダルシフトへの展開も容易になります。ドライポートの様々なメリットを広く伝えていくのも弊社の使命だと思っています」
【アンドコンテナ】
■コンテナのプロフェッショナルだから可能となったアンドコンテナ事業
人と物があつまる港には、情報もあつまり、活気にあふれる。単に海上輸送上における港認定だけではなく、港本来のもつ役割までも作りたいと思いました。そこで目をつけたのが、ドライポートに日々集まってくるコンテナでした。


「イギリスのコンテナでできた街、BOX PARKが登場したこともあって、建築資材としてコンテナに注目が集まりつつありました。確かに考えてみれば、何十年にもわたって風雨にさらされ海の上を運ばれていく、そしてそれに耐えるだけの耐久性と頑丈さをもったコンテナは建物の材料として優秀です」


「これまでにない方法で、アイデアを形に」を掛け声に、コンテナ利活用事業「アンドコンテナ」を立ち上げたのは2020年のことでした。事務所や家屋への展開の他、スーパーカーガレージコンテナ、キッチンカーコンテナ、災害時に役立つシャワー・トイレコンテナなど、コンテナの可搬性を生かした機能性コンテナをリリースしました。


「コンテナは頑丈なうえに運びやすいという特徴があるんですが、独特な風合いを気に入ってくださる方が多いみたいなんです。それで、その特徴も活かした製品も作りたいなと思いました」


■TTNEとのコラボによる「SAUNA BLOCK」
武骨でクールな風合い。ダメージもまた味になるコンテナという建材の魅力。それを活用した製品として吉田が目を付けたのは、ブームになっているサウナでした。


サウナカルチャーの牽引役となっているTTNE、その代表を務める“ととのえ親方”こと、松尾大さんと協議を重ね、コンテナという建材の魅力を最大限活用したプレミアサウナコンテナ「SAUNA BLOCK」を開発しました。


「業界No.1の吉田運送さんとコラボレーションだからこそ、国内はもちろんのこと、コンテナという運送可能なパッケージの利点を生かし世界中に発信していける可能性があると期待しています」


松尾さんがそう語るように、コンテナであれば国内への搬送はもとより、海外への輸出も容易かもしれません。

■コンテナでできた街「Sustaina Blox」
アンドコンテナの多様なラインナップ、その実物に触れて体験できる、コンテナでできた街「Sustaina Blox」が圏央ドライポートの敷地内で運営されています。


「コンテナがそもそも持っているリターナブルという特性、それが現代社会でどんどんと重要性が増しているサスティナビリティにとても有効だろうなと思ったところから、この名前を思いつきました。コンテナは共通規格で仕様も決まっていますから、カスタマイズもしやすいし、別の機能を持つコンテナに代えることも容易です。一つ一つのコンテナをブロック(BLOCK)に見立て、それらが集まって、時代やニーズとともに変化しながらいつまでも発展し続ける街、そんな意味合いで名付けました」


Sustaina Bloxは災害時に役立つトイレコンテナも配置されている。近隣で災害が起こった場合、すぐに現地に持っていける体制も整えています。


「本社のある坂東市と『災害時におけるコンテナ型トイレ等の提供に関する協定』を取り結んでいます。物流効率化の拠点であるドライポートは防災拠点としても機能します。両面の意味合いで全国的にもっとドライポートを普及させたいと思っています」

■NETFLIX独占配信『忍びの家』などへのロケ地提供。そして続く挑戦。
内陸の港、コンテナでできた街という独特なロケーションは、思わぬニーズがありました。映画・ドラマをはじめ、ハイブランドのカタログ撮影など、様々な撮影ニーズです。「最初お問合せいただいた時は驚きました。話を聞いてみると、これだけコンテナが集まっていて、バスケットコートやら、アメリカの西海岸風のヤシの木やらが揃っているところは珍しいみたいです。映画・ドラマもそうなんですが、PV撮影も多いですね。今では撮影が行われているのが、すっかり日常風景です」
ロケ地への提供のほか、毎週火曜日と金曜日にはキッチンカーが集まるキッチンカー・チューズデー、フライデーを実施しています。
「人と物がいきかって、にぎわいと活気が生まれる。思い描いていたものが徐々に形になっていくのが素朴にうれしいですね」


吉田は、まだまだこの先を見据えています。


「GX(グリーントランスフォーメンション)ということが最近言われ出していますが、実は以前から、コンテナラウンドユースはJクレジットで脱炭素の手法としても認められています。輸送方式をコンテナラウンドユースにすることで、GXに寄与できることが数値で証明できるわけです。これから、脱炭素、GXは喫緊の課題としてどの企業も無関係ではなくなってきます。今回のドライポートへの改組で担いたい役割としては、物流の効率化ももちろんなんですが、GXの物流分野の一大拠点になりたいというものもあります。新たな脱炭素輸送の方法論の開発や、今ある者の更なる改良、そしてそれらの取り組みを楽しく発信していく。コンテナを扱ってきたプロフェッショナルだからこそできるサスティナビリティへの貢献はむしろこれからが本番だと思っています」


吉田運送の、吉田社長の挑戦はまだまだ終わらない。






■吉田運送 株式会社
 MAIL:info@yoshiun.com
 〒306-0651 茨城県坂東市半谷224-15
 TEL : 0297-34-2221 
 FAX : 0297-34-2491

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