2025年、石破茂首相が掲げる「地方創生2.0」が本格始動し、地域経済の活性化が日本経済の未来を左右する重要な課題として注目されています。2024年度補正予算では、地域経済成長や生活環境の維持、被災地支援を目的に約5兆7000億円が投入される予定であり、地方創生への期待が高まる中、地域発のイノベーションが社会全体の注目を集めています。
グロービスは、VC型インパクト投資ファンド「KIBOW」を通じたスタートアップ支援、地方への社会人教育支援、さらにはスポーツ・エンタメを活用した地方創生プロジェクトを推進し、次世代を担う人材や地域の未来を育む挑戦を続けています。
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日本初のVC型インパクト投資ファンドKIBOWの挑戦
グロービスグループの
は、ベンチャー投資型社会的インパクト投資の先駆けとして道を切り拓いてきました。KIBOWの活動の原点は、2011年3月14日、東日本大震災の直後に遡ります。当時、グロービス東京校に約100名の経営者やビジネスリーダーが集まり、被災地支援のための義援金を募ったことがきっかけとなりました。このプロジェクトは2015年に財団法人化され、日本初のベンチャーキャピタル型インパクト投資ファンド*1「KIBOW 社会投資ファンド」を設立しました。
KIBOWはこれまでに累計21社のスタートアップに投資を行い、2025年現在では3号ファンド(規模10億円)を運営しています。投資先には地方への貢献をミッションに掲げる企業も多数あり、地域の課題解決型ビジネスへの投資を通じて、持続可能な地域経済の発展を支援しています。
経済的リターンと社会的・環境的インパクトの両立を目指すインパクト投資は、近年日本でも着実に普及し、市場は急速に拡大しています。
日本のインパクト投資残高は11兆5,414億円に達し、前年から197%*2の成長を遂げました。新規参入企業も増加し、取組組織数は1.3倍、既存取組組織の投資残高も1.7倍に拡大しています。
今後もKIBOWは、日本国内外でのインパクト投資の推進を通じて、地方創生と持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速していきます。
KIBOWの取り組みや投資先など詳細は、ぜひ
をご覧ください。
*1 2025年2月 自社調べ 日本国内における「日本初のVC型インパクト投資ファンド」として
*2 GSG国内諮問委員会 日本におけるインパクト投資の現状と課題 -2023年度調査-(2024年4月26日発行)
KIBOW社会投資ファンドの実績(2024年9月時点)
震災から生まれた志、グロービス卒業生が宮城で実現した地方創生
日本最大のビジネススクールである
も、地方創生に貢献しています。2011年入学の小尾氏は、宮城県塩竃市と石巻市を拠点に障がい者就労支援事業や医療・介護福祉事業を展開するソーシャルベンチャーである愛さんさん宅食株式会社を立ち上げました。
小尾氏は「東日本大震災の被災地に貢献したい」との思いから宮城県へ移住し、グロービス経営大学院仙台校の「東北ソーシャルベンチャープログラム」で事業プランを構築。2013年に創業した愛さんさん宅食を、KIBOWの支援を受けつつ売上約8億円規模に成長させ、100名以上の障がい者の就労を創出しました。さらに、
を達成しました。
「愛さんさん」の成功は、社会課題を解決するビジネスの可能性を示すものであり、「経営に関するヒト・カネ・チエの生態系を創り、社会の創造と変革を行う」というグロービスのビジョンを体現しています。
愛さんさん インパクト KPI
グロービス経営大学院での学びは、小尾氏のように地方への想いを持っていた人を支えるだけではありません。グロービスでの経験が多くの卒業生の心に火をつけていることが、昨年実施したアンケートでわかりました。
アンケート回答者の約95%が、グロービスMBAを通じて、社会への貢献意欲が高まったと答えています。さらに、入学時と現在を比べて人生の選択肢が増えたかという質問に対し、約97%が「そう思う」と答えています。
震災から挑戦へ!社会課題に向き合うグロービス経営大学院 卒業生の例:子どもたちが自分らしく生きられる世界を作りたい/卒業生の挑戦」
2. そのイチゴはアグリテックとどんな夢を見るのか ~GRA、ゼロからの挑戦~
スポーツとエンタメ、メディアが切り拓く地方創生!
グロービスグループには、プロバスケットボールチーム「
」などがあり、水戸・茨城の地方創生を牽引しています。
日本の男子プロバスケットボールの「Bリーグ」が、2024年10月に「まちづくり委員会」を立ち上げました。グロービスグループであるBリーグ B1(1部)に所属するプロバスケットボールチーム「茨城ロボッツ」が選考委員として参加し、同B1所属の秋田、川崎、三河、琉球が先進クラブとして選ばれ、自治体は長野市や佐賀県が参加。オブザーバーとして国土交通省と経済産業省、スポーツ庁が名を連ねています。
特に茨城は、グロービスが取り組む地方創生「
(座長:堀義人)」をはじめ企業と行政が強力に連携してまちづくりを進めている先行事例、地域経済圏の組成、経営大学院の開講とリーダー人材の育成という観点が注目を集めています。
「水戸ど真ん中再生プロジェクト」は、地方創生の魁モデルを官民連携で実現していくプラットフォームとして、2016年2月に発足しました。人材や資金、知恵を結集し、さまざまなイニシアティブを推進。その中には、茨城ロボッツの支援、グロービス経営大学院水戸特設キャンパスの創設、M-SPO、M-WORK、M-GARDENの設置、LuckyFM茨城放送のリニューアルなどが含まれます。これらの取り組みは、地域活性化のモデルケースとして高く評価されています。×
さらに
では、2022年1月、ROCK IN JAPAN FESTIVAL が千葉に移転することが発表された2時間後に音楽フェス「
左:LuckyFes総合プロデューサー 堀義人、右:会場の様子(2024年7月)
「茨城のフェス文化の灯を消すな!」を合言葉にゼロからフェスを立ち上げ、初開催としては異例の規模で成功裏に終幕。茨城の方々をはじめ支援の輪も広がり、LuckyFesは、コロナ禍で沈む地域経済、観光・旅行業界に新たな可能性や価値を創造し、地域活性化にも貢献しました。
【参考】LuckyFes立ち上げストーリー
3年目となるLuckyFes’24は、アジア5カ国から10アーティストを招聘し、6万人ものフレンズ(観客)が来場して熱狂のうちに閉幕しました。
そして、2025年に開催されるLuckyFes’25は、開設25周年を迎える日本最大級の音楽情報メディア「
」と共催します。また、LuckyFes‘25は、「夏休み、アジア最大のテーマパーク型フェスへ」をテーマに掲げ、8月9、10、11日の3連休に変更して開催します。
◆LuckyFes’25チケット購入ページ
MBAの民主化を推進、地方にも良質な学びを提供
グロービスは、より多くの人が良質な学びを得られることを目指し、“ビジネス教育の民主化”に取り組んでいます。例えば、定額制動画学習サービス「
」では、MBA科目を中心としたビジネス知識を、より手軽に学ぶことを可能にしています。
「GLOBIS 学び放題」や「ナノ単科」の誕生に携わった
は、2013年に登壇したあるセッションがきっかけで、地方におけるビジネス教育機会の重要さに気づいたと話します。
「広島県庁主催の研修で『事業開発』をテーマに、若手経営者候補約20名を対象にセッションを担当。その際、家業の農業を継ぐ若者が印象的な言葉を残しました。
『セッションに参加するまでは、農家を継ぐことに不安ばかり感じていましたが、農業でも経営を学べば希望が持てるとわかりました』
私は彼の言葉で、『地方でも良質なビジネス教育があれば成長の糧にする人材がいる』と確信しました。そして、『距離やコストの壁で学びの機会を得られず、将来に不安を抱える経営者候補が他にも多くいるのではないか』と気づくきかっけとなりました」
現在「ナノ単科」では、受講生の64%が東京以外、過半数近くが首都圏(東京・埼玉・神奈川・千葉)以外に居住しています。また、「GLOBIS 学び放題」は、47都道府県すべてからアクセスしていただくなど、これまで物理的な制約や経済的な負担のためにビジネス教育を受ける機会が限られていた方々にも、学びの機会を提供しています。
広島県大竹市在住の「GLOBIS 学び放題」利用者は、「学びで人生が豊かになった」と話します。
「私が住む広島県大竹市は、穏やかな瀬戸内海と緑豊かな山々に囲まれた、自然と工業が調和する小さな街です。理学療法士から医療・介護分野の営業職に転身した際、ビジネス知識の不足に直面しました。しかし、このような悩みを共有できる人は、周囲には当時あまりいませんでした。ビジネススクールへの通学も考えましたが、地方在住ということもあり選択肢も少なく、時間やコストの面でも、現実的ではありませんでした。
そんな中出会ったのが、『GLOBIS 学び放題』です。すきま時間を活用して経営やマーケティングを学び、多様な仲間と出会うことで、視野が広がりキャリアアップを実現しました。地方では学びや出会いの場が限られがちですが、地方にいながらも学びの力で成長を実感しています。学びは仕事だけでなく、人生全体を豊かにする力を持っています」
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グロービスは創業以来、「経営に関するヒト・カネ・チエの生態系を創り、社会の創造と変革を行う」というのもと、ビジネスを通じた社会貢献に取り組んできました。
「ヒト」 経営大学院の創設と企業内リーダーの育成
「カネ」 スタートアップ企業への投資
「チエ」 経営ノウハウの出版・発信
30周年を機に経営理念の根幹である「ビジネスを通した社会貢献」をさらに加速するべく、30周年を機に、自身 グロービスを「社会貢献本業カンパニー」と改めて位置付けました。
現在ではその活動をグローバルに展開し、アジアをはじめ世界で活躍するリーダーの育成を加速させています。中国・シンガポール・タイ・米国・ベルギー、そして2023年にはフィリピンにもオフィスを開設しました。
これからも「社会貢献本業カンパニー」として、日本そして世界へ価値を届け、未来を切り拓いていきます。
◆グロービス 会社概要 (
)
グロービス(東京都千代田区、代表取締役:堀義人)は1992年の設立来、「経営に関するヒト・カネ・チエの生態系を創り、社会の創造と変革を行う」ことをビジョンに掲げ、各種事業展開を進めてきました。「ヒト」の面では、学校法人としての「グロービス経営大学院」ならびに、株式会社立のスクール「グロービス・エグゼクティブ・スクール」「グロービス・マネジメント・スクール」、企業内研修事業を行うグロービス・コーポレート・エデュケーションとeラーニングやオンラインクラスのほか定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」などを提供するグロービス・デジタル・プラットフォーム、「カネ」の面では、ベンチャー企業への投資・育成を行うベンチャー・キャピタル「グロービス・キャピタル・パートナーズ」、「チエ」の面では、出版事業ならびにオウンドメディア「GLOBIS 学び放題×知見録」により、これを推進しています。さらに社会に対する創造と変革を促進するため、一般社団法人G1によるカンファレンス運営、一般財団法人KIBOW による震災復興支援および社会的インパクト投資を展開しています。
グロービスは、社会・組織・個人の可能性を拓き、ビジネスを通した社会貢献に取り組む「社会貢献本業カンパニー」です。事業を通じた社会貢献に加えて、水戸・茨城の地方創生、日本・世界を良くする活動に尽力しています。