~ManpowerGroup STORY Vol.5~
「働く世界に力を与える:We power the world of work」
ITサービス部門 女性管理職編
“ManpowerGroup STORY“の第五弾では、イノベーション推進課課長 薄井 円さんにお話を伺いました。このストーリーでは、薄井さんが経験してきた出産・子育てというライフステージごとの働き方、そしてマンパワーグループで管理職として活躍する現在に至るまでのキャリアストーリーをご紹介いたします。
家庭を持ちながら、当時残業が当たり前だったSE職として入社。上司の方針により若くして上流工程を経験
私は、就職するよりも先に結婚をしました。新卒でSIer※の会社に入社したのですが、当時SEは残業が当たり前の職種で子育てをしながら活躍している女性は多くありませんでした。そのため、すでに結婚をしている自分自身が果たして企業に受け入れられるのか、そしてどのように評価されるのか、ということを気にしながら、とにかく目の前の仕事に打ち込む日々でした。
当時の上司は若いうちから上流工程の経験を積むべきだという考えがあり、実際に上司に同行し、客先の課題ヒアリングやプログラム設計などを経験しました。一般的なSEのキャリアパスとしては、まず下流工程でプログラミングスキルを身に付けるというのが多い中、早くに上流工程を経験できたことは、今となっては大変貴重だったと思っています。しかし当時の私は、「自分自身のプログラミングスキルがないと顧客とのやり取りに自信が持てない」という気持ちや、「プログラミングスキルが長期的なキャリアにつながる」と考えていたこともあり、会社から求められていることと、自分自身が必要だと思う業務とのギャップに葛藤をしていたこともありました。
※SIer:顧客が情報システムを導入する際に、業務内容や目的に応じてシステムを基本設計し、ハードウエアとソフトウエアの選定、プログラム開発、システム構築、運用、保守までを一貫して請け負う企業のこと。
仕事にやりがいを見出すも家庭とのバランスが崩れてしまい退職。転職後の外資系IT企業で見えた新しいキャリアの道筋
このように葛藤を感じた日々もありましたが、一方で当時の私は、仕事をすればするほど新しい知識を得られ、できることが増えていく毎日に、大きなやりがいと楽しさを感じていました。特にチームメンバー全員で試行錯誤しながら一つのものを作り上げていく過程には、とてもワクワクしましたね。ところが無我夢中になって仕事に打ち込むあまり、早朝から深夜に及ぶ対応が求められる日々が続き、家庭とのバランスが崩れてしまいました。家族で話し合いの末退職をしたのですが、ふと周りをみると、同世代の友人たちは変わらず活躍している人ばかり。自分も負けてはいられないと新たな仕事を探し始めました。転職活動をするにあたって、これまでの経験を少しでも活かせるのはどのような仕事なのか…と考えていた矢先、私の兄の転勤をきっかけに、奥様が家庭との両立を図るため派遣社員という働き方を選んだことを思い出しました。派遣という雇用形態であれば私もワークライフバランスを実現しながら働くことができるかもしれないと思い、マンパワーグループに登録、外資系IT企業で新たなキャリアをスタートさせました。
業務上、様々な部門の方と関わる機会が多かったのですが、一緒に仕事をする社員は皆、自分の意見をはっきりと主張し、自らキャリアを切り開いていくパッションのある方々ばかりでした。社内は男女平等で実力主義な環境であることに大きな衝撃をうけました。中でも、家庭と両立をしながら活躍している社員が身近にいることを知ったときは、“女性が結婚後も長期的にキャリアを築いていくのは難しい”という固定観念が覆され、私の描きたいキャリアの道筋が見えたような気がしました。
家庭に入って感じた閉塞感と孤独感。仕事との両立を決意しマンパワーグループへ入社
約3年間、派遣社員として就業した後、出産・育児を経験しました。当時はそのまま家庭に専念することも視野に入れていたのですが、いざ育休を取って家事と子育てをする日々を過ごしていると、人との関わりが限られることによって、自分が生きている世界が狭くなっていくような孤独感を感じるようになりました。それがきっかけとなり、もう一度社会に出て働きたいという気持ちに変わっていったのだと思います。ある程度自分自身の働ける環境が整ったタイミングで就職活動を始め、2011年に再び派遣社員としてマンパワーグループで就業することになりました。その後契約社員、正社員と雇用形態を変え、現在はRPAやAI-OCRといった自動化のツールや、社内管理部門の業務自動化を担当する部門の課長として、マネジメントを行っています。
人材育成も子育ても、大切なのは「相手を知るためのコミュニケーション」
キャリアのターニングポイントとなったのは、管理職になったタイミングです。着任当初は、メンバーの業務進捗に差が出てしまうことが多々ありました。そのような時、改めてメンバー一人ひとりには性格や考え方に違いがあることを実感すると同時に、どのようにコミュニケーションをとれば成長をサポートできるのかと考えているときの私は、子育てをしているときの自分と重なる部分があるということに気が付きました。
人材育成と子育てで共通して大切にしていることは、相手を知るためのコミュニケーションです。たとえ自分の子どもであっても、自分とは違う性格や個性を持っているので、相手が思っていることや考え方を理解する必要があります。社内ではメンバーとの定期的な1on1を行い、相互理解ができる環境作りを心掛けています。当たり前のように聞こえることですが、人材育成や子育てでは、相手を知り、その人に合ったサポートをすることが大切だと思っています。家族での何気ない会話や、社内での1on1を通して相手の新たな一面を知ることができたときは嬉しい気持ちになりますね。
2023年より、メンバーのプレゼン力と傾聴力をトレーニングすることを目的に、
チーム内で週に1度業務で役立つ情報をプレゼンする取り組みを実施している。
自分が経験してきたように、メンバーにも自身が主体となって仕事を動かしていける人になってほしい
最初は自分なりに試行錯誤が続いた管理職の経験ですが、今ではメンバーの時には経験できなかった、会社経営に近いポジションで業務をすることができ、なによりメンバーの成長をサポートできることにやりがいを感じています。様々な経験を経て見えてきた私のミッションは、メンバーに部門・会社に対しての帰属意識を持ってもらうこと、そして小さなことでもよいのでリーダーとしてチームへ貢献してもらうことです。こういったことは、私自身の経験が軸となっていますが、指示を待つ人となるのではなく、自分が主体となって業務を進める気持ちを持ち、自分自身で仕事を動かしていけるビジネスパーソンになってほしいと考えているからです。そしてメンバーの成長をサポートするにはマネージャーである私自身の働く姿や導き方も重要な要素なので、私も日頃の情報収集や技術習得を通してスキルアップしていきたいです。
私はこれまで、ライフステージに合わせた働き方を選択することができました。私が新卒のころと比較すると、現在は働き方が多様化し、男女間の選択肢の差も小さくなってきているように感じます。
個人が仕事や働き方を自由に選ぶことができる現代だからこそ、いま一緒に働いているメンバーのことを大切にし、共に成長していきたいです。