~次世代電池技術への挑戦~ クオルテックが歩む全固体電池の測定革新

2024.12.05 09:00
近年、持続可能なエネルギーへの関心が高まる中、電池技術の革新が注目されています。特に、全固体電池はリチウムイオン電池を超える次世代電池として期待されています。
この全固体電池分野で先駆的な測定技術を追求しているのが、株式会社クオルテックの研究者、中島 稔です。本ストーリーでは、中島が取り組む評価・測定技術の背景、滋賀県工業技術総合センターとの共同研究やNEDO助成金事業との関わり、そして今後の展望について紹介します。
共同研究者の滋賀県工業技術総合センター 山本 典央 氏(右)
株式会社クオルテック 中島 稔(左)
山本氏との共同開発によるインピーダンス測定システム(中央)






~ 全固体電池とは、従来の電解液を固体である電解質に置き換えた電池のことです。 従来の液体の電解液を使った電池に比べて安全性が高く、急速充電ができ、寿命が長いことがメリットです。 電気自動車をはじめ、パソコンや飛行機、船など幅広い分野への普及が期待されています。 ~






【プロフィール】
中島 稔(研究開発部 滋賀研究チーム)
2009年クオルテック中途入社。研究開発部・滋賀研究チームに所属。
前職ではTEM(透過電子顕微鏡)・XRD(X線回折)などの評価方法を用いて材料の複合的評価に取り組む。加えて、製造部門では光ファイバ製造、光学レンズの製造にも携わる。クオルテック入社後の2010年より二次電池関連の研究開発に携わる。
趣味は、登山・スキー・野球観戦など。
全固体電池のインピーダンス測定は非破壊分析が大きなメリットに。従来より測定精度の大幅向上に成功。
中島は大学での金属材料研究からキャリアをスタートし、その後、リチウム電池の研究に携わりました。クオルテックに入社後、次世代電池として期待される全固体電池に関心を抱き、交流インピーダンス測定技術の研究に乗り出します。この測定技術は、電池の内部抵抗や劣化状態を評価するために重要な手法で、特に電解質が固体である全固体電池では信頼性の高い測定が求められます。


通常、電池の劣化分析は破壊的な手法を必要としますが、インピーダンス測定は非破壊で内部の劣化状態を分析できる点が大きなメリットです。さらに、高周波数の測定が要求される中、中島は滋賀県工業技術総合センターと共同で、
。これにより、従来の測定精度を大幅に向上させることに成功しています。
滋賀県工業技術総合センターとの共同開発による
※関連記事
滋賀県工業技術総合センターとの共同研究が成果に結びつく。
中島が次世代の電池測定技術を開発するにあたり、重要な役割を果たしたのが滋賀県工業技術総合センターとの共同研究でした。センターとの協力により、測定技術の実用化に向けた試行錯誤が可能となり、高精度のインピーダンス測定技術が育まれました。共同研究のきっかけについて中島は、「良いパートナーに巡り会えたことが大きい」と述べ、技術的なサポートと交流が成果に結びついたことを語っています。
滋賀県工業技術総合センター
NEDO助成金事業への挑戦で得られた成果から更なる開発に取り組む。
また、中島の取り組みはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の中小企業向けの「新エネルギーベンチャー技術革新事業」(委託および助成事業)にも採択され、資金支援のもとで研究を進めてきました。


この委託および助成金事業は中小企業向けのエネルギー関連技術の開発を支援するものであり、中島はその資金を活用して得られた成果を基にさらなる測定技術の開発に取り組んでいます。
測定冶具への試料装着時の様子
電池の大型化、複雑化が進む中での今後の展望と若手技術者への期待。
中島は、コインセルと呼ばれるボタン電池サイズを中心とした測定から、今後はより大型の電池に対する測定技術の応用を目指しています。電池の大型化や複雑化が進む中で、正確なインピーダンス測定技術は、電池の品質評価や劣化分析において不可欠な要素となります。


また、中島は若手技術者に対し「技術革新のチャンスは身近に転がっている」と語り、若い研究者が新しい挑戦に果敢に取り組むことへの期待を表しています。「困難な課題に直面し、自ら解決策を考え出す経験が成長に繋がる」と、中島は自身の経験を通じて語ります。






<編集後記>
全固体電池の測定技術で先進的な取り組みを続けるクオルテックと中島の挑戦は、次世代電池の普及に欠かせないものであり、日本の電池技術の発展に大きく貢献しています。滋賀県工業技術総合センターやNEDOとの連携を通じて生まれる新しい技術は、未来の持続可能なエネルギー社会にとって大きな礎となることを期待しています。






<会社概要>
■株式会社クオルテック
代表取締役社長:山口友宏
本社所在地:大阪府堺市堺区三宝町4丁230番地
HP:
事業内容:
・半導体、電子部品の不良解析・信頼性試験の受託および新技術の開発
・品質管理を中心とした工場経営、実装技術に関するコンサルタント
・レーザ加工・表面処理(めっき)技術を中心とした微細加工
・試験装置の設計・開発・製造・販売


【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】 
株式会社クオルテック 広報IR課 
電話:072-226-7185 
メールアドレス:communications_hq@qualtec.co.jp 
HP:

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