新車のトラックが不足……それなら再生! いま中古トラックの「リノベ」事業が注目されていた

2024.09.28 20:00
この記事をまとめると
■最近はトラックの新車が不足している
■トラックの再生事業に注目が集まっている
■リトラスやタカネットサービスの事業について解説
中古車とは思えないほどキレイな仕上がり
  半導体不足、ハーネス不足も一段落して、乗用車は国内向けの生産が増やされたこともあって、新車の納期がだいぶ短くなってきた。特定の人気車種はまだ半年以上、1〜2年待ちといった状態ではあるものの、数カ月という納期のクルマも珍しくなくなった。
  ところがトラックはといえば、日野自動車の不正問題による生産停止の影響を受けて、いまだに新車がぜんぜん足りない状況。2024年問題に対応しきれず廃業するトラック事業者もいるが、それでも新車は相変わらず足りていないようだ。
  そこで人気急上昇なのがトラックの再生事業。まだ十分に使える中古トラックを再整備して、商品としての価値を高めるのだ。不動産でいえばマンションのリノベーションみたいなものだろうか。
  そんなリノベトラックの雄がリトラスという会社。中古トラックを仕上げ直して販売する、というビジネスモデルを立ち上げたパイオニアだ。
  単に整備をして販売するだけでなく、ボディが傷んだトラックはパネルバンや平ボディからウイングボディや重機運搬用のローダーなどに作り替え、新たな需要に対応させるなどの工夫もしている。
  そんなリトラスが実績を上げているのに対して、新しいビジネスを打ち出したばかりの業者もあった。タカネットサービスは、もともと中古トラックの販売を手がけるため自社に整備工場を完備している。そんな同社が始めたのが「リフレッシュトラック」というサービスだ。
  これは多走行の2t、4tトラック冷蔵冷凍車を対象に、まずタカネットサービスに査定してもらい一旦売却する。そのうえで、パワートレインだけでなく内外装もリフレッシュして、リース形式で再び利用してもらうというもの。
  エンジンや駆動系をリビルドして、足まわりもオーバーホールし、見た目も中古車とは思えないほどキレイに仕上げ直す。機能的にも見た目も5年は使えるようにするというのが、このリフレッシュトラックの特徴なのである。
  ジャパントラックショー2024では、そんなリフレッシュトラックのデモカーが展示されていた。その仕上がりぶりは見事なもので、パワーゲートも一見、新品に見えるほど美しく塗装で仕上げ直されていた。エンジンはオーバーホールし、インジェクターやタービンなども交換されているとのこと。
  リビルド品を有効に使っているのもこのプランの特徴で、ターボチャージャーやEGRクーラー、セルモーターやオルタネータ、DPF、エアコンのコンプレッサー、ブレーキのマスターバックなどはリビルド品に交換されており、多走行でも安心して利用できそうだ。
  しかも聞けば、納期は2〜3カ月というのだから驚く。もっとも、このビジネスの需要が高まったら、さすがに納期は伸びるかもしれないが。とはいえ、リフレッシュ作業中は代車を利用することもできるので安心だ。
  従来は多走行だから新車に入れ替えが当たり前だったものが「新車が手に入らない」、「燃料代や人件費など他のコストで新車を購入するのは難しい」という課題をかかえるトラック事業者向けに開発された新たな商品。賢いトラック事業者が利用することになりそうだ。

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