この記事をまとめると
■クルマの整備をしてくれるところはディーラー以外にも販売店や街の整備工場などがある
■価格やサービス内容や利便性などがそれぞれで異なっている
■ディーラー・販売店・街の整備工場それぞれのメリットとデメリットを紹介
ディーラーなら安定した整備を受けられる
みなさんは、愛車の整備や修理はどうしているでしょうか? 「おれはクルマいじりが好きだし、整備のスキルもあるからほぼすべて自分でやってるぜ!」という人もなかにはいますが、そのレベルの割合はごく少数でしょう。ほとんどの人がディーラーや整備工場にお願いしているのではないでしょうか。
新車から購入している場合は、ほとんどの人が新車時の整備点検の流れでそのままディーラーに任せているパターンが多いように感じます。
一方で、中古で購入した場合はどうでしょう? 「やっぱりディーラーがいちばん安心だから」とディーラーに出す人もいれば、「ディーラーだとサービス料も入っている気がして、できるだけ安く済ませたいから近所の整備工場に」というパターンもあるでしょうし、あるいは「オイルとか買いに行ったついでに勧められたので、カー用品店に任せちゃった」という人もいるでしょう。
みなさん、それぞれ価格やサービス、利便性などを考えて整備や修理に出していると思いますが、同じところしか知らない場合は、もしかしたら違うところに出したほうがニーズにマッチしていた、なんていう可能性もあります。
ここでは、クルマの整備を請け負っている主なところをピックアップして、カンタンにそのメリットとデメリットを紹介してみたいと思います。店舗選びの参考にしてください。
◎ メリット
ディーラーは自動車メーカー直轄の店舗です。そのため、整備や修理のマニュアルが必ずあり、それに沿った確かな方法で整備や修理を行ってくれます。万が一、完了後の落ち度によるトラブルがあった場合も、しっかりフォローが入るでしょう。その安心感が最大のメリットです。
整備や修理の作業面での確実性以外にも、顧客の記録を確実に行っているので、継続して利用する場合は、次回の整備のタイミングや部品の消耗具合、車検のお知らせなど、一貫したアフターサービスが期待できるので、自身でそういったことを考えなくてはならないという煩わしさから解放されます。
「すべてお任せで楽ちん♪」というのがディーラーに任せる魅力です。
✕ デメリット
デメリットはコストでしょうか。安心と楽ちんの費用として、工賃と部品代に、サービス料的なものが含まれた(かのような)価格設定だと感じている人も少なくありません。実際にディーラーの価格設定には、サービス品質維持のためのコストが含まれているでしょう。
そして、その価格が相場の基準としてみられているところがあり、たとえばディーラーよりコストを抑えられる小規模な整備工場などは「ディーラーより少し低めに……」という感じで価格設定を行っているところもあります。
また、オイル交換や部品交換、修理のときにオイルや部品のもち込みを受け付けてもらえないことも少なくないようです。
多少高く感じても、安心と利便性を優先するという場合はディーラーが合っているでしょう。
■一般の販売店/カー用品店
ここでいう一般の販売店というのは、中古車の販売を主体として新車の販売を行っている店舗を指します。カー用品店も近い価格設定の傾向があるので、ここでは併記します。
◎ メリット
いちばんのメリットは、整備や修理のコストが低く抑えられるという点でしょう。
一般の販売店の多くは、販売する車両の整備や修理を、自社または協力工場で行っています。そのため、自社でサービスの価格を決められるので、利益と価格の兼ね合いを考えて、一般のお客さんに対する訴求力を高めるためにディーラーよりも安い価格設定をする傾向があります。
たとえば手軽なオイル交換で数百〜数千円程度、込み入った作業だと数万円の差が出るケースもあります。
店舗の方針によっては、もち込みのオイルやパーツでも作業を行ってもらえる可能性があります。自分の好みの状態に仕立てたい場合などは重宝するでしょう。
✕ デメリット
整備や修理のクオリティや信頼性がディーラーと比較して低い可能性があることを頭に入れておいたほうがいいでしょう。とはいっても整備や修理のクオリティや信頼性というのは、各店舗や会社で基準がそれぞれ独自に設定しており、整備士の腕前や経験によっても左右されるのでひと括りにはできません。
かなりレベルの高い整備や修理がリーズナブルに受けられる可能性もある反面、「これで同じ金額取るの?」というケースにあたる場合もあります。なのでハズレを引く可能性があることの覚悟が必要です。
また、飛び込みで依頼をする場合、過去の整備記録や車両の状態を考慮してもらえるかどうかも店舗次第というところがあります。
整備記録をもち込まない場合は真っさらな状況で車両の状態を診断しなくてはならないので、部品の交換時期などのアドバイスは期待できないと考えたほうがいいでしょう。
■街の整備工場
近いから、あるいは昔からお世話になっているからということで、街の整備工場に整備や修理を依頼している人もいるでしょう。
◎ メリット
距離が近い場合、その近さがいちばんのメリットです。何かトラブルがあったときにすぐ相談に行けるという点は、クルマの扱いに慣れていない人にとってはありがたいでしょう。車両を預けたり引き取りに行く場合も近くにあるありがたさを感じられるでしょう。
昔から、あるいは親の代からお世話になっているという場合は、いろいろと近所付き合いの感じで融通を利かせてもらえることもあると思います。継続してお願いしていることで、「ウインカーが球切れしてたから交換しておいたよ」と、サービスにも期待できるでしょう。
また、車両の状態を把握してもらっているという点も安心できるポイントです。車検に預けたときに、「そろそろエアコンのフィルター交換したほうがいいよ」といった感じでアドバイスも受けられるでしょう。
そして、ディーラーに比べて費用が安く抑えられるというのも街の整備工場のいい点です。人件費や設備費などの運営コストが少ないので、そのぶん工賃やサービスに反映されているケースがほとんどです。
✕ デメリット
馴染みになっている場合、デメリットはあまり挙げられませんが、初めて飛び込みで依頼する場合は、上の一般の販売店/カー用品店と同様に、クオリティや信頼性がディーラーと比較して低い可能性があるという点は頭に入れておきましょう。
また、街の整備工場の整備士は、熟年のベテランが在籍していることが多い傾向があって、そういう人は独自の方法論を確立していることがあるので、こちらのリクエストを飲んでもらえないことがあります。よかれと思ってのことだと思いますが、望まない状態になってしまうことがあるかもしれません。