そういや大型ダンプの荷台って文字や数字が書いてあるな……よく目にする「ゼッケン」の意味

2024.08.12 20:00
この記事をまとめると
■幹線道路でよく目にする大型ダンプ
■荷台にはゼッケンを装着している
■ゼッケンに書かれる内容について解説
ゼッケンが必要なのは土砂を運搬する大型車両
  日常生活のなかで、残土などを運んで活躍しているダンプカーを見る機会は意外と多い。市街地では2トンや4トンのダンプが多いが、国道などの幹線道路へと出向けば、大型ダンプが数え切れないほど走っている。そんな大型ダンプは、一体どのようなものを運んでいるのだろうか。その内情について述べてみたい。
  大型ダンプの荷台に、ナンバープレートとは異なる数字が記されているのを見たことあるだろう。それは「ダンプ表示番号」、通称ゼッケンと呼ばれるもので、国土交通省の「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法」(通称:ダンプ規制法)によって、指定の大型車両への設置が義務付けられている。平ボディやウイング車などの大型トラックには積荷に対する細かな規制などは存在しないが、大型ダンプの場合、残土や土砂などは規定の車両しか運ぶことができないのである。
  そんなゼッケンには、まず車両の登録地域名が記される。ただゼッケンの地名は2文字と定められているため、大阪のなにわ管轄であれば「なに」と表示される。そんな地名の後には、丸で囲まれた漢字一文字が記される。これはダンプカーを使用する目的、つまり事業の種類を意味している。
  よく見かけるのは運送事業を意味する「営」で、砂利販売業は「販」、建設業は「建」、砂利採取業は「砂」、採石業は「石」、砕石業は「砕」、廃棄物処理などの他業種は「他」と記される。そんなゼッケンはダンプ規制法の第20条により、掲示することが定められている。
  仕事の内容を意味するゼッケンが必要な車両は、「土砂を運搬する大型車両」に限られている。最大積載量が5トン、車両総重量が8トンを超える大型ダンプには必須というわけだ。
  しかし、世の中にはゼッケンのない大型ダンプを見かけることがある。そのような車両は「土砂禁ダンプ」と呼ばれるもので、多くが産業廃棄物の運搬を目的としているもの。そのため、通常の大型ダンプよりも背丈のある大きな荷台を載せている。そんなダンプで残土や土砂を積もうものなら、当然のごとく過積載運行となる。ちなみに5割以上10割未満の過積載であれば違反点数3点(反則金4万円)、10割(2倍)以上の過積載となると違反点数6点(免許停止・6ヵ月以下の懲役または10万円以下の罰金)。これは大型と中型トラックの例だが、いずれにせよ厳しく罰せられることになる。
  とはいえ「正規の積載量ではまともな暮らしができない」と嘆く声が漏れ聞こえてくるほど、大型ダンプが運ぶ土砂や残土の単価が安いのも確か。少しでも多く稼ぎたいとはやる思いが、過積載運行へと繋がってしまうのだ。
  ブレーキやハンドルの効きが悪くなり、かつ道路を痛める過積載運行はもちろん厳しく罰せられるべきだが、本当に安全と安心を追求するのであれば「2024年問題」のような労働時間の制限などではなく、適正なる運賃が支払われるように改革を進めてもらいたいものである。

あわせて読みたい

2024年度は車両整備多忙につき、最初で最後の開催!大人気イベント「貨物電車モニ1形・車両基地見学会」
ラブすぽ
【育児マンガ】「ゼッケン変えるの忘れてたあぁ!」新学期あるあるミスを娘がカバーするも…
mamagirl
【DOD】テントと薪ストーブのオールインワンテントサウナセット新発売
PR TIMES Topics
自治体の働き方改革を実現し、市民の暮らしも守っていきたい!法改正によって急増する自治体の管理業務をサポートする新サービス「まもりど」とは
PR TIMES STORY
三菱ふそう新型スーパーグレートを検証する!ベストカーのトラックマガジン「フルロードVOL.54」好評発売中!
ラブすぽ
花火×ドローン×音楽×花火タワーを完全シンクロさせた花火大会開催
PR TIMES Topics
危険な上に道路を傷つける違法行為「過積載」! 違法と知りつつ手を染めざるを得ない「運送会社」が後を絶たないワケ
WEB CARTOP
崖ギリギリで雪を落とす! 海に入ってアサリを降ろす! 命がけの現場で光るトラックドライバーの神業テク!!
WEB CARTOP
秋の深みを感じる『ジャーマンポテトサラダ』登場
PR TIMES Topics
荷台が「量り」になって積み荷の重量がわかる! 奥の壁が動いて土砂を押し出す! カーボン製まで登場したトラックの荷台はいまや衝撃の進化を遂げていた
WEB CARTOP
産廃業者の不法投棄は排出業者の責任に! 産廃業者に課せられる厳しいルールと運搬トラックの種類
WEB CARTOP
あなたの動画を自然に翻訳!「AI動画翻訳くん」とは?
antenna
「危」「毒」「高圧ガス」マークを見るとちょっと怖い気も……タンクローリーって何を運んでて安全性はどうなってる?
WEB CARTOP
輸送効率を追求したら「荷台自体」が取り外し可能に! 注目度爆上がりの「脱着装置付きコンテナ自動車」が使えるヤツだった
WEB CARTOP
ブランド創立40周年記念「J&M デヴィッドソン」、マッキントッシュとコラボレーションした限定コート発売
PR TIMES Topics
「スワップボディ」「コールドテナー」「サイドバンパー代わりのツールボックス」! 物流をスムースにするトラックの「アイディア技術」が目から鱗!!
WEB CARTOP
元大型トラック運転士が解説! 最近利用者が減ってきたトラックが履く「ゲタ」とは?
WEB CARTOP
ロキソニンにまつわる素朴な疑問を薬の作り手が解決! 小さな錠剤に込められた想いとは
antenna
多種多様なトラックを作るのは架装メーカーの仕事! 自動車メーカーが基本的にシャシーしか手がけない理由とは
WEB CARTOP
気になるニュース「なぜ、キャンピングカーは横転したのか?」【連載 桃田健史の突撃!キャンパーライフ「コンちゃんと一緒」】
CARSMEET WEB