「商談中」の札が出てても略奪可能なことも多し! 中古車屋の「商談中」は大した効力のない状況だった

2024.07.19 17:20
この記事をまとめると
■中古車を購入する前に「商談中」という段階が存在する
■店としては早く売りたいので「商談中」は受け付けない場合もある
■早くお金を払った人が優先される場合が多いので「商談中」の段階では油断禁物だ
商談中ってそもそもなに?
  クルマを売買する際、昭和の時代から変わることなく見かけるのが「商談中」の3文字。たしかに売り物ではあるけれど、価格の代わりに店頭やネットなどで商談中の文字が掲げられている場合、「誰かが仮押さえてしている状態」である確率が高いです。しかし、定義があいまいで、油断しているといつの間にかほかの人に奪い取られてしまう可能性があります。
  では、店舗ごとに意味合いが異なる「商談中」の効力とは? その意味合いについてまとめてみました。
●「商談中」とは、あくまでも「仮」の話
「商談中」とは、商談に「中」が加わる現在進行形ではありますが、買う側からすれば「ぜったいに買う」「たぶん買う」「おそらく買う」「家族の許可がおりたら買う」「ローンの審査がとおったら買う」など、人によってさまざま状況が考えられます。これらを集約すると「おそらく買うことになるから仮押さえしておいて」ということになります。
  この「仮押さえ」の認識が、売る側と買う側でズレがある場合、トラブルの元となるわけです。しかも、そのズレに気づくのはたいていほかの誰かが契約したあと。つまり、取り返しのつかない状況であることが多いのがやっかいなところです。
●「商談中」の効力は店舗ごとに異なる
  買う側に温度差があるのと同様に、売る側にも温度差があります。「商談中の効力(主に期間)」がどこまで通用するものなのか? こればかりは問い合わせ時や商談中に各販売店に確認するしかありません。
  電話や問い合わせフォームで売られているクルマを買いたいと連絡すれば、ひとまず「商談中」としてくれるケースもあるでしょうし、「ウチは商談中はやってないから」といわれてしまったらそれまでです。
  商談中としてもらえたとしても「仮押さえ」であることには変わりはないので、結局のところは「早い者勝ち」なわけです。もっとも確実な手段としては、一刻も早く身分証明書と判子と手付金を持って店舗まで行き、契約を交わすしかありません。
●最終的な決定権は店舗側にある
「商談中」としてくれるのはあくまでも店舗側の善意であり、決して「やってもらって当然のサービス」ではありません。つまり、「本当はすぐにでも売りたいところだけど、そこまで欲しいのであれば少しだけ猶予をあげましょう」というスタンスです。
  仮に、その店舗のローカルルールで商談中の効力は3日間が期限だと決めていても、担当セールスや店舗の代表者が「若い子なのでクルマを買うことでもっと仕事を頑張ってほしいし、もう少し待ってあげよう」と、特別に1週間まで商談中の期間を延ばすことだって考えられます。
  どうしても欲しいけれど、やむを得ずすぐに契約できない場合など、購入したいという強い意志を販売店のスタッフに伝えてみる価値は十分にありそうです。
とにかくお金を払った人の勝ち
●口約束は御法度。可能であれば証拠になるものを残しておく
  お客さん「このクルマ買いたいので、3日間だけキープさせてください」。
  店舗スタッフ「いいですよ」。
  よかったこれでひと安心。その間に家族を説得し、軍資金をかき集めていざ本格的に商談……と思って店舗に連絡すると「先ほど売れちゃいました」と非情な回答が。よくよく事情を聞くと、店舗スタッフが商談中としていたものを社長さんが勝手に売ってしまったとのこと。たしかに店舗側のミスではありますが、こうなってしまうとブチ切れようが何しようがもうほかの人のものです。口約束であればなおさらです。いった・いわないの不毛な争いになっても勝ち目はありません。
  店舗側の対応に不安を感じたのであれば、1日1回(心情的にはもっと連絡したいと思いますが、さすがに営業妨害になりかねないので)店舗に電話をして、きちんとキープしてくれているか確認してもいいかもしれません。それでも店舗からすればいい迷惑ですけど……。
●逆説的には「商談中」のクルマを横取りできる
  たまたま見つけたクルマが理想の1台だった! すぐに問い合わせてみるとすでに商談中。しかし、諦めるのはまだ早いです。「最終的な勝者」は、販売店と売買の契約を取り交わしたその人です。
  あとあと悔やんでウジウジするくらいなら、現在、商談中の人に恨まれようが憎まれようが、呪いの呪文を唱えられようが、本当に欲しかったら横取りしてしまえばいいのです。こんなところでいい人ぶってる場合じゃありません。ある種の略奪婚です。
●まとめ:契約した人に権利がある。が、しかし……
  売る側の常套句として「ほかにも問い合わせをしてきている人がいる」「あなたの後ろに3人待ってるよ」など、要は「この場で即決しないとほかの人が買っちゃうよ」的なプレッシャーをかけてきます。同様の経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか(私もあります)。
  これは本当かもしれませんし、単なる営業トークかもしれません。この場で即決したいけど、家族を説得しなきゃ……。「今晩説得するので、1日だけ商談中にしてもらえませんか?」と店舗側に伝えれば、1日くらいであれば「商談中=仮押さえ」としてくれる確率は高いでしょう。しかし、1週間ともなれば話は別です。本当に買うかどうか(買えるかどうかも含めて)の人のために大事な商機を逃してしまう可能性があるからです。さらには、問い合わせがあるたびに「いま商談中なんで……」と断らなければならないのです。
  買う側にもそれ相応の事情があることは想像できますが、商談中となっていることにあぐらをかくことなく、できれば翌日、明日から海外出張……といったやむを得ない理由でもない限り、遅くとも数日以内には最終的な意思を店舗側に伝えるのがいいでしょう。仮に買うことを断念した場合、速やかに店舗にキャンセルの連絡をするのはいうまでもありません。

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