MTは乗りたし操作は怖し! なんのかんの苦手意識が強い人もたくさんいるMT車を克服する方法

2024.07.02 13:00
この記事をまとめると
■MT車の運転に不安や怖さをもっている人がいる
■MT車の運転で不安や怖さを感じやすいポイントと克服法を解説
■不安や怖さを克服すればMT車を運転する楽しさを堪能することができる
AT車にはない独特の操作が必要なMT
  メーカーが限定車としてMTモデルを発売したり、MT車に乗るカッコいい女子が注目を浴びたりと、なにかと話題になることも多いMT車。一度は乗りたいと思ってわざわざMT免許を取ったけど、ちょっと不安や怖さがあってなかなかトライできていない、という人も多いのではないでしょうか。今回はそんな人たちが苦手に感じやすいポイントと、その克服法をご紹介したいと思います。
  まずは、AT車になくてMT車にだけあるものといえば、クラッチペダル。両手両足を使って操作することが、MT車のいちばんの楽しさにつながるところなのですが、やはりMT初心者にとっては「うまくできるかな」と心配になる最難関ポイントだと思います。
  というのも、クラッチペダルの位置やミートポイント、操作感といったものは車種ごとにけっこう違いがあって、教習所で使っていたMT車の感覚を覚えている人でも、実際に自分が選んだMT車に乗ってみたら、ぜんぜん違う感覚だったという人も多いのです。これはもう、何度も乗って練習してコツをつかむ、という克服法しかないですが、その前段階として気をつけたいのが、靴の選び方。
  スニーカーを履く人も多いと思いますが、ソールがあまりに固かったり、分厚いもの、甲の部分を覆う素材が伸び縮みしにくい素材のスニーカーだと、クラッチ操作がやりにくいと感じる場合があります。両足で同じ靴を履くので柔らかすぎるとブレーキがしっかり踏めなくなってしまうのでダメですが、適度に柔軟性と伸縮性があり、ソールの幅が広すぎない靴を選んだほうが、クラッチ操作がしやすい傾向にあります。
  こうして靴選びにも気をつけながら、何度も練習しているうちに、クラッチペダルを踏み込んでからどのくらい力を抜いたところでなめらかにつながるようになるのか、だんだん感覚がつかめるようになってくるはず。身体に覚え込ませるのがいちばんです。
  次に、MT車のもうひとつの特別な操作が、シフトチェンジ。シフトレバーを左手(左ハンドル車の場合は右手)で握り、先ほどのクラッチペダルの操作とタイミングを合わせて、発進の際に1速、2速、3速とシフトアップをしていく必要があります。一般的には、エンジン回転数が2000〜3000rpmくらいになったらシフトアップしていくとスムースに加速していけますが、これも車種によって特性が変わります。
  中古車の場合には、前に乗っていた人のクセがついていることもありますので、最初は思うようにいかずギクシャクした操作感になってしまうかもしれません。これもやはり練習あるのみで、どのくらいの回転数でシフトアップするのがもっともスムースになるのか、探りながら慣れていくといいでしょう。
  このシフトチェンジは、だんだん上手になってくると、もはや手に力など入れなくても、シフトレバーのほうからスッと自然に吸い込まれていくような感覚になります。こうなると、自分とクルマが一体となった感覚で運転がとても楽しくなりますので、そこを目指して練習しましょう。
  このクラッチ操作とシフトチェンジが慣れないうちは、MT車に乗りたいけど不安になってしまう大きな要因、「エンスト」をしてしまうこともあると思います。でも、エンストはどんなにベテランのドライバーでもやってしまうことはありますので、そんなに怖がらないでください。
  大切なのは、周囲のクルマの迷惑になりそうなシーンでエンストしてしまったときに、慌てず、ハザードランプなどを点灯して周囲に知らせたり、安全に配慮して素早く再始動すること。「誰でもやってしまうことはある」と最初からドンと構えて、パニックにならないようにすることです。
使いこなせればクルマを操る楽しみを味わえる
  続いて、上り坂での坂道発進も苦手に感じやすいポイントです。実際にMT車に乗ってる人でも、これが嫌いだという人は多いですよね。しかし坂道では、発進だけでなくその前に停止をするところから注意深く操作したいもの。上り坂では平地より減速力が強くなりがちなので、ブレーキペダルから踏むと強く利きすぎてエンストしてしまう恐れがあります。クラッチペダルから踏んで、減速度に合わせるようにブレーキペダルを踏むと、上手に停止しやすくなります。
  そして、坂道発進に移るわけですが、最近は電子式のパーキングブレーキが増えています。その場合はギヤを1速に入れ、しっかりとブレーキを踏んだまま、半クラッチ状態にします。ブレーキペダルからアクセルペダルに素早く踏み替えつつ、クラッチペダルを慎重にあげていきます。どちらかのタイミングが遅れたり、合わなかったりすると、後ろに下がってしまったりエンストする恐れがありますので丁寧な操作を心がけましょう。
  ハンドブレーキの場合は、引いたままでアクセルペダルをやや強めに踏み込みながら、クラッチペダルをゆっくり上げていきます。クラッチを上げていく途中でクルマが少し動き出す感覚がつかめたら、それが半クラッチ状態。そのタイミングでハンドブレーキをおろすと、前に進むことができます。半クラッチ状態になる前にハンドブレーキを下げてしまったり、ハンドブレーキを離すと同時にクラッチもあげ切ってしまうと、うまく前に進むことができません。慌てず慎重に、左足の操作を丁寧に行うことが大切です。
  とはいえ近年は多くのクルマに「ヒルスタートアシスト」といった、坂道の発進で2〜3秒間、ブレーキペダルを離しても停止状態を維持してくれる機能が搭載されていますので、自分のMT車にそれがついているかどうか確認を。
  さて、最後はMT車に乗りたいけどあきらめた人の理由に多い、渋滞や車庫入れ。ゆっくりと歩くより遅い速度で動かしたい車庫入れでの操作も、ノロノロと進んでは止まる渋滞での操作も、エンストするのが怖いし左足が疲れそうでゲンナリしますよね。
  でもそんなときは、断続クラッチというテクニックを使うことが有効です。これはアクセルペダルを踏まずに、クラッチペダルを踏み込んだり離したりを繰り返しながら、ちょっとだけ進むように調節するテクニック。アクセルペダルを踏むとビュンと進んでしまうことが多いですが、これなら車庫入れやノロノロ渋滞のような、速度の遅いシーンで活用できます。
  このとき、ギヤは1速に入れたままで、クラッチはゆっくりと力加減を調整するようにすると、スムースに進むことができます。あらかじめ、家の前の道や広い駐車場など、安全が確保できる場所で練習しておくといいですね。
  ということで、MT車の苦手ポイントとその克服法をご紹介しました。クルマを自分が操っているんだという感覚が強く味わえて、だんだんとクルマに馴染んでいくステップアップする感覚も楽しいMT車。ぜひトライしてみて欲しいと思います。

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