ハッチバックのヤリスを圧倒! 改良されたヤリスクロスに乗ったらバカ売れも当然と思える中身だった

2024.06.21 06:20
この記事をまとめると
■2024年1月にトヨタ・ヤリスクロスは一部改良を敢行
■主にデザインやインテリアの仕立てを変更している
■1カ月で売れるヤリスシリーズの半分以上をヤリスクロスが占めている
新しくなったヤリスクロスは驚き満載!?
  2024年1月に一部改良を行ったトヨタ・ヤリスクロスに試乗した。今回の改良ではアッパーグリルの意匠変更、コンソールボックス付フロントソフトアームレストの採用などが行われている。
  試乗車は最上級となるハイブリッドZアドベンチャー。1.5リッター直3エンジンは新世代ダイナミックフォースタイプとなり、これにモーターが組み合わされている。軽量3気筒エンジンは伊達ではなく、乗り出してすぐその軽いイメージに驚かされた。カローラ系などに搭載されるハイブリッドユニットは1.8リッター4気筒エンジンベースということもあり、筆者としてはどうしても重たい印象を持ってしまっていたが、軽量な上にモーターアシストもかかるので速いという印象も強く受けた。
  筆者は現行カローラセダンの改良後モデルを所有している。ハイブリッドではないので、搭載エンジンは1.5リッター直3ダイナミックフォースエンジンとなる。知り合いのほとんどは3気筒と聞くと、「軽自動車みたいな音がするの?」と聞いてくるが、そのような音はよほど高回転までまわさないと車内には聞こえてこない。世代の古い1.8リッターエンジンを搭載した前期型から乗り換えたときは、やはり「軽いエンジンだなあ」というのが第一印象であった。
  レンタカーとはなるものの、ハッチバックのヤリスハイブリッドを運転したことがあったのだが、基本的にヤリスクロスのものと同じユニットながらここまで印象が異なるとは思ってもみなかった。ハッチバックのヤリスでは法人ユースも多いので、やはり燃費重視でまとめあげているのかもしれない。
  カローラセダンでは同乗者からも「静かだねえ」といわれるぐらい遮音性が高いのだが、ヤリスクロスではエンジン音が結構車内に入ってきて驚いた。ある人は「ヤリス系とカローラ系の車格の違いを感じるね」などといっていたが、ハッチバックのヤリスならまだしも、ヤリスクロスではもう少し遮音性が高くてもいいのではないかなと感じたが、そんな印象を吹き飛ばすぐらい軽快に走ってくれた。
  ダッシュボードはハッチバックのヤリスでは全面カチカチする硬い樹脂なのだが、ヤリスクロスでは一部ながらソフトパッドが採用されている。計器盤は全グレードデジタルタイプを採用。筆者の愛車であるカローラもオプションでデジタル計器盤にしており、一部警告灯表示などが異なるようだったが、ほぼ同じものだったので、あくまで個人的には新鮮さを感じることはできなかった。
  シートは「エアヌバッグ+合成皮革」を採用。ヤリスクロスに限らず、最近は合成皮革の性能が向上しているので、筆者も次回の乗り換えでは合成皮革シートを選ぼうかな、などと考えている。座り心地もかなりいいものであった。
  短時間の試乗ではあったものの、「これは売れるはずだ」と感じさせるものであった。
大人気な理由は残価率にもあり!
  自販連(日本自動車販売協会連合会)の統計によると、2024年4月単月のヤリスの販売台数は1万3765台、そのうち普通車、つまり3ナンバー車は7584台となっており、そのほとんどがヤリスクロスといっていいだろう。要するに、ヤリスシリーズの販売台数の半分以上がヤリスクロスとなっているのである。
  トヨタ系ディーラーでヤリスクロスの人気について聞くと、「圧倒的な再販価値の高さも大きい」と答えてくれた。ヤリスクロスを5年プランで残価設定ローンを組むと、設定残価率は50%になる。一方のハッチバックのヤリスは20%ほどになってしまうとのことであった。ヤリスクロスもカーシェアリング車両などで見かけることはあるが、ハッチバックのヤリスはカーシェアリング、レンタカー、そして社用車といったフリートや法人向け販売がより目立っており、再販価値のダウンが顕著となっている。これはヤリスに限ったことではなくトヨタ以外のメーカーのヤリス同クラス車でも傾向は同じだ。
  軽自動車は全般的に再販価値が高いので、コンパクトハッチバックは再販価値の低さもネックとなり、軽自動車の影に隠れがちになっている。その一方で、ヤリスクロスだけではなく、トヨタでいえば同じクロスオーバーSUVスタイルを採用するライズの再販価値も高めに推移している。ちなみに2024年3月に正式発売となったホンダWR-Vも強気の残価設定ローンでの設定残価率となっているようだ。
  ヤリスクロスは、タイ、インドネシア、ベトナム、シンガポールなど東南アジアでは広くラインアップされており、欧州などでも販売されているグローバルモデルとなっていることもあり、その作りこみはかなりのもの。そのよさは誰でもすぐわかるものともいえ、さらに再販価値も高いとなればよく売れるのも納得である。
  ただし、残念なことにいまは人気が高いことに加え、型式指定の認証問題などもあり、本稿執筆時点では生産及び出荷停止となり、新規受注も停止されている。

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