オヤジ世代の青春を支えた「インテグラ」「bB」「キューブ」など名車が次々と消滅! いまハッチバックが減少の一途を辿るワケ

2024.09.27 17:20
この記事をまとめると
■かつての国産市場にはハッチバックが数多く存在した
■ハッチバック減少の背景にはコンパクトSUVの増加がある
■軽自動車人気が高いこともハッチバック減少の理由になっている
ハッチバックが減ったワケ
  以前はトヨタならラクティス/ラウム/ポルテ&スペイド/bB、日産ではパルサー/ティーダ/キューブ/マーチ、ホンダではインテグラ、マツダではベリーサなど、さまざまなハッチバックモデルがあった。
  天井の高さもさまざまで、日産であれば背の低い低価格のマーチ、内外装が上質で後席も快適なティーダ、天井が高く開放感の伴うキューブという具合だ。ニーズに応じて、5ナンバーサイズのハッチバックを選びわけられた。
  しかし、前述の車種は、いまではすべて廃止されている。とくに3ナンバーサイズのミドルサイズハッチバックは、残されていても販売が低調だ。カローラスポーツの1カ月平均登録台数は700台前後で、カローラシリーズに占める割合は4%と少ない。継続生産型のカローラフィールダーを下まわる。マツダ3もセダンを含めて、1カ月平均が1000台以下だ。
  その結果、3ナンバーサイズのミドルサイズハッチバックで好調に売られているのは、1カ月平均が6200台のプリウスと、約4000台のノートオーラ程度だ。スバルのインプレッサは、SUVのクロストレックを除くと約1000台になる。
  ミドルサイズを中心にハッチバックの売れ行きと車種数が減った背景には複数の理由がある。まずは全長が4500mmを下まわるSUVの好調な売れ行きと車種の増加だ。SUVのカローラクロスは、登録台数がカローラシリーズ全体の50%近くに達する。同様にヤリスクロスも、ヤリスシリーズの約50%を占める。価格の安いライズも堅調だ。ホンダもヴェゼルとWR-Vを手堅く販売している。
  これらのコンパクトなSUVは、ミニバンほどではないが天井を高く設定して、全長の割に車内が広い。運転しやすく、後席や荷室にも相応の余裕があるからファミリーカーとしても使いやすい。そこで売れ行きを増やし、ミドルサイズやコンパクトなハッチバックが減った。
世界的にSUV人気が高まってきた
  このSUVが増えてハッチバックが減る傾向は海外でも生じており、たとえばボルボは、ハッチバックのV40を廃止してXC40をコンパクトな車種の主力に据えた。海外でもハッチバックが人気を下げると、日本車メーカーも新型車の開発に消極的になる。
  日本特有の事情としては、軽自動車の増加もある。近年では軽自動車の販売比率が新車として売られるクルマの40%近くに達しており、ハッチバックを含めて小型車からの乗り替えが進んだ。
  とくにいまの軽自動車では、ホンダN-BOXのような背の高いスライドドアを装着するスーパーハイトワゴンが売れ筋だ。全長や全幅は小型車よりも小さいのに、車内はハッチバックに比べて広い。実用重視のユーザーには、背の高い軽自動車が使いやすく買い得で、ハッチバックは需要を奪われた。
  メーカーの車両開発に対する取り組み方も変化した。環境技術の向上などに力を入れるため、日本で販売する新型車の開発に多額のコストは費やせない。そこで商品の種類を絞り込んでいる。
  たとえば日産のハッチバックは、ノートを基本に、上級のノートオーラ、スポーティなノートオーラニスモ、SUV風のノートオーテッククロスオーバーがある。ひとつの車種に複数の仕様を用意して、車種の数を減らし、開発コストを抑える戦略だ。その結果、日産はティーダ、キューブ、マーチ、ラティオ、ウイングロードなどを廃止した。
  以上のようにハッチバックは、SUVや軽自動車の需要増加、メーカーの合理化などにより、売れ行きと車種数を減らしている。同様の理由で、セダンやステーションワゴンも減少している。

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