昔の高級車もいま見れば「ちっさっ」! どんどんクルマが肥大化するなか絶滅寸前の「5ナンバーサイズ」はやっぱり日本に必要

2024.09.26 06:20
この記事をまとめると
■日本では5ナンバーサイズのクルマが減っている
■かつての高級車もいま見ると小さく見えるほど現行車は大型化している
■世界市場に合わせた車種展開により5ナンバー車が消滅する可能性がある
いつの間にか5ナンバーサイズが絶滅寸前!?
  先日、日産ノートに試乗する機会があった。昨年末にマイナーチェンジを実施しており、メカニズムのブラッシュアップも行われているようで、酷暑のなかでも発電用エンジンは目立って始動することもなく、始動してもそのノイズは車内にはあまり入ってこなかった。試乗車はオプションも充実していたのだが、4スピーカーとなっており(ノートのスピーカー数はMAXで4つ)、装備面ではやや不満は残った。
  実際に販売状況をみると、5ナンバー仕様となるノートはレンタカーやカーシェアリング、法人営業車などのフリートユースが目立つなか、生活圏内の移動がメインとなるセカンドカー的自家用需要も目立つとのこと。そして個人ユースのメインは3ナンバー仕様となる、「ノートオーラ」となっているのである。そして、やはり3ナンバーワイドボディによる、安定した走行性能の高さもウケているのではないかと事情通は話してくれた。
  1695mm(日本ではスペックは5進法で表記)となる5ナンバーサイズのノートに対し、ノート・オーラの全幅は1735mmとなる。その差40mmだが、クルマにおける40mm差は結構大きい。本稿執筆段階で間もなく国内発売される予定のスズキ・フロンクスは、インドから完成車輸入されるコンパクトクロスオーバーSUVとなる。全長は4メートルを切るのだが、全幅は1765mmだ。同クラスで人気の高いトヨタ・ライズは5ナンバーサイズの1695mmなので、こちらは70mm幅が広いことになる。
  昭和のころには5ナンバーサイズばかりだった日本車も、いまや3ナンバー車ばかりとなっている。現行の衝突安全基準をクリアするとなると3ナンバー化やむなしという面は否定できない。「5ナンバーサイズを堅持して衝突安全基準をクリアするのには、3ナンバー化するよりコストがかかると聞いたことがあります。一定数以上量販できなければいたずらに価格上昇してしまうことになるでしょう」とは事情通。
  ただ、5ナンバー車がコンパクトとはいうものの、全長はともかく全幅はすでにマキシマムサイズの1695mmとなっているモデルばかりである(5ナンバー車の全幅要件は1700mm未満)。現行販売車で1695mmより全幅が狭いのは、スズキ・クロスビー(1670mm)、スズキ・ソリオ(1645mm)、スズキ・ジムニーシエラ(1645mm)と、スズキ車が目立つが、実際はかなり少数派となっている。
  登録車で販売トップ常連のトヨタ・ヤリスの寸法は全長3950×全幅1695×全高1495mmとなっている。国内ではヤリスの前身となる、ヴィッツの初代(1999年デビュー)では、全長3610×全幅1660×全高1500mm、そのヴィッツの前身となるスターレットの初代(1978年デビュー)では全長3680×全幅1525×全高1380mmであった。
5ナンバーの乗用車が絶滅するかもしれない
  筆者が長年乗り継いでいるトヨタ・カローラセダンで初めて全幅が1695mmとなったのは、2000年にデビューした9代目であった。そもそも大昔には5ナンバーサイズとはいえ、全幅で枠いっぱい近くになるのは、クラウンをはじめとする上級モデルとなっていた。そのクラウンでもセダンベースでみると、2代目でいったん1695mmとなったが、その後8代目(1987年発売)までは1690mmであった。スバル360の全幅1295mmに比べれば十分ワイドなのだが、いま思うと昭和のクルマは意外なほどいまどきのクルマに比べると狭く小さく見えるのである。
  筆者が自宅近くを歩いていると、フルノーマルで綺麗に乗っている初代いすゞ・ピアッツァによく出くわす。その優雅なスタイルにクルマオタク少年だった筆者も当時魅了されたのだが、いま改めてみると驚くほどコンパクトに見える。
  当時の初代ジェミニがベースとされているのだが、全長4385×全幅1675×全高1300mmとなっており、現行ヤリスより全幅が狭くなっていることで、小さく(細長く?)見えてしまうようである。いまのカローラセダンが全長4495mmなので、単純な表現をすれば「カローラより小さい」ということになる。ピアッツアに限らず、昭和のころに「スペシャルティカー」とか、「ハイソカー」などともてはやされ、少年のころに憧れていたクルマをいま見ると、小さく見えてしまうことに筆者は複雑な想いを感じている。
  カローラセダンが一気に3ナンバーサイズとなったのだが、それでもグローバル版よりは全長は短く、全幅は狭くなっている。それでも3ナンバー化したのは、プレミオ&アリオン、マークXといったカローラよりも格上のセダンが絶版となり、それを補完する目的もあったとされている。
  そんなカローラセダンだが、通算10代目となる初代アクシオで全長が4400mmを超えると、「長すぎて取りまわしに困る」と一部ユーザーから不満が出たそうだ。そのため、通算11代目となる2代目アクシオでは、ヴィッツのプラットフォームベースということもあったのだが、全長を再び4400mm未満にしている。
  5ナンバー、3ナンバーというカテゴリーもあるのか、世界的にもここまでボディサイズにこだわる市場はあまり見かけない。日本ではメルセデス・ベンツGLBの人気がかなり高いとのこと。メルセデス・ベンツ以外でもBMW、アウディといった高級輸入ブランド車でも世界市場に比べると1サイズ小さいモデルが、日本では人気が高いとはよく聞く話。
  ただし、このまま日本国内の新車販売市場の縮小が進んでいけば、日本車であっても日本市場に合わせたモデルはいま以上に「コスパ(コストパフォーマンス)が合わない」として、日本では大きく感じてしまうグローバルサイズのモデルが数多くラインアップされることになりかねない。日本版のスズキ・スイフトは全幅1695mmだが、インド仕様でみるグローバルモデルの全幅は1735mmとなっている。
  このような日本向けに調整する動きは当然ながら数が見込める(一定数以上の量販が可能)からこそなのである。

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