激動の時代を「生き抜く力」を子どもたちに伝えたい。「デジタルクラブ活動」と「子どもの居場所」の融合が日本の未来を変える。

2024.01.30 08:00
21世紀のデジタル社会において、子どもたちが主体的に時代を生き抜くスキルを身に付けることが重要になっています。デジタルキッズクラブ(Digital Kids Club)は、「デジタルクラブ活動 × 子どもの居場所」を提供する施設を運営する団体です。デジタルキッズクラブは、子どもたちに新しい学びの形を提供し、創造性と技術的能力を開花させる礎となることを目指しています。 現在、ご縁を頂き愛媛県今治市に最初の施設の立ち上げをしています。なぜこの事業を模索し事業を開始したか、そして今後の展望をWebエンジニア出身の創業代表の西脇靖紘がお話します。
デジタル機器を楽しみながら子どもの探究心を伸ばす『デジタルキッズクラブ』
図:AIが生成したデジタルキッズクラブの風景


デジタルキッズクラブは、子どもたちの探究心や興味を育むために、最新の多様なデジタル機器を活用できる居場所を提供します。デジタルキッズクラブでの体験を通して、遊び、楽しみながら、創造する喜びを実感することができます。

子どもは誰でも無料で利用することができ、決められたカリキュラムはなく、その日の気分や興味に合わせて自由に過ごせます。


子どもの居場所として運営し、異年齢の子どもたち同士でも自分たちで自主的にこの場所のルールメイクできるようなコミュニティを目指しているクラブです。
デジタルキッズクラブとは?
そんなデジタルキッズクラブは以下の特徴を掲げています。
図:デジタルキッズクラブの特徴
1. いつでも無料、子どもの居場所。
 対象年齢は8歳から18歳までです。(状況に応じて8歳未満の子どもも受け入れを検討します。)登録後は自由に最新デジタル技術に没頭することができます。いつでも無料で参加できるので、未来ある子どもたちの教育格差をなくすことにも貢献できると考えています。デジタル技術に興味がない子どもも、クラブの活動を通してデジタル技術に触れることで、自然にITに関心を持つことができるでしょう。また、高校生や大学生のメンターのサポートがあり、デジタル以外にも自由に活動を楽しめます。
2. 最新デジタル機器の充実。
ドローン、デジタル楽器、3Dプリンター、PC、動画撮影機材など、多様なデジタル機器を用意しています。子どもたちは、好きな機器を選んで技術を磨き、自由に作品作りをすることができます。子どもたちに最新の情報を伝えられるように、スタッフも日々、最新技術の習得に励んでいます。
3. イエナプラン教育の採用。
イエナプラン教育(ドイツ語 Jena-Plan)とは、オランダで普及している教育モデルで、異年齢のクラスで一人ひとりを尊重し、自律と共生を促します。私たちは、この教育モデルの対話と協働の精神、創造力の促進に重点を置き、それをデジタルキッズクラブの運営に取り入れています。


これらの特徴を踏まえ、デジタルキッズクラブでは「デジタルクラブ活動 × 子どもの居場所」を提供し、子どもたちが自分の興味や夢を追求し、それを実現する場所として機能しています。
デジタルキッズクラブで育む子どもの心 「自己肯定感が行動を創る」
私たちは、デジタルキッズクラブでの活動を通じて、「自己肯定感が行動を創る」という考え方を大切にしています。以下のサイクルにより、子どもたちの成長を支援します。
図:デジタルキッズクラブで育む 子どもの成長サイクル の図


1, 自己肯定感の醸成。小さな成功体験の積み重ねを通じて自信を育てます。一人ひとりのペースに合わせ、楽しみながらリラックスした環境を提供します。


2, 行動決定の支援。興味のあるIT分野の探究を奨励し、クリエイティブな活動を促します。自己実現や進路の明確化をサポートします。


3, 行動の達成。
・子どもが主体となり、大人はその達成を支援します。


このサイクルを繰り返すことで、子どもたちは様々な技術を身につけ、時代を生き抜く力を養います。
デジタル/ITで活躍する大人との交流
子どもたちに長期的な目線でデジタル技術に興味を持ってもらうためには、自分の将来を想像できるような大人との出会いが不可欠です。本クラブでは、日本や世界で活躍するエンジニア、デザイナー、クリエイターとの交流の場を設けています。子どもたちに新たな視点を提供し、やる気を引き出すためです。来館する大人たちも、子どもたちとの触れ合いを通じて新たな刺激を得ます。このようなイベントやプロジェクトを通じて、子どもたちの人生に「スイッチ」を入れることが目標です。また、これらの交流は地域コミュニティの発展にも寄与していくことでしょう。


では、子どもたちはどんな風にこのクラブで過ごすのか、一例をご覧ください。
【デジタルキッズクラブで過ごす1日の流れ】
放課後にクラブに来た子どもたちは、まずはリラックスして好きなことをします。例えば、ある子は自分の好きな漫画を読んでリラックス。その後、スタッフとの雑談を通じて、興味を持っているVtuberのCG制作に挑戦することにしました。スタッフは一緒に資料を探し、方法を学んで、その日のうちに基本的なデザインのとっかかりを完成させます。別の子どもはドローン操作に夢中で、数時間の練習で見る見る上達しました。今度地域でドローンの撮影をしてみることにしたそうです。自分の好きなことに没頭する子もいれば、友達やスタッフと一緒に相談しながらする子もいます。
デジタルキッズクラブの立ち上げ背景と掲げるミッション
私がデジタルキッズクラブを立ち上げたのは、ただのビジネスとしてではなく、「デジタル教育を通してこれからの時代に活躍できる子ども達を育てたい」と強く思ったからでした。東京での長年のエンジニアとしての経験と、親としての自身の子育ての中で、日本の未来に対する大きな不安を感じてきました。私たちの子どもたち世代は、急速に変化し続ける世界で生きていくために、適切な教育とサポートが必要です。しかし、現在の教育システムは、これらの変化に追いついていません。デジタル教育に加え、この変化が激しい社会を生き抜くための教育は、残念ながら公教育にはなかなか期待できないのが実情です。(下記詳細記載)

私が目の当たりにしたこれらの問題は、私の心に深く刺さり、何か行動を起こさなければならないという強い衝動を生み出しました。デジタルキッズクラブは、そうした個人的な経験と危機感から生まれた、私の夢と情熱の結晶です。ここでは、子どもたちが自由に学び、成長し、自分たちの将来を切り開く力を育むための場を提供しています。


私たちは、ただ単にデジタル機器の使い方を教えたり、プログラミングを教えたりする教室ではありません。子どもたち一人一人の無限の可能性を引き出し、彼らが自信を持って未来に向かって歩むことを支援するのをミッションとしています。デジタルキッズクラブを通じて、子どもたちが新しい技術を学び、創造的な思考を育み、自分たちの夢を追求できるような環境を提供することが、私たちの最大の喜びであり、最終的な目標です。

このように私の経験と視点から、デジタルキッズクラブを通じて、現代社会が抱えるより大きな課題にも取り組むことが重要だと感じています。私たちが直面しているこれらの社会的課題は、単に一つの教育機関の問題ではなく、社会全体で考え、解決を図るべきものです。以下に、私たちがデジタルキッズクラブで向かい合う社会課題を挙げ、それにどのように対処しているかを詳述します。
デジタルキッズクラブで向かい合う社会課題
デジタルキッズクラブでの活動を通して解決していきたいと思っている社会課題は、下記の4つです。
1.義務教育におけるIT教育のあり方
学校のデジタル科目の時間が不足している中、当クラブではデジタルリテラシーやクリエイティブな活動に必要なスキルを身につけるための環境と時間を提供します。学校で習ったことの応用をクラブで実施したり、義務教育では提供されていないようなプログラミングやデジタル機器の扱い方を提供したりします。
2. 不登校児童の増加への対応
不登校の子どもたちが抱える無気力や不安を理解し、デジタルを通じた新しい学びの場を提供することで、彼らの「居場所」となるよう努めています。すべての子どもたちが参加しやすく、関わる楽しさを実感できるプロジェクトや活動を用意していく予定です。
3. 日本のIT競争力の向上
2023年版「世界デジタル競争力ランキング」によると、日本は世界64カ国の内32位。前年の29位から3ランクダウンという結果です。これからの時代は、ITと共存が大切だと言われており、子どもたちが大人になる頃には、今以上にITを駆使して働かなければいけないことが予想されます。クラブを通じて、中長期的に将来のIT人材を育成することを目指しています。
4. 地域の子どもたちへのIT教育の普及
地域の子どもたちに最新のIT技術やクリエイティブな仕事に触れる機会を提供し、彼らの可能性を広げます。最新デジタル機器もあるだけでは宝の持ち腐れです。これを使いこなせる専門家を呼んでの技術イベントや、そんな最前線で活躍する方のマインドに触れるイベントを用意します。


以上のように、私たちデジタルキッズクラブから、小さな1歩を歩みだし、これら社会課題に時間をかけて向き合っていきます。
多くの子どもに利用してもらうために翻弄したパートナー探し
2020年、私は一つの大きな夢を抱いていました。それは、世界100拠点以上に広がるComputer Club Houseのような施設を日本にもつくること。Computer Club Houseとは 1993年に米国・ボストンで初めて設立された、 子どもたちに「いつでも」「安全に」「テクノロジーに触れられる」コミュニティのことです。これを追い求める中で、先行して同じような活動を日本で行なっていた団体、NPO『みんなのコード』との出会いがありました。 この出会いがご縁となり、一緒に拠点の検討をしてきました。しかし、話は簡単ではありません。


この事業の根底にあるのは「子どもたちに無償でサービスを提供する」という理念。それを支える経営計画は、私たちにとって最優先の課題でした。そこで私は、企業や地域自治体との連携を模索し、私たちの理念を共有する仲間を探し続けました。多くの企業様には理解を示していただきましたが、実際に一緒に動いてもらうことは容易ではありませんでした。しかし、諦めることはありません。多くの地域からの理解と機会を得て、私たちは着実に前進しています。


そして、大学院の先輩からの紹介をきっかけに、「トライアングルエヒメ」という愛媛県のデジタル実装事業に採択をされたのです。今、私たちはその実装を進めており、全国で最初のデジタルキッズクラブの施設をオープンするまでに至りました。


【参考URL】
開設前に開催したイベントでの大きな手ごたえ
愛媛県で複数開催したデジタルキッズクラブのイベントは、地域におけるデジタル教育への強い需要を浮き彫りにしました。このイベントでは、子どもたちに、ドローンのレッスンと操縦体験、iPadでお絵描きしたイラストを3D化する技術体験を行いました。


私にとっても初めての子ども向けのイベントでしたが、かけがえのない経験となりました。子どもたちの目を輝かせる姿は今でも残ってます。 子ども達からは、「楽しかった、また来たい」という声を頂き、保護者の方々からは、「こんなに多様なデジタル体験ができる場所が地元にあるとは思わなかった。近くにできれば通わせたい」という驚きと感謝の声を多数頂きました。これは私にとって大きな手応えとなりました。


これらイベントや今治での施設運営などは、同じ志を持つITパートナー企業 株式会社システナ 松山イノベーションラボの有志メンバーと作りあげています。
写真:イベント風景
愛媛での場所を決めるまで
施設の場所選びは、私たちにとって非常に重要な決断でした。最初は松山市も検討しましたが、今治市を選んだのは、ただの地理的な理由ではなく、地元今治市のコミュニティや関係者の熱意と、教育に対する強いコミットメントに心を動かされたからです。


今回は「トライアングルエヒメ」を通じ、愛媛県、FC今治を運営する株式会社今治.夢スポーツ、FC今治高校(学校法人今治明徳学園)、今治高等学院、合同会社GTO、そして今治市をはじめとした複数の法人・個人の方々にご協力を頂き、今治市内で複数の場所を検討した結果、フジグラン今治で実施すると決定しました。(場所は今後変更になる可能性はあります。)このショッピングモールは、市内にあり、映画やボウリングや複数ショップなどがある家族連れにとってアクセスしやすい環境です。ここに施設を設けることで、より多くの人々にクラブを知ってもらう機会を得ることができました。
これは子どもの未来だけではない、地域の未来を創る活動だ。
このプロジェクトを進めながら、本事業は子どもたちへの事業ではありますが、同時に、地域の未来を創る活動でもあると感じています。


デジタルキッズクラブの活動趣旨は、子どもの可能性をデジタルで広げることですが、それは大人も同様です。また、人が集まり、コミュニティや賑わいになる場所作りは、まちづくりでもあり、これからの地方エリアでの社会のあり方の模索として求められていると実感しています。そのため、本施設でも子どもの施設というテーマを持ちながらも地域の魅力作りに貢献できる施設でありたいと考えています。地域との公教育との連携だけにとどまらず、祭りなどの地域イベントや地域の人たちとのコミュニティ活動も発信し、この事業の理解と連携をより多くしていきたいと考えています。ゆくゆくはこのクラブの若者と地域を作っていくことを目指したいですね。
"のれん"が迎える子どもたちの居場所
愛媛県今治市の施設内装は、子どもたちを温かく迎え入れる工夫が随所に施されています。建築家の朝比奈沙江氏と協力し、「のれん」をテーマに創造的な空間を作り上げました。ビビッドなオレンジ色のビニールで作られたこの「のれん」は、子どもたちにとって冒険と発見の象徴になるでしょう。 施設内では、ドローン操縦エリアや、3Dプリンターコーナーなどをはじめとして、様々なデジタル機器活動やワークショップが行われ、子どもたちが自由にアイデアを出し合い、学び合う場となっています。
写真:デジタルキッズクラブ 今治


朝比奈沙江氏のコメント
『地域のための場所作り、最初の一歩は自主施工が可能な範囲で。自分たちの手で何かを作り上げることができることを、空間を通して子ども達にも伝わるといいなと考えました。
オレンジのビニールは通常、工場の間仕切りなどで使用されるものですが、布のように扱うことで、柔らかさと透明感を持つ不思議な表現が可能になります。視点を変えることで生まれたその半透明の布が「のれん」となり、子ども達をおおらかに迎えいれます。ワクワクが詰まったこの小さな空間が、子ども達や地域にどんな影響を与えていくのか、今後がとても楽しみです。』
未来を創る子どもたちの無限の可能性
私たちは、多くの支援と協力により、愛媛県今治市にデジタルキッズクラブの施設を開設し、運用を開始しました。これからは、子どもたちがクラブを利用することで得られる経験をより豊かにし、施設の持続可能な運営方法を模索します。


私たちは、子どもたちとの日々の交流から、彼らが持つ無限の可能性に心を動かされています。デジタル技術を使って、それぞれの子どもが自分だけの特別な才能を伸ばし、変化が激しい時代を生き抜く力を育てていくことが私たちの願いです。


そして今、私たちはこの事業をさらに発展させるために、新たな仲間を募集しています。私たちは正社員だけでなく、多様な働き方を歓迎します。大切なのは、子どもたちの未来を一緒に支える志を共有することです。副業や業務委託、プロジェクトベースでの参加も可能です。「週に1回クラブ内に駐在するような働き方」も大歓迎です。また、新しい施設を開設する地域を探しているので、興味のある方はぜひご連絡ください。


皆さんの力と情熱を、子どもたちの無限の可能性を引き出すために活かしましょう。詳細はデジタルキッズクラブのウェブサイトでご確認いただけます。一緒に子どもたちの明るい未来を創りましょう。


詳しくはこちらまで。
写真:デジタルキッズクラブ今治と 代表 西脇靖紘

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