走れば一級品! デザインもイケてる! なのにナゼか「人気ナシ」の国産&輸入車6選

2023.02.24 11:40
この記事をまとめると
■見た目もパフォーマンスも問題ないのに不人気なクルマが存在する
■「価格」や「デザイン」「性能」の面でライバルと比較されることが多い
■不人気なクルマは中古価格が安い傾向にあるので安価に楽しめる可能性が高い
輸入車&国産車問わず、いつの時代も不人気車はある!?
  星の数ほどあるクルマのなかで、見た目はカッコいいしパフォーマンスも凄いのに、いまいちパッとしない車種があります。とくに、スタイリングと性能が重視されるスポーティモデルに、そういう不思議(?)な現象が集中! 今回はそうした不遇なクルマを輸入車3台、国産車3台……計6台ご紹介します。
ユーザーの「ライバル比較」によって不遇にされた輸入車を紹介
「見た目や性能の割にイマイチ人気がない」=不遇なクルマとして真っ先に挙げられるのは、BMWのオープンカー、Z8ではないでしょうか。このZ8は2000〜2003年のたった3年間だけ、BMWが製造・販売していたオープン2シーターです。どことなくクラシカルな雰囲気を醸しだしていましたが、それもそのはず、1950年代の名車BMW 507をモチーフにしていたこともあって、典型的なロングノーズ&ショートキャビンというスタイリングが特徴的でした。
  その長いフロントに搭載された5リッターV8エンジンは最高出力400馬力/最大トルク51.0kgmを誇り、0-100km/h加速4.7秒という現代のスポーツカーに引けを取らないパフォーマンスを実現していました。 実際、乗っても非常に楽しいオープンカーでした(筆者は当時のクルマ専門誌の企画で、広報車を借りてドライブしました)。ストロークが短くシフト操作そのものが気持ちいい6速MTで400馬力を操り、オールアルミ製シャシー&ボディ(1630kg)を走らせるのはまさに快感のひと言!
  また、シートからドアトリム、ダッシュボードに到るまですべて本革張り、かつスイッチ類はすべて金属の削り出しという超ラグジュアリーなインテリアは官能的ですらあります。
  ところが……、007シリーズの映画『ワールド・イズ・ノット・イナフ』にも登場するほど注目度抜群のBMW Z8は一代限りで生産を終了してしまうのです。それというのも、アメリカ西海岸と日本のマーケットを狙ったにも関わらず、トランスミッションがMTしかなかったことが売り上げ低迷を招いてしまったからです(とくに日本マーケットで)。しかも、1650万円(最終モデル)という高価格も悪影響を及ぼしていました。なにしろ当時、同価格帯にはフェラーリ360モデナやポルシェ911ターボが存在していましたから。かくいう筆者もZ8をドライブしながら「う〜む、1650万円出すなら、もう少しお金出して911ターボを買うなぁ」と思っていましたから。
  さて、そんな不遇の輸入車は現代にもあります。たとえばジャガーFタイプ、あるいはルノー・メガーヌR.S.がそれです。
  ジャガーFタイプは2011年のフランクフルトモーターショーで発表され、現在も生産されているスポーツカーです。ボディタイプはクーペとコンバーチブル、エンジンは2リッター直列4気筒、3リッターV6、3リッターV8があり、いずれもスーパーチャージャー付きでそれぞれ300馬力、380馬力、550馬力とラインアップは豊富(※注:年式、モデルによって数値は異なります)。
  パフォーマンスとドライバビリティは紛れもなくスポーツカーのそれですし、流麗で美しいスタイリングもスポーツカーらしい個性を主張しているのですが……、イマイチ人気がないのも事実。
  一方、ルノー・メガーヌR.S.は、Cセグメントに属するスポーツハッチバックモデル「メガーヌ」に、パワフルなエンジンとそれに見合うハードなサスペンションを搭載したかなりイケイケなクルマ。つい先日(2023年1月)の東京オートサロンでは、究極の最終モデル「メガーヌR.S. Ultime(ウルティム)」がお披露目されたのは、走り屋系クルマファンにとって記憶に新しいでしょう。
  しかし、前輪駆動スポーツカーのリーダー的存在であったルノー・メガーヌRSもジャガーFタイプ同様、人気が実力に及んでいない、という悲しいスポーツカーなのです。
  どちらにしろこの2台は、冒頭のBMW Z8と同じく、「性能」「デザイン」「価格」を鑑みたライバル車との比較競争に負けたと言ってもいいでしょう。
貴重な国産スポーツカーといえども大ヒットするとは限らない
不人気車=お買い得! じつは“狙い目”なクルマなのです!!
  輸入車はライバル車同士の性能が肉迫しているので、購入時のユーザー比較がシビアになりがち。ゆえに“見た目や性能の割にイマイチ人気がない”クルマが出てしまうのは致し方ないかもしれません(そもそも価格が高いから、ユーザーは真剣にクルマを天秤にかけます)。では、ラインアップがたくさんあって、価格も比較的リーズナブルな国産車なら、どれも均等に売れて、不遇のモデルなんてない! ……と思いきや、それが意外とあるんですねぇ。
  その代表格がマツダ・アクセラではないでしょうか。アクセラはマツダが2003年から販売を開始し、現在でもMAZDA3という車名に変更されてラインアップされている長寿命車です。そのなかで注目したいのが、スポーティな走りに突出したモデル「マツダスピード アクセラ」です。
  そもそもアクセラが属しているCセグメントのコンパクトハッチバックでは高出力なエンジンを搭載したスポーティモデルが好まれ、アウディ然りフォルクスワーゲン然り、1ランク上のエンジンを積んだモデルを出しているんです。が、マツダは他ライバルよりも2ランクも上のエンジン(=2.3リッター+ターボ)を積んだもんですから、その速さにヨーロッパ車は真っ青! ところがそんなバカっ速でファン・トゥ・ドライブが楽しめるマツダスピード アクセラが、日本の道路を走るのは極めて稀なのでした。というのも、マツダにはもっと走りが楽しいロードスターがありましたし、もっと速いRX-7(RX-8含む)がありましたから。
  それに、5ドアハッチバックには速さよりもユーティリティを求めるユーザーが多く、「だったらもっと荷室が広いほうがいいや」とワゴンに流れる人が大半だったからでしょう。
  同じように走りに突出して失敗(?)したクルマはほかにもあって、日産のコンパクトSUV、ジュークも典型的な例といえます。たったいま「SUV」と明記しましたが、ジュークはSUV、コンパクトハッチなど、クルマの枠を取っ払って独自のジャンルを突っ走るユニークなクルマです。
  もちろんスポーツカーの要素もあって、元気いっぱいのエンジンと小気味のいいサスペンションがもたらす走りは快感そのもの。しかも、2010年に追加された16GT FOURは、通常の1.5リッター自然吸気エンジンから1.6リッター直噴ターボエンジンへ換装され、最高出力は114馬力から一気に190馬力にアップ! そのうえ、エクストレイルの「4×4-i」を進化させた4WDシステムを搭載することで、コーナーリング時でも適切なトルク配分を実現! 16GT FOURの明快な走りはジュークそのものの価値を上げる……、とモータージャーナリストや専門誌(もちろん日産も)は評価したんですが、主に海外で売れるばかりで日本での売れ行きはさっぱり。う〜む、その原因は先述のアクセラと被るかもしれません。
  さて、大パワー&4WDシステムを組み合わせたにもかかわらず、不遇の結果を招いてしまったクルマはもう1台あります。それは1992年にスバルから発売されたヴィヴィオのスポーツグレード、ヴィヴィオRX-Rです。軽自動車ですから排気量は660ccですが、直列4気筒DOHCエンジンはスーパーチャージャーで加給され、最高出力は自主規制の64馬力を発揮!(当時、実際に計測すると余裕で80馬力は出ていたとか!?)
  その大パワーを軽自動車には贅沢な4輪独立懸架式サスペンションと4WDシステムが確実に路面に伝達! そうしたパフォーマンスに見合うべく、エクステリアは大型のフォグランプやリヤスポイラーなどが奢られていたこともあって、ヴィヴィオRX-RはまさしくWRCのラリーカーのような存在感を放っていたのでした。が、そんな好評価を下したのは大学の自動車部や一部のジムカーナ愛好者くらいで、売れ行きはパッとしませんでした(泣)。
  かように、クルマそのものの魅力(性能&デザイン)はあるのに人気が出なかった車種を6台紹介してきましたが(もっともっとあるんですけどね)、人気がないということは、セカンドマーケットでは価格がこなれているということがいえます。つまり、お買い得ってこと! リーズナブルなプライスで購入すれば、とってもスポーティで楽しいカーライフが満喫できますよ!

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