660ccを舐めるなよ! 軽なのにココまでやるかの「メーカーの意地と魂」を感じるエンジン5選

2024.04.10 11:40
この記事をまとめると
■名機とも言える個性的な軽自動車の660ccエンジンを紹介
■660ccながら、4気筒であったり5バルブであったりと個性的なユニットが多かった
■いまでは環境性能重視と低コスト化優先のために個性的なユニットはほぼなくなった
660ccだからといって侮るなかれ
  日本独自の規格である軽自動車は、限られたボディサイズと排気量、そして乗車定員などの制限がある一方で、税制面などで優遇されているため、日常のアシやビジネスユースになくてはならない存在となっている。
  ただ、前述したようにエンジンの排気量には制限があり、1990年1月以降は660ccが上限となっている。そのため、エンジンとしてはどのメーカーのものも大差ないものになっていると思いきや、じつは同じ660ccのエンジンでも、かなり尖ったキャラクターを持つものが各メーカーに存在していたのだ。
三菱 4A30型
  軽自動車のエンジンといえば3気筒エンジンが主流となっているが、1990年代には4気筒にチャレンジするメーカーも少なくなかった。
  7代目ミニカには4気筒SOHCの4A30型エンジンを搭載するグレードが存在し、そのホッテストモデルであるダンガンには、4A30型のツインカムインタークーラーターボエンジンが搭載されていた。
  それだけでも十分に衝撃的なのだが、ミニカダンガンのエンジンは1気筒当たり5つのバルブを備えたものとなっており、現在に至るまで軽自動車用のエンジンとして5バルブを採用した唯一のエンジンとなっている。
ダイハツ JB-DET型
  1994年9月に登場した4代目ミラに初搭載された直列4気筒エンジンのJB型エンジンは、インタークーラーターボのJB-JL型とNAエンジンのJB-EL型が存在していた。
  その後、軽自動車の規格が改定されてボディサイズが大型化されてからは、JB-DET型と呼ばれるターボエンジンに1本化され、主にムーヴやオプティ、MAXといったスポーツ系というよりはクラスレスな魅力をもつモデルに搭載されることが中心となっていた。
  その後、2002年に登場した軽スペシャリティオープン2シーターモデルのコペンにも採用されたJB-DET型エンジンは、ツインスクロールターボ仕様に進化し、最大トルクは11.2kg-mを発生。この数値は軽自動車の最大トルクとしては現在においても最強の数値となっている。
ファンの間では未だに根強い人気を誇る
ホンダ E07A型 MTREC
  平成ABCトリオの1台、ビートに搭載されたE07A型エンジンは、実用的なSOHCエンジンであるE07A型をベースとしながらも、MTRECというエンジン制御システムを搭載してスポーツエンジンへと昇華させた。
  このMTRECとは、F1のエンジンテクノロジーの応用から生まれたもので、3連スロットルとふたつの燃料噴射制御マップ切替方式を導入してハイレスポンスなエンジンを実現。その結果、NAエンジンらしいシャープなレスポンスと、NAながら軽自動車の自主規制値MAXの64馬力を叩き出すことに成功したのだ。
  この数値は現在においても軽自動車用のNAエンジンとしては最高値を誇っており、いまだに多くのファンが存在するのも頷ける名機となっている。
スズキ F6B型
  スズキの名機といえば、数々のチューニングノウハウが存在しているK6A型や、ケータハムにも搭載されているR06A型などが思い浮かぶが、ここで紹介したいのは、スズキの軽自動車用エンジンとしては唯一の4気筒エンジンとなるF6B型だ。
  このエンジンは、1990年に登場したセルボモードのSR-FOURというグレードにのみ搭載されており、軽自動車用の直列4気筒DOHCエンジンとしては史上初となるものだった。
  エンジン型式こそ3気筒モデルのF6A型に似ているが、3気筒モデルと同じエンジンのスペースに搭載するべく多くの専用部品がおごられており、許容最高回転は1万回転オーバーの超高回転型エンジンだったのである。
スバル EN07X型
  現在はダイハツのOEMモデルを販売しているスバルの軽自動車だが、自社製の時代はいち早く4気筒エンジンを採用し、熟成を重ねてきた。そんなスバルの軽自動車用4気筒スポーツエンジンの完成形ともいえるのが、ヴィヴィオRX-Rに搭載されたEN07X型だろう。
  ツインカムヘッドとスーパーチャージャーで武装したこのエンジンは、ヴィヴィオのモデル末期に性能を追求するがあまりハイオク仕様になるほど(その後のモデルに搭載されるときに再びレギュラー仕様となったが)。
  また、このエンジンを搭載したヴィヴィオが1993年のサファリラリーに参戦し、クラス優勝を果たすなど、実力も兼ね備えた名機となっている。

あわせて読みたい

アルト ワゴンR ジムニー ミラ……スズキ・ダイハツの名モデルたちが最も売れた時代
ベストカーWeb
2大スーパーカーブランド「フェラーリ」&「ランボルギーニ」! 特徴的な車名はどうやって付けられた?
WEB CARTOP
dアニメストアCMに須田景凪氏の新曲起用
antenna
タントがヒットしている時代にスバルR1発売…… 時代に逆行する軽スぺシャリティをなんで作っちゃたのよ! だけど今じゃ新車のお値段以上の260万円に暴騰中!
ベストカーWeb
RX-8 パジェロミニ サンバー ブレイド……10年前の日本車はこんなに面白かった!! 2012年の「消えていったクルマたち」10選
ベストカーWeb
白井屋ホテルから母の日限定”クッキー缶” 「ラ フェット デ メール」登場
PR TIMES Topics
スバリストたちの悲喜こもごもが聞こえてきそう……!? 惜しくも消えたスバル車4選
ベストカーWeb
4輪独立懸架×4WDでミッションはMTのみ! スバル初のリッターカー「ジャスティ」は個性がウナる1台だった!
ベストカーWeb
「母の日」に感謝の気持ちを込めたアートのような特別なスイーツ発売
PR TIMES Topics
同じ排気量でもまったく違うエンジンになる! カタログに書いてある数字「ボア×ストローク」っていったい何?
WEB CARTOP
エンジンが超気持ちいい! ビートは遊び心から生まれた傑作だった!! 今なお愛され続ける軽オープンスポーツ
ベストカーWeb
plus eauより初夏の限定フレグランス“紫陽花”シリーズ数量限定発売
PR TIMES Topics
もうすぐデビューから55年。人気衰えぬオールドジムニーの歴史を振り返る
&GP
「いまの軽って普通車以上だよね」なんて声! それでも「軽自動車を買わない」ケースとは
WEB CARTOP
「Q SKIP」で楽しむ!東急沿線1日お散歩旅
antenna
突如出たホットハッチ?? なYRVって何モノ!? 1世代で終ったけどダイハツ復活ならスポーツ全フリでどうよ
ベストカーWeb
ダイハツは復活なるか? 歴代ダイハツ名車の系譜と今後の行方
ベストカーWeb
【SABON】廃棄される花々をドライフラワーで彩るオリジナルギフトボックスのワークショップ開催
PR TIMES Topics
カプチーノ スプラッシュ キザシ ツイン……志半ばで消えたスズキのクルマたち4選
ベストカーWeb
乗ればライディングが上手くなる!? リターンライダーにお勧めな“ちょうどいい”大型バイク5選
&GP
持ち運びに便利なハンドルタイプのモバイルバッテリー「700-BTL054シリーズ」発売
PR TIMES Topics