ニラは病害虫や、暑さ寒さにも強くよく育つため、ベランダでのプランター栽培に向いています。収穫後も根元を残しておけば、年に3~4回、4~5年にわたって収穫できます。
準備するもの
ニラの種
深さ15cm以上のプランター
培養土
鉢底石
移植ごて(小型の園芸用シャベル)
化成肥料
園芸用ハサミ
じょうろ
種まき
春なら3~4月ごろ、秋なら9月ごろに種まきを行い、いずれも11月まで収穫できます(秋まきの場合は、収穫は翌年からとなります)。初心者の場合は、気候のよい春まきが育てやすくておすすめです。
きれいに洗ったプランターに鉢底石を敷き、培養土を入れる。
プランターの土にたっぷり水やりをする。
15~20cm間隔で人差し指を深さ1cmほど指して、まき穴をあける。
まき穴に5、6粒ずつ種をまいて、薄く土をかけ、水やりをする。
水やりのコツ
土が乾燥すると葉が固くなったり、アブラムシがつきやすくなったりします。土が乾く前にたっぷりと水を与えましょう。
間引き
種まき後、10日ほどで芽が出てきます。
草丈が7~8cmになったところで、密集している部分の苗を抜いて3本にし、葉と葉が触れ合わないようにします。
追肥
間引いた後は、株から少し離れたところに固形肥料を10g程度まいておきます。
memo
固形肥料のかわりに、液肥を水といっしょに与えてもOK。
収穫
草丈が30cm以上になったら、根元から3~4cm上で、必要な分だけハサミで切り取り収穫します。
収穫のコツ
収穫のたびに追肥をしておくと、切り残した株から再生して、何度も収穫が楽しめます。
年に何度でも収穫できますが、植え付け1年目の株が若いうちは収穫回数を控えると、株が充実します。
夏~秋に、花茎が伸びてとう立ちすると花蕾ができます。花蕾ができると葉が固くなったり株が弱まったりするので、花茎ごと取り除きます。切り取った花茎は、ハナニラとして食べられます。
注意する病害虫
比較的強いニラですが、次の病害虫に注意しましょう。
●病気
葉腐病、萎縮病、さび病、白斑葉枯病
●害虫
ネギアブラムシ、ネギコガ、ネダニ
最後に
新鮮なニラをスープや炒め物などで楽しんでください。藤田 智さんプロフィール
藤田 智
恵泉女学園大学副学長
1959年秋田県湯沢市生まれ。宮澤賢治に憧れ、岩手大学農学部に入学し、同大学院修了。向中野学園高校教員、恵泉女学園園芸短期大学助教授を経て、現職。専門は、園芸学、野菜園芸学。野菜栽培に関連する著書は140冊を超え、「NHK 趣味の園芸 やさいの時間」や日本テレビ「世界一受けたい授業」などのTVにも多数出演する。家庭菜園や市民農園の指導、普及活動を通じて、野菜づくりの楽しさを広げる取り組みを行っている。
ホームページ/藤田 智さんプロフィール
[ニラ]含まれる栄養素や、鮮度の見分け方&保存方法のコツは?
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中国西部が原産といわれるニラは、日本でも古くから栽培され、古事記や万葉集にも登場するほど長きにわたって親しまれています。強い香りが料理のアクセントになり、中華料理などで活躍します。
最終更新:2023.01.04
文:アーク・コミュニケーションズ
写真(撮影):谷山真一郎
監修:藤田智、カゴメ
参考文献:
『野菜とハーブのプランター菜園』藤田智監修(ブティック社)
『NHK趣味の園芸 やさいの時間 藤田智の 野菜づくり大全』(NHK出版)