オールマイティなサイズ感としなやかな走り ポルシェ「マカン4エレクトリック」

2025.03.14 12:00
ポルシェ「マカン」がフルモデルチェンジし、2代目として登場。最大のトピックは、ラインアップがすべてBEV(電気自動車)となったことだ。日本のポルシェ公式ウェブサイトでは従来のガソリンモデルも併売されているが、新型の完成度が気になるところ。 用意されたのは4つのモデル。エントリーモデルの「マカン」、そして「マカン4」、「マカン4S」、最上位の「マカン ターボ」だ。マカンのみ後輪駆動で、それ以外の3モデルは前後にモーターを1基ずつ搭載するAWD(全輪駆動)となる。試乗したのは、ベーシックモデルのマカン4。
クロスオーバーSUVスタイルの5ドアボディは、ひと目で新型とわかる。オールマイティに使えるサイズ感も相変わらずだ。先代マカンのフォルムをより滑らかにし、ヘッドランプの横長デザインはポルシェ初のBEV「タイカン」との共通性を感じさせる。一方で、BEVらしさを主張しすぎないデザインが印象的だ。
プラットフォームは、ポルシェがアウディと共同開発したBEV専用のもの。床下に100kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載し、システム最高出力は387ps(オーバーブースト時408ps)、一充電航続距離はWLTPモードで612kmと、ポルシェらしい高出力と長い航続距離を確保している。
外観は先代を踏襲しているが、インテリアはタイカンに近い印象。直線的ですっきりとしたダッシュパネルやセンターコンソールが採用されている。BEV化に伴いホイールベースが伸びたことで、室内全体が広く感じられ、リアシートの足元にも余裕が生まれた。ラゲッジスペースにはキャディバッグをクロスさせれば2本積載可能。3本以上積むなら、4:2:4分割可倒式のリアシートを活用することになる。
操作系は、スイッチの多くをタッチパネルに収納し、シンプルな見た目を実現。最新世代のポルシェらしく、直感的な操作が可能だ。ステアリング上のADAS(先進運転支援システム)用スイッチや、ドライビングモードセレクターのダイヤルも配置。バケット風のシートはホールド性に優れ、スポーティなモデルに乗っている実感を高めてくれる。
スタートボタンを押し、静かに目覚めるマカン4。エレクトリックならではの静粛性に包まれながらアクセルを踏み込むと、瞬時に650N・mのトルクがタイヤを蹴り出し、力強く加速していく。0-100km/h加速は5.2秒とポルシェとしては控えめだが、滑らかで一体感のある動きが印象的だ。
市街地では、低速からのトルクの立ち上がりがスムーズで、意のままに操れる感覚が心地よい。段差を乗り越えた際の衝撃の収まりも良く、サスペンションがしなやかに機能していることが伝わる。ワインディングロードに差し掛かると、ポルシェならではのハンドリングの妙が光る。ステアリングに伝わる情報量は豊かで、前後重量配分のバランスが絶妙。コーナーの入り口でスロットルを緩めると適度な回生ブレーキが効き、狙ったラインを正確にトレースできる。
アクセルを再び踏み込めば、AWDならではの安定感と力強いトラクションが後押しし、コーナー出口での立ち上がりがスムーズだ。限界域でも挙動が破綻することなく、コントローラブルなドライビングフィールが楽しめる。BEVならではの低重心は、従来のマカンよりもさらに洗練された走りを実現。BEVで感じられた“重さ”はほぼなく、軽快さと安定感を見事に両立している。タイカンで培われた技術がしっかりと息づき、マカン4は既に完成度の高い一台として仕上がっていた。
より速さを求めるなら、「マカン4S」や「マカン ターボ」を選べばいい。しかし、BEVのオーナーになれば、加速性能よりも滑らかな走行フィールや航続距離に意識が向くはず。その点でも、「マカン4」は最新のポルシェBEVの走りを存分に楽しめる一台といえる。
ポルシェ マカン4エレクトリック  車両本体価格: 1045万円(税込)ボディサイズ | 全長 4784 X 全幅 1938 X 全高 1622 mmホイールベース | 2893 mm車両重量 | 2330 kgシステム最高出力 | 387 PS(285 kW)※オーバーブースト時 408 PS(285 kW)モーター最大トルク | 650 N・m一充電走行距離 | 612 km(WLTCモード)お問い合わせ先www.porsche.com
Text : Takuo Yoshida

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