走りも時代も、余裕で超えていく ベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」の真価

2025.04.11 13:00
日本ではそこまでメジャーとは言えないが、ハイエンドカーの世界において“クーペ”という様式は、常に華やかなスポットライトを浴びる存在だ。2ドアの伸びやかなボディ、豪奢なインテリアが織りなす一体感。ベントレー「コンチネンタルGT」は、まさにその象徴。
2003年にデビューした初代コンチネンタルGT。その具体的なモチーフとなったのは、50年代から60年代に王侯貴族や実業家、銀幕のスターたちに愛された瀟洒なクーペ「Rタイプ コンチネンタル」という名作だ。伝統と革新を両立させるというベントレーの美学は、このモデルに凝縮されている。
今回試乗した新型「コンチネンタルGTスピード」は、2024年6月に発表された4代目。ボディのプロポーションは歴代モデルの面影をしっかりと残しつつ、ディテールには新しさが光る。特にフロントフェイスは、4灯式から大型の2灯式LEDマトリクスヘッドライトへと変更され、よりシンプルかつ力強い印象を放っている。
実際に目の前にすると、先代との違いが少なく見えるかもしれないが、細部に確かな進化を感じることができる。先代と同じプラットフォームでコンポーネンツの68%を刷新。中身はまったくの別物といっていい。
厚みのあるドライバーズシートに身を沈め、メーターパネルに目をやると、新型のトピックでもある電動化の存在感がにじむ。 この4代目コンチネンタルGTスピードは、4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンと190psの高出力モーターを組み合わせたプラグインハイブリッド(PHEV)を搭載。システム合計出力は782psにも達し、トランスミッションには8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を採用する。ベントレーが“ウルトラパフォーマンスハイブリッド”と呼ぶにふさわしい、次世代のパワートレインだ。
スタートボタンを押しても、エンジンは目を覚まさない。静寂のままクルマは滑り出す。これが「GTスピード」なのかと、思わず息を呑む。190psという高出力モーターが2.5トン近い車体をあっさりと持ち上げてしまう。踏み込めばスムーズかつパワフルな加速が得られ、EV走行だけでも街中はもちろん、郊外までストレスなく走破できてしまう。
計器の回転計は左半分がエネルギー回生メーターとなっており、EVとガソリンそれぞれの航続距離が表示される。床下に搭載されたバッテリーは25.9kWhと大容量で、最長で81kmのEV走行が可能。静粛性と力強さの両立がこのクルマのキャラクターを際立たせている。
ドライブモードを「スポーツ」にすると、V8ツインターボエンジンが目覚めて怒涛の加速を見せた。だが「B(ベントレー推奨モード)」や「コンフォート」では、かなり強くスロットルを踏み込まない限り(スペック上は約140km/hまで)、EV走行のまま静かに走り続ける。
注目ポイントはパワートレインだけではない。48Vの電力で駆動する後輪操舵システムや電動油圧スタビライザー、電子制御のエアサスペンションなど、先進的な制御テクノロジーが満載。これらがもたらすドライブフィールは非常にユニークだ。
まず驚くのはその取り回しやすさ。ボディサイズを感じさせない小回り性能に加え、サスペンションの当たりはしなやかでありながら、コーナーではロールが最小限に抑えられ、重厚な車体が俊敏に動く。まさにグランドツアラーとしての理想的な挙動といえる。
そして、何よりこのクルマは速さを声高に誇らない。乗員をリラックスさせたまま、静かに、まるで滑るように高速域へと突入していく。内燃機関とモーターが絶妙な調和を見せるこの走りこそ、ベントレーが提案するラグジュアリーの本質なのだ。
見た目の質感の高さ、走りの完成度、そして必要にして十分な容量を誇るラゲッジスペースといった長所を継承するだけでなく、ADAS(先進運転支援システム)の性能も格段に向上。快適性と安全性の両立という意味でも、4代目は超高級グランドツアラーの座を確実に継承していた。
ベントレー コンチネンタルGTスピード  車両本体価格: 3930.3万円(税込)ボディサイズ | 全長 4895 X 全幅 1966 X 全高 1397 mmホイールベース | 2851 mm車両重量 | 2459 kgエンジン | V8ツインターボ + Eモーターエンジン最高出力 | 600 PS(441 kW)エンジン最大トルク | 800 N・mEモーター最高出力 | 190 PS(140 kW)Eモーター最大トルク | 450 N・mシステム最高出力 | 782 PS(575 kW)システム最大トルク | 1000 N・mお問い合わせ先
www.bentleymotors.jp
Text : Takuo Yoshida

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