【海外セレブもトリコになる日本酒の魅力】年間2000種類のお酒を飲む著者が奥深い日本酒の世界を紹介した、楽しく学べるお酒の教養書『酒ビジネス』好評につき第3刷重版を実施!

2025.03.10 11:50
クロスメディアグループ株式会社
ビジネス書や実用書を中心に出版する株式会社クロスメディア・パブリッシング(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:小早川幸一郎)は、2025年3月10日に書籍『酒ビジネス』の第3版重版を実施しました。本書は、酒蔵コーディネーターの高橋理人氏による一冊。日本酒に関する身近な疑問から、世界で注目されている銘柄まで取り上げられており、日本酒の知識を網羅できる内容となっています。

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●ビジネスパーソンが知っておきたい、「教養としてのお酒」1万部突破!
「海外で日本酒の人気が出てきている」

こうした話を、ニュースで耳にしたことがある方もいるかもしれません。実際、日本酒の人気は世界で急上昇しています。これまで日本酒の消費は日本国内が中心でしたが、今では世界各地で日本酒が注目されています。

例えば、「獺祭(だっさい) 磨き その先へ」という日本酒をご存じでしょうか?

これは2014年に安倍元首相がアメリカのオバマ元大統領に訪日記念としてプレゼントしたことでも知られる、1本4万円を超える日本酒の銘柄です。こうした日本酒は海外の俳優やスポーツ選手からも愛されており、日本へ買い付けにやってくる海外セレブもいるそうです。

数字で見ても、この10年で日本酒の海外市場が拡大し、日本酒の輸出先は2023年時点で75の国と地域にまで増えています。つまり今、世界の3割以上の国で日本酒が普通に飲まれているのです。

本書は、このように国際的な注目を集めている日本酒について、ビジネスの現状や業界構造の解説だけでなく、「誰かに話したくなるネタ」が満載。「杜氏はどんな仕事をしているのか」「日本酒と言えば大吟醸、はもう古い」「ハワイに100年前から日本酒醸造所がある理由」「戦後の酒不足を、日本人はどう乗り切ったのか」など、飲むのが好きな人から日本酒の専門家まで、幅広い層の方が楽しく読める一冊です。

著者の高橋さんは、年間2000種類の日本酒を飲む酒造コーディネーター。大手メーカーや、コンサルティングファームで製造業の業務・経営改革に携わり、2020年からは株式会社蔵楽(くらく)を立ち上げました。「酒蔵を世界一働きたい場所に」をビジョンに、東南アジア向けの輸出、日本酒サブスク「TAMESHU(タメシュ)」の他、酒蔵のプロデュースや酒イベントの企画など幅広い事業を行っています。

日本酒の魅力がたっぷり詰め込まれた本書は、このたび第3刷重版を決定し、紙書籍・電子書籍を合わせて1万部を突破しました。

●獺祭は何がすごいのか
本書の第3章、「『獺祭』に学ぶ酒づくりの世界」から、酒づくりの過程と製法へのこだわりを少し紹介しましょう。

日本酒を普段飲まなくても、「獺祭」というお酒の名前は聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

山口県の旭酒造が作る「獺祭」は、今でこそ国内外で高い知名度を誇りますが、以前から多くの人が知っているわけではありませんでした。3代目の桜井博志現会長が蔵を継いだ1980年代半ばは、過去10年で見ると、売上が3分の1にまで落ち込み、当時の看板商品「旭富士」は地元でも苦戦していて、いつ潰れてもおかしくないような状況でした。

しかし、そんなどん底のような逆境から一気に改革を行った結果、2010年に売上10億円を突破すると、2016年には108億円、2022年には165億円とうなぎ上りに売上が増えていきます。さらに注目すべきは、現在の売上の43%を占める70億円は海外輸出によるという点です。2022年の日本酒全体の輸出額は約475億円なので、その15%を獺祭が占めているという計算になります。

では、この獺祭は何がすごいのか、まずは原材料から見てみましょう。日本酒の原材料はもちろんお米ですが、獺祭では全量「山田錦」を使っています。山田錦は「酒米の王様」と呼ばれ、米粒自体が大きく、さらに心白と呼ばれる米の中心の白い部分を多く含んでいます。

心白が大きいことで、雑味の元となるたんぱく質が少なくなり、コメが溶けやすい特徴を持っています。つまり、山田錦を使用したお酒は、香りが良く、すっきりしたキメ細かいお酒になります。酒づくりに携わる方なら、お米を見ただけでも思わず腕がなるほど、酒づくりに適した品種と言われています。

そもそも日本酒は「原料の米をどれくらい削るか(磨くか)」でランクが変わります。なぜ削るかというと、外側の部分に雑味の元となるたんぱく質を多く含んでいるからです。できるだけ中心部分だけを使えば、きれいな味わいのお酒になるのです。これを日本酒業界では「精米歩合」という言葉を使い、磨いた後にどれくらい白米が残ったかを割合で表現しています。例えば、精米歩合が60%とは、「玄米を40%磨いた」という意味です。皆さんが普段食べている白米の精米歩合はおよそ玄米に対して10%磨いているので、精米歩合90%と表します。

特に、精米歩合50%以下、半分以下に削る純米大吟醸は最高ランクのお酒に分類されます。この純米大吟醸だけを造っているのが獺祭です。獺祭の代名詞とも言える「獺祭磨き二割三分」の精米歩合は23%で、発売当時は最高ランクに磨かれた日本酒でした。

精米歩合の数字だけ見ると、「もっと削ればいいのでは」と思ってしまいますが、それを実現するには大きな手間と時間がかかります。精米にかかる時間は、70%なら12時間、60%なら24時間、50%なら48時間。さらに23%となると168時間、日数にして7日間もかかるのです。

つまり獺祭は、酒米の王様である山田錦を、最大限の手間ひまとコストをかけて磨いたお酒だということです。獺祭を製造する旭酒造は、常に限界に向けてチャレンジをし続けている企業なのです。

本書では他にも、人に話したくなるような日本酒の教養が紹介されています。日本酒市場の概要に始まり、サプライチェーン事情、お酒の楽しみ方、トレンドになりつつあるクラフトサケの事例まで幅広い内容をカバーしており、この一冊で、日本酒のビジネスや日本酒そのものについて幅広い知識が得られるでしょう。

●著者紹介
高橋理人(たかはし・まさと)
呑み手のプロ/株式会社蔵楽代表
早稲田大学商学部を卒業後、大手化学メーカーに新卒入社。社会人初の赴任地である新潟県糸魚川市にて日本酒に開眼。その後、大手コンサルティングファームにて製造業の業務・経営改革に従事。コロナ禍を契機に、2020年10月に株式会社蔵楽(くらく)を創業。「酒蔵を世界一働きたい場所に」をビジョンとして、東南アジア向けの輸出、日本酒サブスク「TAMESHU(タメシュ)」の他、酒蔵のプロデュースや酒イベントの企画など幅広い事業を行っている。製造から流通まで酒業界全般に対する幅広い知見を持つ。現場と「苦楽」を共に、汗をかきながら寄り添う支援を得意とする。座右の銘は「一周回って本醸造」。J.S.A認定SAKE DIPLOMA、ワインエキスパート、SSI認定国際唎酒師などを取得。

●書籍情報
『酒ビジネス』
著者:高橋理人
定価:1,738円(本体1,580円+税)
体裁:四六判 /256ページ / 1色刷
ISBN:978-4-295-41027-0
発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング(クロスメディアグループ株式会社)
発売日:2024年10月25日

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