着想から12年!京都銘菓「おたべ」から「食感」に着目した新たな京都土産「ふわふわおたべ」が誕生するまで

2025.03.07 18:30
株式会社美十(以下:美十)は、京都銘菓「つぶあん入り生八つ橋 おたべ」や「京ばあむ」などを製造・販売する、京都市南区に本社を構える企業です。観光みやげ事業に加え、“食”のフィールドにおいて幅広い事業展開を目指し、新たな挑戦を続けています。


 美十は1966年より「つぶあん入り生八つ橋 おたべ(以下:おたべ)」を販売しています。定番のにっき味や抹茶味に加え、春夏秋冬にあわせた季節のおたべ、洋のおたべ、食べやすいひとくちサイズの「こたべ」等、様々な「おたべ」を発売してきました。
 2025年3月、新たに「食感」に着目した新商品を発売します。食感が特長的な「ふわふわおたべ」が誕生するまでの道のりと同商品のこだわりをご紹介します。
 「ふわふわおたべ」のプロジェクトリーダーを務めている、製品開発部の三好(みよし)に話を聞きました。
2025年3月14日(金)発売、「ふわふわおたべ」とは
‐新商品「ふわふわおたべ」とはどのような商品ですか
三好:「天使も驚く、ふわふわ食感。」をキャッチコピーとした、食感にこだわった「おたべ」の新商品です。
北海道十勝の契約農家より仕入れた小豆と国産バターを使いなめらかに炊き上げたこしあんバターを、きめ細やかなもち粉にメレンゲを合わせたふわふわ食感の生地で包み込みました。こしあんバターのミルキーな味わいと、雲のような真っ白で軽やかな食感が特長となっています。
‐「ふわふわおたべ」が生まれた背景
三好:京都の土産市場において「おたべ」を含む生八つ橋関連商品の人気は高いのですが、味や色などを主体とした商品はすでに出つくしており、市場としての飽和を感じていました。そこで美十では、以前より新しい技術や製法を取り入れたいという想いがありました。


最初に着目したのが「雪平(せっぺい)」というお菓子です。雪平は、求肥に卵白と白あんを加えて練りあげた真っ白なお餅です。この雪平をおたべで表現できないか。と考え、開発に挑戦したのが約12年前でした。
京都のとある和菓子を食べた際に「これだ!」とひらめいたのです。そこからインスピレーションを経て開発したふわふわもちもちとした食感が、これまでの「おたべ」とは違う商品としてお客様へ提案できるのではないかと考えたのです。
しかしながら当時の生産体制でネックとなっていたのが、一度メレンゲを作りそれを生地に加えるという手法でした。手間がかかる上にアレルゲンへの対応など当時では課題が多く、対応が困難でした。量産化に向けた製造や味覚の検査において突破できない課題も多く、企画は立ち消えとなってしまいました。
立ち消えとなった企画に再びスポットが当たった理由
‐再度、開発を検討したのはなぜですか
三好:最初に考えたレシピがすごくよかった、美味しかったというのがあります。これを掘り下げていくと、もっといいものができるだろう。という考えがずっと頭の中にありました。試作の段階で面白かったこの商品をなんとかしてお客様に届けたいという想いが募り、隙間時間に開発を進めてきました。
それと同時に、量産化体制についても考えていました。


‐量産化体制についても三好さんが考えるのですか
三好:そうですね。美味しさを追究することはもちろん、製造工程も含めて商品開発になりますが、着想当時から最大の課題が、量産化に向けた成形方法でした。


‐量産化への課題とはどのようなものですか
三好:新しいおたべの生地は、とろとろした液体のような生地でしたので、それをどのように三角形にするか。が課題でした。12年前の設備では三角の形にすることができませんでした。「おたべ」といえば「三角の形」が特長のひとつですので、この形にはこだわりたいと考えていました。


‐おたべの「三角の形」を作り出す方法が見出せたのですね
三好:はい。そうです。まんじゅうなどを作る包餡機を使った生産方法と、おたべと同じシート状に成形する方法の2案を考え、検討を進めました。
最初に考えたのは包餡機を使った生産方法です。大福のように包んだものを、手づくりのシリコン型で成形し三角の形を作ることができましたので、このシリコンを使用した包餡機を使った生産方法を検討しました。しかしながら量産化を考えると、おたべと同じ生産方法が望ましい。おたべは、シート状で形を成形しあんを乗せ、パッケージングまで進めるのですが、同じような対応ができないか、工場に眠っていた使用していない機械を改造して開発を進めました。


機械の課題については、機械メーカーさんへ足を運び積極的に学んだのですが、そこで量産化の目途を立てることができたのが大きかったです。その後本格的な生地の研究を進め、味・価格・製造体制・投資コストの見込みを立てることができたため、試作品を社内にプレゼンしました。
約2年前のことです。
シート状に伸ばした生地から三角のおたべが作られていく様子


‐提案会での評価はどうでしたか
三好:試食をした社長より「これは美味しい!商品化を目指してもっといいものを作るように」という指示とともに、「新しいおたべとしてお客様に届ける方法を考えてほしい」と言われ、社内プロジェクトが立ち上がりました。
私の他に、製造部・営業部・マーケティング部・デザイン部門から若手が選抜され、新しい「おたべ」について、日々議論を交わしました。


‐プロジェクトではどのような議論をしていたのですか
三好:様々なアイデアを出しては検討を繰り返していました。最終的にたどり着いたのが、多くの方が京都の生八つ橋と聞いて頭に浮かぶ三角の形に「新しさ」を掛け合わせることでした。
生地で包む中のあんに関しては、当初、フルーツやコンフィチュールの使用など多くの案がでてきましたが、「おたべ」の新定番を作るために「おたべ」で培ってきた技術を生かしたいと考え、「小豆」を使うことにこだわろうと決めました。北海道十勝の契約農家から「小豆」を仕入れ、美十の若狭工場で製造する「あんこ」は、美十の強みといえるためです。
最終的に若者世代に人気のあんことバターを掛け合わせた「あんバター」の採用を決めました。なおあんこは、生地との相性を考え、こしあんを使用しています。
「ふわふわおたべ」の原料から、国産バター・メレンゲ・こしあん
「ふわふわおたべ」のこだわりとは
‐真っ白の生地にもこだわりがあるのですか
三好:そうですね。今回は新しい技術を採用することで「おたべ」にふわふわ食感という付加価値をもたらすことができました。ふわふわしたものを連想させるモチーフとして企画・デザインの軸に「雲」を採用し、そこから「真っ白」な色合いにもこだわりました。


経営陣に中間報告を行っている際、「きな粉」を使用してはどうか?というアイデアもでてきました。実際きな粉を使用しても美味しいものができるのですが、きな粉は「和」の要素が強くなってしまいます。従来の「おたべ」がもつ「和」の要素から離れた新しい「おたべ」を目指していたため、その想いを経営層にも伝え、最終的にはプロジェクトメンバーの意図を汲んでいただきました。


‐ふわふわとしたやわらかさを生み出しているものは何ですか
三好:「ふわふわおたべ」は、もち粉でもち生地を作り、そこにメレンゲを加え空気を含ませた生地を作ることで、ふんわりとしたふわふわ食感を生み出しているのですが、この「メレンゲ」と「作り方」がポイントです。
やわらかさを引き出すために、メレンゲを加えたのですが、もち粉とメレンゲのバランスをとるのが大変難しかったです。なめらかな口当たりの中に、お餅を感じてもらう。このイメージに辿り着くまでに幾度となく試作を繰り返しました。


また、ふわふわ食感を引き出すために生地を分厚くしています。定番の「おたべ」と比較すると約2倍の厚さとなっておりますが、女性でも食べやすいように、サイズは一回り小さくしました。


できたてのお菓子が美味しいのは当然です。しかし「おたべ」は土産菓子ですので、作ってからお客様が口にするまでに一定の時間を要します。そこで、お客様が召し上がるタイミングの美味しさを引き出すことにこだわりました。
左:つぶあん入り生八つ橋 おたべ 右:ふわふわおたべ


‐「ふわふわおたべ」はトレーにもこだわっているとお聞きしました
三好:「ふわふわおたべ」の生地を持ってみるとわかるのですが、かなりやわらかいです。
そのため、下から指で押し上げられるトレーを採用しています。トレーは三角の形が維持できるようにしているのですが、「ふわふわおたべ」にあわせて開発しました。ぜひトレーにも注目してみてください。
‐「ふわふわおたべ」のおすすめの食べ方を教えてください
三好:やはり、そのままお召し上がりいただくのがおすすめです。お餅のようにも味わえますし、お菓子としても美味しいと自負しています。もし飲み物をご用意する場合は「煎茶」がおすすめです。キレの良いものや苦みのあるものとの相性がいいですね。


‐最後に「ふわふわおたべ」が目指すものを教えてください。
三好:京都土産として認知の高い「三角の形」に、新しさとして「食感」を掛け合わせた「ふわふわおたべ」。京都銘菓「おたべ」を多くの方に知っていただき、手に取ってもらいたいと考え生み出した「ふわふわおたべ」が、新たな京都土産として、多くのお客様の旅の想い出に寄り添うお菓子になることを願っています。


‐ありがとうございました。
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「おたべ」とともに歩んできた美十は、2025年8月に会社設立60周年を迎えます。60周年を迎える年に、これまでと異なる食感にアプローチした新たな「おたべ」を発売します。
「ふわふわおたべ」は、プロジェクトメンバーの熱い想いと、試行錯誤の末に生まれた商品です。ぜひ、そのふわふわの食感と、おたべの新しい歴史を感じてください。
にて「ふわふわおたべ」について紹介します。普段は見ることのできない製造の裏側や定番の「おたべ」との違いなどを紹介する予定です。
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これからも「おたべ」の進化にご注目ください!

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