世界中に拠点を持つクリエイティブコミュニティ「FabCafe Osaka」が、大阪・天満に2025年4月にオープン

2025.02.27 11:00
ロフトワーク
カフェのコンセプトは「アンフォルム」。蒸留器を使って新たなカルチャーを育む場所で、企業・クリエイター・アーティストが集い、デジタルとリアルを横断する新たなイノベーションの拠点を生み出すことを目指す

株式会社ロフトワーク(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:諏訪光洋)は、「FabCafe Osaka(ファブカフェ オオサカ)」を2025年4月に、大阪・天満にオープンします。FabCafeとしては世界13拠点目、日本国内では6拠点目です。
FabCafeは2012年に東京・渋谷に誕生して以来、タイ、スペイン、フランス、メキシコ、マレーシアなど世界中に拠点を広げるクリエイティブコミュニティです。FabCafeは、新しいものづくりを実践する多様なクリエイターとの共創を通じて、パートナーや社会の課題に取り組みます。世界中に広がるFabCafeは、各地域のクリエイティブコミュニティと密接につながり、その地域ならではのものづくりや素材、テクノロジーを活かした多彩なプロジェクトを手がけています。

大阪は多様な産業が集積し、ものづくりの土壌が豊かであり、国際的なビジネスの拠点としてのポテンシャルを持つ都市です。さらに、商業的な合理性とイノベーションを受け入れる文化を備え、クリエイティブな取り組みが活発に行われています。他方、大阪は歴史的に見ても、古くは難波宮が置かれた都であり、江戸時代には「上方文化」の中心として洗練された町人文化が栄えました。現在の商業都市のイメージとは異なり、高貴で上品な文化が根付いていた時代もあり、その精神は今も大阪の伝統文化や生活に息づいています。

FabCafe Osakaのオープンにより、企業・クリエイター・研究者・アーティストが集い、デジタルとリアル、伝統と最先端技術、理論と情緒を横断する新たなイノベーションの拠点を生み出すことを目指します。

FabCafe Osakaのコンセプト:「L’Informe(アンフォルム)」
FabCafe Osakaが提案するのは、形式に縛られない美しさを追求する近代から現代の美術思想「L’Informe(アンフォルム)」を取り入れた体験です。地域の歴史や文化に眠る価値を再発見し、形を持たない「感性」や「情緒」をテーマに、新しいカルチャーを創造します。

水の都 大阪で、蒸留器を使って新たなカルチャーを育む 
FabCafeでは、3Dプリンターやレーザーカッターといったマシンを設置し、新しい技術でものづくりをする人たちの可能性をひらいてきました。FabCafe Osakaでは、「L’Informe(アンフォルム)」を具現化するツールとして“蒸留器”を導入します。これにより、香りを活用した飲食提供や、感覚を刺激する体験を通して、訪れる方々が感性や情緒を育み、新たな可能性を発見できる体験をつくります。

「蒸留」とは、混ざり合ったものを分離し、本質を抽出する技術です。例えば植物を蒸留すれば、香りの成分が時間とともに変化しながら揮発し、水性と油性のエッセンスに分かれます。原油の精製や香水の製造など、私たちの暮らしの中に密かに息づいているこの技術を、FabCafe Osakaでは創造のプロセスとして取り入れます。蒸留を通じて、見えないものを可視化し、捉えきれない感覚や情緒を探求する。そこに、FabCafe Osakaの新たなものづくりの姿があります。蒸留器は、単なる道具ではなく、発見のためのメディアです。訪れる人々が、自らの感性を蒸留し、研ぎ澄ませ、新たな創造の可能性を見出す。FabCafe Osakaは、そんな場を提供します。
都市性とローカル性が入り混じるエリアで共創を生み出す
新オープンするFabCafe Osakaは、天神祭で有名な大阪天満宮や、淀川流域の文化に育まれた天満・南森町エリアに位置しています。大阪駅から地下鉄で1駅とアクセスが良い場所でありながら、日本一長い商店街として知られる天神橋筋商店街、上方落語の定席の一つ、天満天神・繁昌亭などの大阪らしい文化や歴史を感じられるエリアです。
FabCafe Osakaは、南森町にある元自動車整備工場の物件跡地にオープン
店舗概要店舗名:FabCafe Osaka(ファブカフェ オオサカ)
所在地:大阪府大阪市北区天神橋2丁目2−4
敷地面積:111.74m²
出店予定日:2025年4月(予定)
席数:48席
アクセス:
[電車でのアクセス]
・JR東西線 大阪天満宮駅から徒歩5分
・Osaka Metro谷町線/堺筋線 南森町駅から徒歩5分
・京阪本線/Osaka Metro堺筋線 北浜駅から徒歩10分
SNS
Webサイト:
Facebookページ:
instagram:
FabCafe Osaka 事業責任者よりメッセージ
「アンフォルム」を現代の街に持ち込む意義現代において、私たちは無意識のうちに固定された形式に縛られています。そんな中で、どのように「アンフォルム(L’Informe)」という概念を持ち込み、新たな視点を生み出せるのか。それが、街づくりに関わる機会が増えたロフトワークにとっての重要な問いです。
私たちは、対象とする街のどこにまなざしを向け、何を大切にし、どんな新しい価値を持ち込むのか。この選択こそが、クリエイティブの力を発揮できる場面だと考えています。
大阪は、古くから品格を持ち、民間の力によって文化やインフラを発展させてきた街です。自らの手で大阪の文化をより良くしようとする精神が、街の成長を支えてきました。私たちは、この「品格と知性にあふれる大阪」というあり方を大切にしながら、現代において必要な「アンフォルム」をFabCafe Osakaで探求していきます。

ロフトワーク プロデューサー/FabCafe Osaka 事業責任者
小島 和人(ハモ)





FabCafe Osaka 設計のパートナー
これまで、大阪・東横堀川沿いにあるパブリックスペースβ本町橋の設計などを手掛けているMarginalio Inc.の井上真彦氏と、ロフトワークのファミリーカンパニーである株式会社飛騨の森でクマは踊る(通称:ヒダクマ 拠点:岐阜県飛騨市)とタッグを組み、内装材に広葉樹である飛騨の森の資源を活用します。
FabCafe Osaka 模型
井上真彦氏1982年石川県生まれ。神戸大学工学部建設学科卒業、同大学大学院自然科学研究科建築学専攻修了。2008 年から grafに所属し、主に空間設計、プロダクトデザインを担当。2014 年に自身の事務所を開設後、高架下や道路、河川敷、防波堤、水上といった都市の周縁的空間の利活用を目指すプロジェクトに携わる。2023年、株式会社Marginalio一級建築士事務所設立。近作に水辺の実験基地「β本町橋」や、東横堀川での水上の社会実験、感性の土壌を耕す貸別荘「WORM」等。人の周囲に存在する様々な現象や要素を探求していくデザインプロジェクト“elements”のメンバーとしても活動中。
株式会社飛騨の森でクマは踊る(通称:ヒダクマ)ヒダクマは、2015年5月、森林の活用と地域経済の創出を目標に掲げ、ロフトワーク・飛騨市・トビムシが出資して生まれました。ヒダクマは、森林木材事業と地域交流事業の大きくふたつの事業を行っています。森林木材事業では、建築家・デザイナー・企業を対象に、飛騨の森の豊かな木を活用した家具や建築空間の設計や製造、商品開発、素材開発などの支援を行っています。地域交流事業では、デジタルものづくりカフェ「FabCafe Hida」を運営。カフェには、ゲストハウス、木工房が併設されており、国内外のクリエイター、教育機関や企業に向け、森や林業、ものづくりを体感できるツアーや合宿プログラムを提供しています。また、森や地域の文化に親しんでもらえる楽しいイベント・ワークショップを定期的に開催し、森と地域内外の人々をつなぎ、コミュニティを育んでいます。
FabCafeFabCafeは、世界中に拠点を持つクリエイティブコミュニティです。人が集うカフェに、3Dプリンターやレーザーカッター等のデジタルものづくりマシンを設置。“デジタル”と“リアル”の壁を自由に横断し、未来のイノベーションを生み出します。地域のクリエイターやアーティスト、企業とともに、食、アート、バイオ、AIから教育まで、ものづくりの枠を超えたラボ活動も行っています。
ロフトワークロフトワークは「すべての人のうちにある創造性を信じる」を合言葉に、クリエイターや企業、地域やアカデミアの人々との共創を通じて、未来の価値を作り出すクリエイティブ・カンパニーです。ものづくりを起点に、その土地ならではの資源やテクノロジーを更新する「FabCafe(ファブカフェ)」、素材と技術開発領域でのイノベーションを目指す「MTRL(マテリアル)」、クリエイターと企業の共創プラットフォーム「AWRD(アワード)」などを運営。目先の利益だけにとらわれず、長い視点で人と企業と社会に向きあい、社会的価値を生み出し続けるビジネスエコシステムを構築します。

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