生成AIを活用した地域企業との共創。地域越境ビジネス実践プログラム体験ストーリー

2025.01.17 10:00
ドコモgaccoは、NTTドコモグループの教育事業の中核として2009年に設立されました。「テクノロジーによる学び体験で誰もが自信をもって自分の人生を選べる世界」の実現に向けて、『問いを立て、関連づける力』を養うための事業を展開しています。「地域越境ビジネス実践プログラム」は、地域企業へのダブルワーク型フィールド研修を通じて、ソリューション力とリレーション力を養成。社会課題に当事者意識をもって向き合う経験、異なる背景を持つ関係者とビジネス共創する経験、生成AIを自らの力で自由にビジネス実装する経験から「社会を変えるビジネスリーダー」としての素養を養うプログラムです。 
地域越境ビジネス実践プログラム 
本ストーリーでは、実際に本プログラムに参加したメンバーの体験ストーリーを通じ、プログラム参加前後の心境の変化や地域企業との共創を通じて得た学びなどをご紹介します。 

目次 自己紹介 企業紹介:アステナミネルヴァ株式会社について 石川県珠洲市・奥能登の魅力 ヘルスケア事業「NAIA」について アステナミネルヴァの人々 プロジェクトスタート直後に大変だったこと 具体的な取り組み:Instagram運用と生成AI活用 得られた学び・気づき 4ヶ月を終えてのまとめ 


1. 自己紹介
私は株式会社ドコモgaccoの安部と申します。2010年に株式会社NTTドコモへ入社し、入社15年目になりますが、4~5年ほど会社を離れ別の道を歩んだ時期があるため、社歴としてはおよそ10年目の社員という感覚でおります。共働きで年少の子どもがおり、毎日走ってお迎えに行くような生活の中で、このプログラムに参加しました。 
始める前は「20%稼働」とはいえ、子育てとの両立がどれだけできるのか不安でした。しかし、今は「やってよかった」と思っています。どのように気持ちが変わっていったのかなども含め、お伝えします。 
自己紹介


2. 企業紹介:アステナミネルヴァ株式会社について
私がお世話になったアステナミネルヴァ株式会社は、アステナグループが掲げる「ソーシャルインパクト戦略」を実現する事業会社として、2021年にスタートしました。石川県珠洲市を拠点に、「サステナブルな地域社会を共創する」「地域の一次産業を守る」ことを大切にしながら事業を行っています。 地域に根差した企業として、「社会課題解決」「新しい価値創出」をテーマに、とてもチャレンジングな取り組みを進めている企業です。 
アステナミネルヴァ株式会社について


3. 石川県珠洲市・奥能登の魅力
アステナミネルヴァの本社がある石川県珠洲市は、能登半島の最北端に位置します。金沢から車で3~4時間(高速を使えない場合は5時間ほど)かかるような場所で、最寄りの能登空港からも車で約1時間弱かかります。 
珠洲市は美しく豊かな自然が魅力で、有名なのは「揚げ浜式の塩づくり」。また、高温多湿な気候から発酵文化が進んでおり、イカを使った魚醤(ナンプラーのような調味料)などが独自に発展しています。海や自然を眺めながら「本当に半島の端だな」と実感できる、とても素敵な地域です。 
アステナミネルヴァ株式会社の拠点 珠洲市について


4. ヘルスケア事業「NAIA」について
アステナミネルヴァが掲げる「地域社会とともに事業を作り上げる」というビジョンを、まさに体現しているのがヘルスケア事業「NAIA(ナイア)」です。 


キク炭(菊炭)を活用したプロダクト
「菊炭」は、石川県珠洲市炭焼き工房「ノトハハソ」の大野さんが一つひとつ手仕事でつくる炭です。NAIAは、こうした地元のクラフトマンシップで作られた素材を活かした商品を地域とともに作り上げています。 
ヘルスケア事業NAIA(菊炭&酒粕配合洗顔フォーム)


酒粕フェイスマスク
もう一つの主力商品が「酒粕フェイスマスク」。石川県を代表する二つの酒蔵で生まれた酒粕を使用。甘くておいしいお酒の糖分が水分を引き寄せる力が強いという特徴を生かし、保湿に優れたフェイスマスクとして販売しています。
ヘルスケア事業NAIA(酒粕フェイスマスク)


5. アステナミネルヴァの人々
私がお会いしたアステナミネルヴァの方々は、地域を愛する温かさと、大きなビジョンを追いかける情熱の両方を感じられるチームでした。 
全国を見て回ったが最終的に珠洲市へ戻ってきた方や、「奥能登はじっちゃん、ばっちゃんが見守ってくれて『やってみぃ』と言ってくれるそんな場所」と教えてくれる地元のスペシャリストもいらっしゃいます。一方、12名で5つの事業を同時に進めていることもあり日々全国を飛び回りとても忙しそうですが、「社会課題の解決」という大きなビジョンに向けて奔走し、新しい価値を生み出すために情熱を燃やしている姿が大変印象的でもありました。 


6. プロジェクトスタート直後に大変だったこと
いざプロジェクトが始まると、最初はものすごく大変でした。気持ちばかりが焦り、不安になり、夜も眠れないほどだった時期もありました。 
というのも、今回の主なミッションは「Instagram運用」でしたが、NAIAとしての公式アカウントは運用実績がほぼない状態だったことに加え、実は私自身もほとんどInstagramの投稿経験がなかったのです。まさしく、ゼロから仕組みをつくり、何を目的に行うのかから検討する必要がありました。「SNSのプロとは程遠い自分に成果が出せるのだろうか」「自分には大役すぎる」と焦りと不安で夢にまで見てしまう時期もありました。


固定観念との衝突
私の頭の中では「SNS運用」というと、ターゲットやブランドコンセプトがある程度見えている前提のもとで「彼らに届けるにはどうするか?」を考えることと捉えていました。しかし、NAIAは事業そのものが「これからスタートしていくフェーズ」で、ブランドコンセプトやターゲット自体も「やりながら決めたい」という段階。今まで当たり前に設定されていた「前提」がないという事態に初めて直面し悩みました。「これまでとはまったく違う進め方が必要」ということに気づき、チームでの会話を重ねながら「確からしいものを」決めて「やってみる」ことに価値があるということにやっと気づくことが出来ました。 


7. 具体的な取り組み:Instagram運用と生成AI活用
Instagram運用の流れ
「Instagramを毎日投稿しましょう」という目標からスタートしましたが、当然ネタは尽きていきます。最初は手持ちの素材で投稿していましたが、途中から「画像が足りない」「コンテンツをどう増やすか」という課題にぶつかりました。 
そこで、生成AIを活用してアイデアを出したり、画像生成ツールでビジュアルを補完したりするようになりました。 
取り組み内容


実際に使った生成AIのツール
1)ChatGPT(MyGPT)
役割設定:
「Instagram運用のプロ」というロールを与え、オープンな情報をもとに「主力商品が○○」「こういう内容を盛り込みたい」などと指示して投稿アイデアを生成。 
使い方の例: 
「○月○日の投稿を考えたいので、○○の日×NAIAの酒粕フェイスマスクで投稿案を作成してください」という指示を出し、生成されたアイデアの中から「使えそうなもの」をピックアップして、自分の言葉で整えます。 


2)画像生成ツール(Ideogram など)
商用利用が可能なものを選び、英語のプロンプトが必要なときはChatGPTを使って作成。生成した画像をデザインツール(Canva など)で編集し、NAIAの商品画像などを合成して投稿用に作り込む。
Ideogram


運用の成果
始めた当初はフォロワー40名ほどでしたが、180名ほどにまで増えました。(25年1月6日現在で223名)ゼロからのスタートながら、生成AIによる画像生成とアイデア出しのおかげで、「伝えたいことはあるけれど投稿素材がない」「伝えたいことはあるけれど同じ表現しか思いつかない」を回避し、投稿を試すことが出来たと思います。 
NAIA Instagram:
8. 得られた学び・気づき
1) 地域課題の当事者意識
このプログラムに参加するまで、実は地方創生や地域活性化にそこまで深い関心を持てておらず、寄付や社会貢献サービスを思いつく程度にしか捉えられていませんでした。今回、アステナミネルヴァの取り組みを目の当たりにして、寄付や外部から何かを与えるだけでなく「地元の事業者や経済を一緒に盛り上げる、地域の人々と共に成長する」という意識が大事だと知ることができました。 


2) ビジネス競争(共創)の現場
大企業の中である程度の期間働いてきた自分は、「業務遂行」には慣れ「価値創造」に貢献できているような気がしていました。しかし今回は「前例のないことを形にする」というこれまでにはない、これまでには意識できていなかったフェーズを経験しました。悩みも迷いもありましたが、自分なりに確からしいものを想定し形にし、意見をぶつけ合いながらチームの思いを引き出す、それが結果として「チームの確からしいもの、実現したいこと」に昇華されていく…そうしたプロセスを、身をもって経験することが出来ました。 


3) 生成AIはあくまで手段
私自身、本プログラムの参加前は生成AIを使いこなせていませんでした。最初は「どうやって使うのだろう?」からの手探りでしたが、実際に使い始めると、 
-業効率化(下書きをしてくれる)
-コンテンツの幅を広げる(アイディア出しを手伝ってくれる)
-クオリティの向上(投稿案の表現のみならず、ヴィジュアル作成も補助してくれる)
につながりました。地域企業によっては、マーケティング専任者が不足していたり、ヘルスケア・スキンケアに感度が高くないメンバーが発信を担当したりすることも多いに想定できると思います。生成AIを活用すれば、長けた人がいなくとも、ある程度のレベルを維持して情報発信ができると実感しました。 
4か月を通じての気持ち


9. 4ヶ月を終えてのまとめ
4ヶ月間を振り返ると、最初は本当に大変で「寝ても覚めてもInstagram…」という日々でした。しかし、充実感や達成感を大いに味わえたのも事実です。ブランドがスタートするというNAIAにとって大事な時期に、公式Instagramを任せてもらい、「確からしいもの」を一緒に探っていくという打席に立たせてもらえたことは、挑戦しなければ得られなかった経験、学びでした。「複業」は限られた人がやるもの(=自己啓発本を読み、時間にも気持ちにも余裕がある人こそが挑戦できるもの)・・そんな風に考えていた自分が、挑戦しなければ得れなかった経験や学びを実感し、これからも挑戦したいと思えていることに自分自身が一番驚いています。機会をくださった方々とのご縁を大切に、自分自身も少しずつ自分で確からしいことを考える、感じたことを形にする、チームに貢献する、というプロセスを大事にしていきたいです。 


また、アステナミネルヴァの皆さんやNAIAのプロダクトが大好きになったので、これからも応援していきたいです。

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