バスジャックにカーチェイスが連日TVニュースで流れるなど大荒れ! いまのアメリカでは大都市の治安の悪化が深刻化していた

2024.10.22 06:20
この記事をまとめると
■アメリカの大都市では治安の悪化がいま社会問題となっている
■テレビのニュースではカーチェイスがよく報道されている
■不法移民による交通事故が増加している
アメリカの治安が年々悪化している
  2024年9月25日の朝に起きて、お気に入りのテレビ局のモーニングニュースにチャンネルを合わせたら、ロサンゼルス郡MTA(Metro Transpotation Authority)バスが、9月25日未明にロサンゼルス市内で銃をもった男に乗っ取られるという事件を大々的に報じていた。
  警察は乗っ取られたバスの追跡と同時に先まわりし、道路上に「スパイク」と呼ばれるタイヤをパンクさせる器具を設置し、バスはそこを通ったあとタイヤがパンクして停車した。日本なら犯人との交渉を慎重に行い、人質解放を優先させ解決というパターンとなるのだろうが、映像を見る限りはそんなに時間を置かず車内へ閃光弾を撃ち込み、運転席にいた運転士を警察官が窓から外へ連れだすなど強行突入を行い、人質2名(運転士除く)のうち1名が死亡し、犯人は逮捕された。
※画像はイメージ
  日本よりもはるかに治安のよくないアメリカの大都市だが、地下鉄やバスなどの公共交通機関は24時間運行が当たり前となっている。筆者のような観光客レベルの外国人が深夜のバスや地下鉄に乗ることはまずないのだが、筆者の記憶の限りでは、バスがハイジャックされたというのはほとんど聞かない話であった。
  全米レベルで、とくに大都市では治安の悪化がいま社会問題となっている。これも現地報道ベースだが、日本でも有名なコンビニへ夜間にかなり多数の(群衆レベル)の若者が押しかけ、店内を破壊し略奪行為などを行う事件が発生したとのこと。「フラッシュモブ」などと表現されていたが、この件は金目のものを奪うというのが主目的ではなかったようである。金曜日に発生したので翌週や翌々週の金曜日では同じ系列のコンビニ敷地内での防犯カメラの増設や警察官のパトロールの強化などを行い再発に備えていた。
  カーチェイスも連日テレビで生中継された。ドラマやバラエティ番組を中断させるまではいかないものの、夕方以降はチャンネルによっては午後11時ごろまで毎時間ニュースを放映するところもあり、各局ともニュース途中にカーチェイスが発生すると、すぐにヘリコプターからのカーチェイス実況中継に切り替え、逮捕されるまで番組内容を変更して生中継を続けるのが恒例となっている。
  ただ中継するのではなく、画面には逃走車両の速度や進んでいる方角、逃走している通り名や交差する通り名など、画面にはいくつかの情報も表示される点も特徴だ。
  筆者が見た事案では、市街地のフリーウェイを深夜時速98マイル(約時速160km)で逃走ということもある。市街地のフリーウェイは路面状況も悪いし、深夜でもそこそこクルマが走っているので大変危険な状況のなか逃走していることになる。
  また、特徴的なのは、混雑した道路に逃げ込むと大型トレーラーなどが多いのだが、一般市民が積極的に逃走車両をブロックしているのもアメリカらしい光景。一般市民の協力で無事検挙ということも珍しくない。カーチェイスはとにかく視聴率がとれるようだ。
不法移民による事故が連発
  夜間はクルマへの乗降時に犯罪者に狙われるケースが多いので、小心者の筆者は周囲を確認してロックを開けたら瞬時に乗るようにしている(防犯上、2段階操作しない限りは運転席のみロック解除となる)。自分のクルマのまわりでタバコの煙の臭いがするときなどは、とにかくどこかで犯罪者が待ち伏せしているのではないか(あくまで筆者の意見)と警戒するようにもしている。昼間であればわりとスーパーの駐車場なら建物から離れた場所に停めるクセがあるのだが、夜間は出入口間近に停めるようにしているが、これも防犯という意味では、地元でもお約束となっているようだ。
  地元では「不法移民の急増が原因」との話もあったが、無免許運転(当然のように無保険)の急増も問題化していた。そして、2023年より目立っていたのが「信号無視」。これも社会問題となっていたのだが、信号が黄色から赤へといった微妙なタイミングではなく、明らかに赤でも交差点に突っ込んでいた。歩行者として道路を横断するときは、「歩行者横断可能」に信号が変わっても(アメリカは赤とか青といった色の変化はない)、「大丈夫かな」と慎重に確認してから渡るようにしていた。
  アメリカのなかでも、とくにクルマがないと日々の生活ができないともいわれているロサンゼルス地域では、「治安の悪化は交通環境の悪化にも直接伝わっているなあ」と現状を見て考えさせらえれた。

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